写真:佐田岬

先輩からのメッセージ
Message from Seniors

教授・先輩からのメッセージ

大八木保政教授

大八木教授のインタビュー
来る者に夢と楽しさを

大学臨床系講座の重要な役割は、高度の専門性・総合性を有する良き臨床医の育成と基礎・臨床研究の推進にあります。当講座は内科専門医から脳神経内科専門医の取得を主軸として、さらに老年科専門医や認知症専門医・脳卒中専門医等取得のための研修環境も充実しています。また関連病院との連動研修で他にも多様な神経病関連の専門医取得が可能です。研究を頑張りたい方には大学院進学や国内留学なども推奨しています。ただし、ここまではどの大学脳神経内科学講座でも同じ考え方と思います。当講座および愛媛県における専門研修の特色を以下に述べます。

①自由闊達・自主性
当講座は大学医局在籍者が概ね8〜9名と小世帯であり、カンファレンスでも自由に意見を出し合います。教授の意見もしばしば否定されます。小世帯のため同門会もありません(OB会は時々しています)。診療・研究・勉強・余暇は全て個人の責任であり、研鑽には自主性が求められます。神経学は勉強すればするほど興味が湧いてくる分野です。

②充実した指導医層
個人の自由は保障されますが、指導医が専攻医を放置するわけではありません。当講座には日本神経学会認定の脳神経内科指導医が5名おり、専門分野も認知症・神経難病・神経免疫・神経生理・神経遺伝・脳卒中と一通りカバーできる体制であり、専攻医は充実した指導を受けることができます。

③研究手法の幅広さ
スタッフはそれぞれ独自の興味で研究に取り組んでいます。研究環境は充実しており、神経化学・神経生物学・遺伝子解析などの実験的研究から抗加齢・予防医療センターの大規模なコホートデータの解析や超音波・生理検査機器を用いた臨床的研究まで幅広い手法で取り組んでいます。また、京都大学や九州大学などとの共同研究も継続中です。

④愛媛県の生活環境
私は福岡から愛媛県に来ましたが、生活の快適さを満喫しています。タイトルを「来る者に夢と楽しさを」としましたが、これは大学医局のことだけでなく、愛媛県への転入も含めた意味です。生活環境に関しては別項でまた紹介しますが、良質なスローライフと充実した専門研修環境を保証します。もちろん収入面も保証します。

近藤 秀 先生

高知大学平成29年卒
近藤先生
脳神経内科に興味を持った動機は?

学生時代から脳に興味があり、脳神経外科と内科でかなり迷っていました。

脳神経内科は病歴聴取・身体診察から疾患にあたりをつけていく内科的な面白さはもちろんのこと、神経診察という患者を診れば診るだけ成長していく技術の楽しさに惹かれました。また、認知症など脳機能系はやはり脳神経内科(もしくは精神科)の方が専門的だと感じ、脳神経内科に決めました。

入局前の想像と現実のギャップは?

入局前の想像と大きなギャップは無く、大学での勤務は一つ一つの症例を丁寧に勉強していく形で、右も左もわからない私にはとても有り難くゆっくりと成長していくことが出来ました。

ギャップを強いて挙げるなら、医局の上の先生方とは研修医時代はあまり関わることが無かったのですが、どの先生も優しく丁寧にご指導頂き、医局内で気軽に質問できる空気だったことはある意味想像していなかった点かもしれません。

実際に研修して感じた興味ポイント・モチベーションを教えて!

研修前は脳血管系(脳梗塞など)をカテーテル治療など含めてやってみたい気持ちと脳機能系(認知症など)を専門としたい気持ちがありましたが、研修して神経伝導検査や認知機能検査などの面白さに気づき、神経変性疾患や炎症性疾患にも興味が出てきました。

モチベーションは、患者を診れば診るだけ診察技術が上がっていき、それがまた正しい治療に結びついていくことです。

桑垣 詩織 先生

愛媛大学平成31年卒
脳神経内科に興味を持った動機は?

 学生時代から脳神経領域に興味があり、学生実習や初期研修で実際に患者さんの診察や検査を行う中で、神経学的所見から病変部位を推定し、電気生理検査や画像検査などから診断に繋げていくプロセスに面白さを感じました。

入局前の想像と現実のギャップは?

 大学病院では指導医の先生方から色々なアドバイスをもらいながら、症例数は多くはありませんが1つ1つの症例を丁寧に勉強することができます。一方で大学病院は慢性期疾患が多く、脳卒中やてんかん、髄膜炎などの急性期疾患を診る機会が少ないことに不安を感じていましたが、現在研修中の松山赤十字病院では急性期から慢性期まで幅広い疾患を経験することができており、その点は心配ないと思いました。

実際に研修して感じた興味ポイント・モチベーションを教えて!

 脳神経内科は治癒が難しい疾患が多い印象がありましたが、日々新しい治療の研究が進んでおり、やりがいのある分野だと感じています。変性疾患や免疫疾患などの慢性期疾患は長期的な治療が必要になる場合が多く、患者さん一人ひとりと丁寧に向き合いながらサポートしていきたいと考えています。

武井聡子先生

写真:武井先生インタビュー
脳神経内科に興味を持った動機は?

学生時にローテーションした時、神経診察の難しさや、疾患を系統立てて考察していくことの難しさと面白さを実感しました。また、神経の病気ではまだまだ分かっていないことが多くあり、今後飛躍的に発展が見込まれる分野で、ずっと興味やモチベーションを持って診療に従事していくことができるのではないか、と思ったことが脳神経内科に決めた一番の理由です。

入局前の想像と現実のギャップは?

入局前は、当科(大学勤務)では精査目的の入院や特殊な疾患の治療入院が多く、経験できる症例が少ないのではないか、という心配がありました。

実際に勤務してみると、県内全域から患者さんが集まってくるため疾患は多岐に渡り、検査実施や結果の検討および解釈、疾患の文献検索をしたり、とすべきことは多く、1つ1つの症例を丁寧に診ることの重要さを実感しました。また、大学病院勤務では脳卒中などの急性期疾患をみる機会は少ないですが、当科では関連病院も多いため、希望に応じて専門医研修の一環として、一定期間は関連の救急病院等でローテ研修をすることになっています。

現在子育て中ですが、基本的な業務内容を減らしてもらい、こどもが体調を崩した時は他医師に業務を引き継ぎ早退させてもらっています。医局のスタッフの理解や協力体制は万全だと感じる今日この頃です。

実際に研修して感じた興味ポイント・モチベーションを教えて!

神経疾患はまだまだ分かっていないことが多く、今後発展することが期待できる診療科と考えています。患者さんに寄り添いながら、その患者さんに合った最新の治療が常にできるようにしたいと思うことがモチベーションになっています。今後、特に極めたい専門領域ができたら、県外研修などでレベルアップし、技術や知識を愛媛に持ち帰りたい、と考えています。

千崎健佑先生

愛媛大学平成22年卒
千崎先生先輩コメント
脳神経内科に興味を持った動機は?

私は学生時代より総合診療医を志望していました。現在の医局に入局したのは、様々な診療科の中でも特に脳神経内科は全身を診察する診療科であり、総合診療医としての専門性を高める際に最適な診療科と考えたからです。脳神経内科の領域では神経救急領域(脳血管障害、てんかんなど)と免疫性神経疾患(重症筋無力症、多発性硬化症など)に特に興味があります。前者は救急場面での適切な診断と治療が予後に直結する責任があるからです。後者は若年患者さんの数十年を背負っている責任があり、また治療が目覚ましく進歩していて治療効果を明確に実感できるからです。

入局前の想像と現実のギャップは?

私は小学校1年生から現在まで継続して「サッカー」をしています(卒業後は勤務地に合わせて様々なチームに所属しています)。つまり、完全に体育会系>>>文化系であるため他の診療科よりも多いであろう「足」を使わない業務(カルテ・退院サマリー作成・論文検索・学会準備)に大変苦労しました。ただ、「足」で稼ぐことをモットーに患者さんと指導医に「足」を運び日々学んでいます。私のように身体を動かすことが好きで机でじっと勉強することが苦手な学生さん、研修医も問題ないと思います。

実際に研修して感じた興味ポイント・モチベーションを教えて!

病歴聴取と身体診察が重要な科であり、患者さんを診れば診るほど知識が増える、つまり「百聞は一見に如かず」的な要素が強いことが興味ポイントです。診断・治療に対する責任が大きいことや、他の診療科からコンサルテーションを受けることが多いことがモチベーションになっています。

愛媛県立中央病院
脳神経内科医長
白岡朗先生

帝京大学平成25年卒

HITO病院
脳神経内科医長
明地雄司先生

福井大学平成28年卒

愛媛医療センター
脳神経内科医師
尾原麻耶先生

おおぞら病院
脳神経内科部長
冨田仁美先生

愛媛県立今治病院
脳神経内科部長
鴨川賢二先生

愛媛大学平成15年卒

松山市民病院
脳神経内科部長
波呂敬子先生

愛媛大学平成11年卒

松山赤十字病院
脳神経内科医師
千崎健佑先生

愛媛大学平成22年卒

HITO病院
脳神経内科医長
白岡朗先生

帝京大学平成25年卒