一般目標
血液
- 骨髄・リンパ系の構造と機能、血球の増殖と分化の機序を理解する。
- 血球の機能およびその障害時の主要な徴候を理解する。
- 顆粒球系の数と機能の異常をきたす疾患概念を理解する。
- 白血病と悪性リンパ腫の分類を理解する。
- 造血器悪性腫瘍の治療概念を理解する。
- 血液凝固系および血小板に関与する要素とその役割を理解する。
- 血液学的検査法について理解する。
- 輸血療法の理論を理解する。
- 各種貧血および赤血球増加症の病因と病態、特徴的所見、診断法および治療法の基本的事項を理解する。
- 白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫を中心とした造血器悪性腫瘍の診断と治療法の基本的事項を理解する。
- 血液凝固・血小板の障害による主要疾患の病因と病態、特徴的所見、診断法および治療法の基本的事項を理解する。
感染症
- 種々の感染症の発症機序、病態生理、臨床症候が理解でき、検査法、診断法および治療法の総括的概要が理解できる。
- 個々の感染症について、概念、疫学、病態生理、臨床像、診断および治療の概要が理解できる。
免疫・アレルギー
- 免疫監視機構とその破綻の分子機構について理解する。
- 自己免疫疾患の概念、分類、治療、予後について理解する。
- アレルギー疾患の概念、分類について理解する。
- 膠原病および膠原病類似疾患の概念、診断、治療の基本的事項を理解する。
- アレルギー疾患の概念、病態生理、臨床像および診断法、治療についての概略を理解させる。
行動目標
血液
- 造血幹細胞から赤血球、白血球(顆粒球、リンパ球)、巨核球・血小板への分化と関与する主要な造血因子、サイトカインの役割の概要について説明できる。
- 造血幹細胞移植(骨髄移植、末梢血幹細胞移植)の治療概念について説明できる。
- 赤血球の崩壊機構と脾臓の役割を説明できる。
- 赤血球造血における鉄、造血ビタミン(特にB6、B12、葉酸)の役割を説明できる。
- 赤血球膜の主要な成分と赤血球形態異常について説明できる。
- 赤血球における嫌気性解糖系の意義を説明できる。
- ヘモグロビンの合成過程の概要を説明できる。
- 個体発生過程におけるグロビン遺伝子の発現変遷とその異常について説明できる。
- 赤血球浸透圧抵抗試験、ク−ムス試験、自己溶血試験、酸溶血試験について説明できる。
- 顆粒球が減少および増加する疾患を挙げられる。
- 急性白血病および骨髄増殖性疾患の分類について説明できる。
- 悪性リンパ腫の分類と予後について説明ができる。
- 造血器悪性腫瘍の化学療法、造血幹細胞移植、分化誘導療法、分子標的療法などの治療概念が説明できる。
- 血漿蛋白異常症の概念と検査法について説明ができる。
- 血小板の機能について説明できる。
- 血液凝固機序について説明できる。
- 線維素溶解現象について説明できる。
- 血小板機能の検査法について説明できる。
- 血液凝固能の検査法について説明できる。
- 線維素溶解の検査法について説明できる
- 主要な貧血(再生不良性貧血、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、自己免疫性溶血性貧血)について病態、診断法および治療の概略を説明できる。
- 赤血球膜異常の診断と治療について説明できる。
- ヘモグロビンの構造異常(異常ヘモグロビン症)、グロビンの産生異常(サラセミア)による病態と診断法を説明できる。
- 赤血球増加症の病態および原因の鑑別について説明ができる。
- 骨髄異形成症候群の病態、診断、治療について説明ができる。
- 急性白血病のFAB分類とWHO分類について説明ができる。
- 急性白血病の治療について説明できる。
- 骨髄増殖性疾患の診断と治療について説明ができる。
- リンパ増殖性疾患の診断と治療について説明ができる。
- 悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫)の分類について説明ができる。
- 悪性リンパ腫の治療方針について説明ができる。
- 血漿蛋白異常症について説明ができる。
- 骨髄腫の診断と治療について説明ができる。
- 血小板の量的異常および質的異常(機能異常)による代表的疾患(特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、血小板無力症、Bernard-Soulier病)の原因、病態、診断および治療法について説明できる。
- 凝固因子の異常による代表的疾患(血友病A、B、von Willebrand病)の病因、病態、診断および治療法を説明できる。
- 播種性血管内血液凝固症候群の病態、診断および治療法を説明できる。
- 抗リン脂質抗体症候群の病態、診断および治療について説明できる。
- 血栓性素因の病態と診断について説明できる。
- 血液型と交差適合試験の検査法について説明できる。
- 赤血球・血小板・血漿成分輸血の適応について説明できる。
- 輸血の副作用について説明できる。
感染症
- 感染症の概念、感染と発症の概略を説明できる。
- 病原体の分類、病原性、病原巣について説明できる。
- 感染経路の分類について説明できる。
- 宿主の抵抗力、日和見感染、院内感染の原因、病態について説明できる。
- 感染症類型、外来感染症、人獣共通感染症について説明できる。
- 診断の進め方
- 病歴・現症のとり方で重要なポイントは何か。
- 発熱、脈拍、発疹、リンパ節腫脹などの主要徴候が理解できる。
- 臨床検査
- 病歴・現症のとり方で重要なポイントは何か。
- 発熱、脈拍、発疹、リンパ節腫脹などの主要徴候が理解できる。
- 検血、検尿、検便、X線、血沈、CRPなどの検査上の意義が理解できる。
- 病原体の分離・同定の方法が説明できる。
- 血清学的および免疫学的診断法の原理および意義が理解できる。
- 遺伝子診断法の原理および意義が理解できる。
- 感染の予防および治療
- 公衆的予防とは何か。
- 予防接種(ワクチンおよびトキソイド)の種類と効果が理解できる。
- 感染症における一般療法、対症療法が説明できる。
- 抗生物質、抗結核剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤などの薬剤の種類、選択方法、投与方法および副作用が理解できる。
- 個々の感染症の概念、疫学、病態生理、臨床像、診断および治療が概説できる。
- グラム陽性球菌感染症
- グラム陰性桿菌感染症
- 嫌気性菌感染症
- 細菌性赤痢・腸チフス・コレラ
- 細菌性食中毒
- スピロヘータ感染症
- リケッチア感染症
- 深在性真菌症
- カンジダ
- アスペルギルス
- クリプトコッカス
- ニューモシスチス
- ウイルス感染症(主として成人が罹患する疾患)
- ヘルペスウイルス
- インフルエンザウイルス
- かぜ症候群
- アデノウイルス
- エンテロウイルス
- フラビウイルス
- ウイルス性出血熱
- 後天性免疫不全症候群
- 重症熱性血小板減少症候群
- 原虫・寄生虫感染症(現在問題になっている疾患)
- アメーバ赤痢
- トキソプラズマ
- マラリア
- 日和見感染症
- 日和見感染症の定義が説明できる。
- 日和見感染症をおこしやすい疾患が挙げられ、病態が説明できる。
- 個々の疾患の治療と予防が説明できる。
免疫・アレルギー
- 免疫応答機構の基本的事項について説明ができる。
- 自己と非自己の識別機構について説明ができる。
- 自己免疫の概念について説明ができる。
- 自己抗体の種類について説明ができる。
- 膠原病の分類について説明ができる。
- 膠原病の病理が理解できる。
- 膠原病の一般的特徴について説明ができる。
- 膠原病の治療薬とその副作用について説明ができる。
- 補体の機能について説明ができる。
- アレルギー疾患の分類とその代表的疾患について説明ができる。
- 免疫不全症の分類について説明ができる。
- 全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎の症状、診断、治療について説明ができる。
- 膠原病の重複症状を認める疾患(MCTD,Overlap症候群)の概念症状、診断、治療について説明ができる。
- 血管炎症候群の分類、症状、診断、治療について説明ができる。
- 関節リウマチの症状、診断、治療について説明ができる。
- ベーチェット病、シェーグレン症候群、成人スティル病、IgG4関連疾患の症状、診断、治療について説明ができる。
- HLA-B27関連リウマチ性疾患の症状、診断、治療について説明ができる。
- アレルギー反応の分類、病態生理および診断法、治療について説明ができる。
- 補体欠損症、補体の増減する疾患について説明ができる。
- アナフィラキシーの病態、臨床像、診断および治療・予防について説明ができる。
- 血清病、薬物アレルギー、食品アレルギー、職業アレルギーの各々の病態、診断および治療について説明ができる。
学習上の注意
- 参考書
- Harrison’s Principles of Internal Medicine
- Wintrobe’s Clinical Hematology
- Williams Hematology
- Principles and Practice of Infectious Diseases
- その他図書館設置参考図書
評価方法
- それぞれの範囲で、100点満点の筆記試験を実施する。60点未満を不合格とし、再試験を1回のみ実施する。但し、本試験で40点未満の者に対しては、再試験受験資格を認めないことがある。
- 学則で定められている理由以外または試験前に届け出なく本試験を無断欠席した者は不合格とし、再試験の受験資格を認めない。なお、病欠の場合にも、明らかに受験不可能と判断できる場合に限り再試験受験資格を認め、診断書の内容によっては不合格となりうることもある。
- 出席が、三分の二に満たない者は原則として受験資格を認めない。
上記の評価方法は全て学則に則ったものである。
| 月日 | 曜 | 時間 | 担当教官 | 所属 | 講義内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4月10日 | 木 | 9:50~10:50 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
1. 造血の仕組み |
| 4月10日 | 木 | 11:00~12:00 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
2. 造血系検査法 |
| 4月15日 | 火 | 9:50~10:50 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
3. 貧血 |
| 4月15日 | 火 | 11:00~12:00 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
4. 急性白血病(1) |
| 4月17日 | 木 | 13:00~14:00 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
5. 急性白血病(2) |
| 4月17日 | 木 | 14:10~15:10 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
6. 骨髄不全症候群(1) |
| 4月21日 | 月 | 13:00~14:00 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
7. 骨髄不全症候群(2) |
| 4月21日 | 月 | 14:10~15:10 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
8. 骨髄増殖性腫瘍 |
| 5月 1日 | 木 | 13:00~14:00 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
9. 多発性骨髄腫 |
| 5月 1日 | 木 | 14:10~15:10 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
10. 造血器腫瘍治療総論 |
| 5月19日 | 月 | 13:00~14:00 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
11. 造血幹細胞移植(1) |
| 5月19日 | 月 | 14:10~15:10 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
12. 造血幹細胞移植(2) |
| 5月22日 | 木 | 13:00~14:00 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 13. 出血性疾患総論 |
| 5月22日 | 木 | 14:10~15:10 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 14. 血管・血小板異常(1) |
| 5月27日 | 火 | 9:50~10:50 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 15. 血管・血小板異常(2) |
| 5月27日 | 火 | 11:00~12:00 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 16. 血液凝固異常(1) |
| 6月 5日 | 木 | 13:00~14:00 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 17. 血液凝固異常(2) |
| 6月 5日 | 木 | 14:10~15:10 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 18. 血小板・血液凝固・ 線溶系の総合的異常 |
| 6月10日 | 火 | 11:00~12:00 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 19.輸血の検査 |
| 6月16日 | 月 | 13:00~14:00 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 20. 輸血の実際 |
| 6月16日 | 月 | 14:10~15:10 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 21. 輸血の副作用 |
| 6月23日 | 月 | 13:00~14:00 | 薬師神芳洋 | 臨床腫瘍学 | 22. 悪性リンパ腫総論 |
| 6月23日 | 月 | 14:10~15:10 | 薬師神芳洋 | 臨床腫瘍学 | 23. ホジキンリンパ腫 |
| 6月27日 | 金 | 11:00~12:00 | 予備 | 予備日 | |
| 6月30日 | 月 | 13:00~14:00 | 薬師神芳洋 | 臨床腫瘍学 | 24. 非ホジキンリンパ腫 |
| 6月30日 | 月 | 14:10~15:10 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
1. 感染症総論 |
| 7月 7日 | 月 | 9:50~10:50 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
2. 抗菌薬 |
| 7月 7日 | 月 | 11:00~12:00 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
3. 臨床感染学の基本・グラム染色 |
| 7月 9日 | 水 | 9:50~10:50 | 松本卓也 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
4. 消化管感染症(3類) |
| 7月 9日 | 水 | 11:00~12:00 | 松本卓也 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
5. 食中毒 |
| 7月10日 | 木 | 15:20~16:20 | 村上雄一 | 感染制御学 | 6. 予防接種・アデノ・パラミクソ・オルソミクソ |
| 7月11日 | 金 | 13:00~14:00 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
7. グラム陽性球菌・桿菌 |
| 7月15日 | 火 | 9:50~10:50 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
8. グラム陰性球菌・桿菌 |
| 7月15日 | 火 | 11:00~12:00 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
9. かぜ症候群・コロナウイルス (SARS/MERS/SARS-CoV-2) |
| 7月17日 | 木 | 13:00~14:00 | 村上雄一 | 感染制御学 | 10. ピコルナ・コクサッキー |
| 7月22日 | 火 | 9:50~10:50 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
11. スピロヘータ・リケッチア |
| 7月22日 | 火 | 11:00~12:00 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
12. 蚊媒介性ウイルス感染症・ ダニ媒介性ウイルス感染症・動物由来 ウイルス性出血熱 |
| 10月 6日 | 月 | 14:10~15:10 | 末盛浩一郎 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
13. HIV感染症 |
| 10月15日 | 水 | 9:50~10:50 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 14. 真菌症 |
| 10月15日 | 水 | 11:00~12:00 | 山之内純 | 輸血・細胞治療部 | 15. 結核 |
| 10月22日 | 水 | 11:00~12:00 | 予備 | 予備日 | |
| 10月27日 | 月 | 14:10~15:10 | 竹中克斗 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
16. ヘルペスウイルス感染症 |
| 11月 5日 | 水 | 9:50~10:50 | 石﨑 淳 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
1. 膠原病総論・SLE |
| 11月 5日 | 水 | 11:00~12:00 | 石﨑 淳 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
2. SLE・強皮症 |
| 11月12日 | 水 | 9:50~10:50 | 松本卓也 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
3. 炎症性筋疾患 |
| 11月12日 | 水 | 11:00~12:00 | 松本卓也 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
4. 炎症性筋疾患・MCTD |
| 11月26日 | 水 | 9:50~10:50 | 石﨑 淳 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
5. 関節リウマチ |
| 11月26日 | 水 | 11:00~12:00 | 石﨑 淳 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
6. 関節リウマチ・その他関節炎 |
| 12月10日 | 水 | 9:50~10:50 | 石﨑 淳 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
7. 脊椎関節炎 |
| 12月10日 | 水 | 11:00~12:00 | 松本卓也 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
8. シェーグレン症候群・IgG4 |
| 12月22日 | 月 | 14:10~15:10 | 石﨑 淳 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
9. 血管炎総論・TA |
| 1月13日 | 火 | 14:10~15:10 | 松本卓也 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
10. 成人スチル病 |
| 1月19日 | 月 | 13:00~14:00 | 石﨑 淳 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
11. GCA・PMR・PN |
| 1月19日 | 月 | 14:10~15:10 | 石﨑 淳 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
12. MPA・GPA・EGPA |
| 1月21日 | 水 | 9:50~10:50 | 松本卓也 | 血液・免疫・ 感染症内科学 |
13. ベーチェット病 |
| 1月21日 | 水 | 11:00~12:00 | 予備 | 予備日 |








