赤血球抗原に対する小児同種免疫に関する多施設共同研究

お知らせ
【研究名】赤血球抗原に対する小児同種免疫に関する多施設共同研究

【意義・目的】近年小児の輸血は、頻度・重要性が増しています。輸血を受けた後に、赤血球に対する抗体(不規則抗体といいます)が産生されることがあります。小児(特に生後4カ月未満)では、抗体を産生する力が低いと考えられていますが、その詳細については明らかになっていないのが現状です。本臨床研究は、小児期に赤血球輸血を受けた患者さんに産生された不規則抗体の頻度や種類などを調べて詳細を明らかにし、小児に対するより安全な輸血治療に役立てることを目的としています。

【方法】日本輸血・細胞治療学会の認定医や認定輸血検査技師が所属する医療施設で、本研究に参加を表明した多施設で検討を行います。具体的には2001年1月1日から2015年12月31日までに赤血球輸血を受けた19歳以下の患者さん(輸血時の満年齢)について調査を行います。調査は、医療機関で20年間の保存が義務付けられている輸血記録と、輸血検査記録から①輸血をした時期、②輸血時の年齢・性別、③患者さんのABO血液型・Rh血液型、④輸血を受けることになった原因の疾患、⑤輸血総量、⑥不規則抗体検査の有無、⑦不規則抗体産生の有無と種類・抗体の強さ、⑧臨床経過等を収集して調査・統計を行います。対象となる患者さんに、新たに負担をかけることは一切ありません。

【使用する情報の匿名化】検査データを提供していただく場合、個人のプライバシーおよび個人情報の保護には十分に配慮します。研究の結果を公表する際も患者を特定できる情報は一切使用しません。データの収集・管理は個人が分からないように匿名化して行います。具体的には、上記①~⑦に示した以外の個人情報を各医療機関で削除したうえで、弘前大学医学部附属病院に送ります。解析者は、個人情報が分からない状態で送られたデータを解析します。データはすべてホストコンピュータに連結されないPCのみで解析を行い、外部からのアクセスも不能にします。

もし、ご自分の輸血記録・輸血検査記録・診療録の利用を拒まれる場合には、輸血を受けた医療機関の研究協力者(輸血部門)までご連絡ください。データは利用せずに確実に消去します。いったん同意しても、いつでも理由を問うことなく自由意思でそれを撤回できます。また、利用を拒まれたことで一切の不利益は生じません。

【利益相反】この研究は,日本輸血・細胞治療学会臨床研究支援事業に採択されたため,同事業から郵送費等の研究費用を得るため,利益相反状態にあります。しかし,この研究は現在明らかにされていない小児の輸血後の同種免疫状態を解明することで将来の適正な小児輸血医療への公益性がきわめて高いものです。また、過去の検査結果を集計するために利益相反状態にある学会の介入の機会はなく、主研究施設において公平,公正に集計・解析が実施されます。

【研究機関名】愛媛大学医学部附属病院輸血・細胞治療部

【当該研究に関わる研究者名】
愛媛大学医学部附属病院輸血・細胞治療部        羽藤高明
愛媛大学医学部附属病院輸血・細胞治療部        土居靖和
  

【収集したデータの利用目的】学会発表、論文作成

【苦情の申し出先及び問い合わせ先】
〒791-0295
愛媛県東温市志津川
愛媛大学医学部附属病院輸血・細胞治療部
羽藤高明                電話:089-960-5705