業績

研究内容紹介

当科では、糖尿病を中心としてメタボリックシンドローム、動脈硬化を含めた様々な研究を行っています。

主な研究内容

これまでに、特に単球と脂肪細胞に着目し、インスリン抵抗性関連遺伝子の転写調節機構と一塩基多型 (single nucleotide polymorphism; SNP)の解析を主な研究テーマとしてきました。一番大きな成果として、2004年に、2型糖尿病原因遺伝子として、インスリン抵抗性を惹起するサイトカインであるレジスチンのSNP-420を同定しました。現在、教室の主要な研究テーマとしては、最新の手法を導入しながら、この独自性を生かして、ヒトのレジスチンの意義を解明しています。その観点から、遺伝子・環境因子等によるレジスチンの遺伝子発現と血中濃度の調節機構、ならびにレジスチンの病態生理的意義の分子機構についての研究を進めております。こうして、レジスチンSNP-420と血中濃度を用いた2型糖尿病の予防とオーダーメイド医療の実現を目指しています。一方、1型および2型糖尿病の全ゲノム解析の共同研究に参加すると共に、新たな手法による糖尿病の成因解明も試みております。

現在、遺伝子発現調節機構については、ヒト単離単球、培養細胞、あるいはモデルマウスを用いて、主として分子生物学的手法による解析を進めています。SNPについては、次世代シークエンサーによる個人の全ゲノム配列決定が可能となるのを見据えて、最新の統計学と遺伝疫学、分子生物学の進歩を取り入れながら、SNPのin vitroでの機能、ヒトin vivoでの表現型への効果までを体系的に解析しています。大規模な臨床スタディとしては、共同研究として愛媛スタディ、東温スタディ、愛媛Dental Diabetes研究会を展開しています。

このようにインスリン抵抗性関連遺伝子、特に、レジスチンの遺伝子発現調節機構と病態生理的意義の分子機構を解析することにより、インスリン抵抗性、及び糖尿病の成因を解明したいと思っています。そして、これらの成果が、遺伝子診断や液性因子を用いた、糖尿病、メタボリックシンドローム、及び動脈硬化の統合的な予防法やオーダーメイド医療の確立に繋がることを願っております。

Key words:
インスリン抵抗性、糖尿病、メタボリックシンドローム、動脈硬化、オーダーメイド医療、炎症、単球、脂肪細胞、サイトカイン、転写、プロモーター、分化、遺伝子発現、感受性遺伝子、SNP、レジスチン、PDE3B

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