B型肝炎について

B型肝炎ウイルスは血液を介して感染し、持続的に感染している方が日本には約130~150万人いると推測されています。B型肝炎は垂直感染(母児感染)や幼少時の水平感染の場合、慢性化する可能性があります。一方、これまで成人の水平感染では慢性化しないと考えられていましたが、B型肝炎の細かい種類(遺伝子型)によっては慢性化する危険性があることが分かってきました。

持続的にウイルスを持っている方の多くは非活動性の無症候性キャリアですが、約1割の方は慢性肝炎から肝硬変へと進行し、肝細胞癌を合併することがあります。また、B型肝炎では肝硬変でなくても肝細胞癌ができることがあり、血液中のB型肝炎ウイルスの量が多い方ができやすいと考えられています。

B型肝炎は自覚症状が出ることが少なく、C型肝炎と同様に進行した肝硬変、肝細胞癌の状態で発見される方も珍しくありません。そのため、一度で構いませんので、B型肝炎の検査を受けることをおすすめしています。検査は近くの医療機関や保健所でも行う事ができます。特に兄弟や両親などにB型肝炎の方がいらっしゃる場合はB型肝炎ウイルスを持っている可能性があります。必ず検査を受けてください。

B型肝炎の場合、特に治療を行なわなくても肝炎が落ち着いてくる場合があります。一方、肝機能の血液検査(AST、GPT)が高い方や肝硬変に近づいている方などは治療が必要です。B型肝炎ウイルスを持っている方は、すべての患者さんで定期的な画像検査(超音波検査、CT、MRI)を行って肝細胞がんがないか調べる必要があります。肝炎に対してはインターフェロンや核酸アナログ製剤といった抗ウイルス剤を用いて治療をおこないますが、治療の対象となる方や治療法について、年々変更されてきています。そのため、最新の情報を得る必要があります。

これらの最新情報に対しては肝臓病教室や市民公開講座に参加していただくか、肝臓専門医を受診もしくは肝疾患診療相談センターにお問い合わせください。