老年・神経・総合診療内科学-愛媛大学医学部医学系研究科

大八木教授よりご挨拶

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 当教室は、1997年4月に老年医学講座として開設され、同年12月16日に三木哲郎初代教授が着任されました。1999年1月に老年科の病棟を開設し、同年9月から神経内科診療を開始しました。三木教授の御指導のもと、医局員は順調に増加し、講座名は「老年医学」「加齢制御内科学」と変遷を経て、現在「老年・神経・総合診療内科学」となっています。当教室では、多くの医師が内科認定医の上に、神経内科専門医、老年病専門医、脳卒中専門医、認知症専門医などダブルやトリプルで専門医を取得しており、幅広い内科臨床を基礎としてそれぞれ得意な専門分野を持っていることが特色の一つと言えます。
 2017年度から開始される新専門医制度においても、神経学会と老年医学会はともに内科関連subspecialty 13分野に含まれており、総合内科専門医を取得する上で神経内科学は研修不可欠な分野です。
 私は2015年5月1日付で三木前教授の後任として当講座の教授に着任しました。経歴にありますように自身の専門は神経内科ですが、認知症専門医として長年高齢者医療にも携わっております。日本はすでに人類史上初の超高齢社会(WHOの定義では65歳以上の高齢者が21%以上)に突入しており、特に75歳以上の後期高齢者が急増中です。否応なく医療の制度全体や診療内容も変化を迫られており、地域包括ケアの中で医療・福祉の連携を進めていく時代になっています。その中で、老年医学と神経内科学を融合させた老年・神経内科学は現在〜将来の医療において最も必要とされている診療分野の一つです。当教室は、「老年医学に精通した神経内科専門医」の育成が最大の使命であり、脳卒中、血管病・生活習慣病、免疫性神経疾患、神経変性疾患、認知症など多様な指導医が在籍している充実した研修環境が強みです。医学部教育では、神経内科学・老年医学の教育に加えて、地域医療・地域包括ケアへの理解を深めることを重視しています。
 研究面では、別項に紹介しておりますように、三木哲郎初代教授のご専門である遺伝子研究において、特に高血圧やアルツハイマー病関連遺伝子について当教室から世界に誇るべき多数の業績を挙げております。私自身はこれまで、アルツハイマー病を始めとする神経疾患の分子病態や治療法の研究に取り組んできました。米国では、21世紀を「脳の世紀」と位置付けており、脳科学研究はマクロ・ミクロの両面から今後さらに急速に発展していきます。当教室では、遺伝子研究の継続・発展、神経変性疾患や自己免疫性神経疾患の病態解明や治療法開発、さらに神経再生治療の研究も推進していきます。
 神経内科や老年病の専門医を目指す方、また遺伝子解析や認知症・神経難病などの治療法開発に興味がある方はご連絡ください。診療や研究の見学などはいつでも歓迎しますので、医局に気軽にご来訪ください。

2015年5月
大八木 保政

教授のプロフィール

プロフィール・職歴

1985年3月 九州大学医学部卒業
1985年6月 九州大学医学部附属病院神経内科・研修医
1987年6月 国立別府病院神経内科・医師
1988年6月 国立精神・神経センター
神経研究所疾病研究第6部・研究員
1991年4月 九州大学医学部附属病院神経内科・医員
1994年9月 米国ケースウェスタンリザーブ大学・研究員
1995年6月 米国メイヨークリニックフロリダ・研究員
1997年2月 飯塚病院神経内科・医長
1997年10月 九州大学医学部神経内科・助手
2001年6月 九州大学医学部附属病院神経内科・講師
2006年4月 九州大学大学院医学研究院神経内科学・講師
2007年2月 九州大学大学院医学研究院神経内科学・助教授
2007年4月 九州大学大学院医学研究院神経内科学・准教授
2012年10月 九州大学大学院医学研究院寄附講座神経治療学・教授
2014年7月 国立病院機構大牟田病院臨床研究部・部長
2015年5月 愛媛大学大学院医学系研究科
老年・神経・総合診療内科学・教授

所属学会

内科学会、神経学会、老年医学会、認知症学会、脳卒中学会、
神経治療学会、神経免疫学会、自律神経学会、
Society for Neuroscience (米国)

専門医資格

内科学会認定内科医、神経内科専門医・指導医、
認知症専門医・指導医

社会活動の経歴

福岡市認知症疾患医療センター、福岡県認知症疾患医療センター、
福岡県国民健康保険審査委員、日本学術振興会科学研究費審査委員
など