平成24年度愛媛県主催 地域医療夏季サマーセミナー

平成24年8月11日 愛媛県庁大会議室にて

今回の愛媛県主催のサマーセミナーでは、「地域医療と女性医師」というテーマでワークショプを開催しました。これまで毎年、地域医療における様々な課題について本ワークショップでは取り上げ協議してきましたが、ワークショップ後の感想では、テーマが絞って議論したいという意見をたくさんいただきましたのでひとつのテーマに絞り議論しました。今回のテーマは女性の学生さんは勿論のこと、将来一緒に仕事をする男子の学生さんも一緒に考えていただきたいテーマです。
ワークショップを開始するにあたり、その参考になるお話を日野 ひとみ先生よりしていただきました。日野 ひとみ先生は、自治医科大学の卒業後、2年間愛媛県立中央病院で研修を受け、その後西予市城川町の国保土居診療所に勤務されておりました。その間、結婚、2人のお子さんの出産、育児をこなしながら、後期研修では愛媛大学医学部小児科を選択され、小児科医の専門医、さらには愛媛大学の社会人大学院制度を利用され医学博士の取得ももうすぐという状況です。
「地域医療と女性医師」と題して、これまでの地域医療医としての先生の歩みと成長記録、患者との交流や自分の家族との触れ合いなどについてご講演をして頂きました。診療所でのゆっくりと過ぎていく流れの中で、逆らうことなく自然体で取り組んできた姿が伝わるとてもぬくもりのある講演でした。

ワークショップの成果
1.課題
1)配偶者(家庭)を持つこと
・家庭との両立の難しさ
・産児休暇・育児休暇の確保
・配偶者が医師であることが多く、配偶者からの協力が少ない
・配偶者の転勤による就労継続の問題
2)キャリアップ
・昇進やリーダーシップ
・一旦離職すると責任ある業務につけないという思い
・非常勤でもある程度の報酬を得ることができ、世帯収入としては問題が無い
・地方勤務が難しい
3)労働条件
・休職後再就職時の体制不備
「働きたくても働けない」という職場環境・物理的要因
2.対策
出産・育児支援対策
①保育園等の整備・拡充
②男性の家事・育児への参加
③出産・育児退職者の職場復帰  ④職場の医師を増やす
⑤医師の勤務時間を減らす ⑥代替医師の掌握・確保
⑦男女の多様な働き方をすすめる、男性の育休の取得
⑧奨学金
3.問題解決への提言
医師全体の労働環境の改善 医師の妊娠・出産・育児・介護支援を強力に
4.具体策としては
休業医師の登録・派遣制度、ヘルパー派遣事業 復職時の研修制度