小児医療を通じて未来を守る
愛媛大学小児科 ~小児医療を通じて未来を守る~

循環器グループ

愛媛大学小児科の循環器・新生児グループでは、胎児期から始まり、新生児期、乳幼児期、学童期、青年期、さらには成人期まで、成長・発達を通して長期的に担当しています。
小児循環器部門では、先天性心疾患の胎児診断からはじまり、新生児期の重症の心疾患に対しては呼吸循環管理を中心とした集中治療、小児期および成人期に達した先天性心疾患患者さん、また小児の後天性心疾患としては、川崎病、肺高血圧、心筋疾患、不整脈、突然死などが重要で、これらの疾患に対する診断・治療を専門的に行っています。
心臓血管外科はもちろん、産婦人科、循環器内科、小児外科、麻酔科、放射線科などとも密に連携したチーム医療を行っているのが当グループの特徴です。成長・発達から生涯を通じて一貫した診療システムを構築し、診断・治療成績を向上させていくために、今後も努力していきたいと考えています。

臨床

愛媛大学小児科小児循環器外来では、年間延べ3000-4000人の方が受診されております。愛媛県で唯一小児心臓血管外科のある施設であり、術前・術後の多くの方々の治療にあたっております。
1号館6階小児病棟ならびに3号館2階PHCUを中心に入院での検査・手術などを行っております。入院数は平成30年は270人前後であり、週に2-3件のカテーテル検査ならびにカテーテル治療(コイルやAMPLATZERによる塞栓や、バルーン拡張など)を行っております。

年度 2014 2015 2016 2017 2018
カテーテル件数
(全数)
138 110 145 140 147
治療カテーテル 60 46 63 45 80

カテーテル以外の検査件数は下記の通りであり、病態評価や術前後評価を行っております。

心エコー(経胸壁) 3471件
経食道エコー 40件
ホルター心電図 83件
トレッドミル 4件

(平成30年度)

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研究

循環器グループでは、地域への突然死の予防の検診・予防活動から、病態解析、またカテーテル治療の報告を多くおこなっております。

(1)学校における突然死を防ぐために。

AEDは学校の職員室に設置されることが多いです。しかし、職員室ではひろい校舎の中で致死性の不整脈が起こった場合に速やかにAEDを使用することができません(図1)。そのため、われわれは図2のように複数のAEDを設置することが速やかな救助につながるという検証データを得ました。現在AEDが速やかに行えるように地域への設置や実施における普及教育活動を行っております。

Installation of multiple automated external defibrillators to prevent sudden death in school-aged children.
Higaki T, Chisaka T et al. et al.
Pediatric Int. 2016; 58:1261-1265.

AED

また、あいなんプロジェクトを通して心臓検診を行うことで、発症前に疾患を見つけ予防する取り組みも行っております。

学校心臓検診に心臓超音波検査を導入することによる,学童の突然死予防への有用性の検討 – あいなんハートプロジェクト –Preliminary study in Ainan (AINAN HEART PROJECT) – First report –
田代 良 他
愛媛医学 2018; 37:145-152.

(2)胎児発育不全は、生涯において血管・臓器におけるレニンーアンジオテンシンーアルドステロン系の発現に対し影響を及ぼしているのか?

ACE2 deficiency induced perivascular fibrosis and cardiac hypertrophy during postnatal development in mice.
Moritani T et al. J Am Soc Hypertens. 2013; 7:259-266.

Low-protein diet induced fetal growth restriction leads to exaggerated proliferative response to vascular injury in postnatal life/ Chisaka T et al. Am J Hypertens. 2016; 29:54-62.

Roles of angiotensin Ⅱ type 2 receptor in mice with fetal growth restriction.
Yamauchi T et al. Hypertens Res. 2018; 41:157-164.

(3)川崎病の後遺症を減らすためにー原因究明および治療法開発

Efficacy of primary treatment with immunoglobulin plus cyclosporine for prevention of coronary artery abnormalities in Kawasaki disease patients predicted to be at increased risk of IVIG non-response (KAICA study): a controlled, phase 3, randomised, open-label, blinded-endpoints trial.
Hamada H*, Yamamoto E, Higaki T, et al.
Lancet 2019; 393:1128-1137.

(4)先天性心疾患のカテーテルインターベンションおよび血行動態解析

The use of a handmade balloon-expandable covered stent for native coarctation of the aorta in an adult patient: A report of a first case in Japan.
Higaki T, Yamamoto E et al.
J Cardiol. 56(3):287-290. 2010

Long-term Outcome of Coil Occlusion for Patients with Patent Ductus Artriosus.
Takata H, Higaki T et al.
Circ J. 75(2):407-12. 2011

Asynchronous contraction of the 2 ventricles caused by ventricular pacing after a Fontan-type operation in a patient with a biventricular heart.
Higaki T et al. 
Int J Cardiol. 150(3), e116-118. 2011

Successful treatment by coil embolization for infantilehemangioma with Kasabach-Meritt syndrome
Tezuka M, Ohta M et al.
Pediatric Int. 2015 ;57(4):738-41.

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カンファレンス

小児循環器カンファレンス 毎週月曜日 16:00から
小児心臓血管外科合同カンファレンス 毎週木曜日17:30から

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