小児医療を通じて未来を守る
愛媛大学小児科 ~小児医療を通じて未来を守る~

感染症グループ 

臨床

肺炎、尿路感染症などの小児によく診られる感染症のほか他病院からご紹介いただく重症感染症に対して、科学的根拠に基づいた治療を提供行っています。また、大学病院では血液・悪性腫瘍を始めとするコンプロマイズド・ホストの患者さんが多数入院されており、このような特殊な状況で発症する感染症に対しても適切な治療を提供しています。
近年の国際化に伴い海外渡航および訪日外国人が増加するに連れ、小児においても海外からの感染症が持ち込まれることがあります。実際に私達は、小児のマラリアやデング熱を経験し適切な対応を行っております。

研究

新生児の腸内細菌獲得に関する研究

新生児の腸内細菌叢は母乳の消化やビタミンの産生、有害微生物からの感染防御に役立つばかりでなく、最近では神経伝達物質の産生を促進し児の神経発達に大きく影響していることが明らかとなっています。 ヒトが生きていくためには腸内細菌叢は無くてはならない存在であり、新生児の正常な発育発達には腸内細菌が密接に関わっていると言われています。
現在新生児の腸内細菌叢の確立に関するデータは主に2000年以前に便の培養法によって得られたものです。しかし、便の嫌気性培養を行うと多種多様なコロニーが得られそれを同定し定量するためには高度なテクニックと多くの手間がかかるため、培養法を用いた腸内細菌同定の再現性は乏しいといわれています。また、培養法ではデリケートな嫌気性菌は本来の数より検出数が低くなる傾向があります。
この培養法による問題点を克服するため、新生児の便からDNAを直接抽出し定量的PCR、16S rDNAパイロシークエンス解析することにより正確な腸内細菌叢の確立の過程を明らかにしています。

腸内細菌の違い

(図は生後1ヶ月時のNICUで保育されている児と正常出生児の腸内細菌の違い:NICUで保育されている児ではビフィズス菌の獲得が遅く、腸内細菌科細菌が多く見られる。)

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感染制御部

新生児の腸内細菌獲得に関する研究

田内は感染制御部部長を務めているため、院内感染制御や抗菌薬適正使用支援チームにも積極的に関わっています。感染制御や抗菌薬に関する知識は小児と成人で違いはないため、より多くの症例を経験することができ、感染症のスペシャリストを目指すことが可能です。当科での研修は日本感染症学会の研修施設での研修として認められます。 また、当院は第一種感染症指定医療機関であり、非常に特殊な感染症の研修を受けることも可能です。

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