肝細胞癌について

肝細胞癌は肝臓にできる悪性腫瘍で、患者数は約41000人(男性 28000人、女性 13000人)、悪性腫瘍の臓器別では男性では3位、女性では5位に位置しています。2008年の全国集計では、肝細胞癌の73.1%がC型肝炎ウイルス、14.1%がB型肝炎で、約90%が肝炎ウイルスと関連して発症しています。肝炎ウイルス以外にも、アルコール、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)などによる肝硬変からも肝細胞癌は発生します。一般的に肝細胞癌は病態が進行するまで症状はあまり無く、日常生活が支障なくおくれるため、早期発見が難しい癌です。しかし、肝炎ウイルスの検査、肝機能検査で異常がある場合、定期的な肝機能検査で肝障害の程度を診断し、腫瘍マーカー、画像診断による肝細胞癌の定期的なスクリーニングをすることで早期に発見することが可能になります。肝細胞癌の治療は多岐にわたり、手術、ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈塞栓術、抗癌剤化学療法、分子標的治療薬などがあります。今後、肝細胞癌に対して新たな治療法が開発され、さらに治療効果の向上が期待されます。肝細胞癌は早期に発見することが予後の改善につながります。肝炎ウイルスの検診と肝機能の検診をおすすめします。また最新の治療法などの情報についてホームページや講演会などで情報を提供していきたいと思います。

日本肝臓学会 「肝癌撲滅のために」