Department of Hematology, Clinical Immunology and Infectious Diseases
Ehime University Graduate School of Medicine
-CAR-T細胞療法について (患者様へ)-
造⾎器腫瘍に対する主な治療法として、抗がん剤治療 (化学療法)・放射線治療・造⾎幹
細胞移植治療がよく知られています。造⾎器腫瘍は、進⾏した腫瘍であったとしても治癒
する可能性が⾼いことが⼤きな特徴の1つでありますが、やはり再発難治例も多く経験さ
れます。その中で、この15年ほどで新たに開発されてきた免疫療法に注⽬が集まるよう
になりました。特に、成分採⾎装置を⽤いて患者様からリンパ球を採取したあと、キメラ
抗原受容体 (CAR: Chimeric Antigen Receptor) とよばれる⼈⼯的な遺伝⼦をT細胞
に導⼊してCAR-T細胞を作製し、患者様に輸注 (点滴投与) して造⾎器腫瘍を免疫学的に
治療するCAR-T細胞療法 (再⽣医療等製品) がその代表として挙げられます (下図)。国
内でも、再発難治性B細胞急性リンパ性⽩⾎病、B細胞悪性リンパ腫や多発性⾻髄腫など
への治療適応が進んでおり、病状にもよりますが、再発難治例の約半数の患者様において
治療効果が期待できるようになってきています。
患者様におかれましては、CAR-T細胞療法を受けられるかどうかにつきまして、まずは
主治医の先⽣にご相談くださいますと幸いです。