環状鉄芽球および血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍の後方視的解析

お知らせ

愛媛大学医学部附属病院では、医学・医療の発展のために様々な研究を行っています。その中で今回示します以下の研究では、患者さんのカルテの記録や情報を使用します。
この研究の内容を詳しく知りたい方や、カルテを利用することにご了解いただけない方は、以下の【お問い合わせ先】までご連絡下さい。

【研究課題名】
環状鉄芽球および血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍の後方視的解析

【研究機関】愛媛大学医学部附属病院 輸血・細胞治療部

【研究責任者】山之内 純(輸血・細胞治療部 部長)

【研究代表者】枝廣陽子(順天堂大学医学部内科学血液学講座 准教授)

【研究の目的】
血液中の細胞成分は、酸素の運搬に関わる赤血球、免疫反応や異物から体を守る働きを持つ白血球および止血に関わる血小板の3種類があります。これらの血液細胞は骨の中にある骨髄で造られております。血液細胞の産生は、ある一定の範囲内に保たれるように生理的な調整を受けています。しかし、この調整がうまく働かなくなり、血小板が多く作られ、貧血を起こすようになる病気として、「環状鉄芽球および血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)」があります。以前は、この病気は「著明な血小板増加を伴い環状鉄芽球を有する不応性貧血(RARS-T)」と呼ばれていました。
 最近になり、特定の遺伝子の異常が、この病気の発症や、病気の進行に関わっていることが明らかになっています。しかし、稀な病気であることから、海外では約100例のまとめた報告があるものの、日本でのこの病気についてはまとまった報告がありません。そこで本研究では、「環状鉄芽球および血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍」と診断された方を対象に、遺伝子異常の有無や臨床経過を調査して、本邦での実態を明らかにすることを目的としています。研究の成果は、この病気の病態を明らかにするとともに、将来、治療や診断に役立つと考えています。

【研究の方法】
 (対象となる患者さん)西暦2000年1月1日から西暦2020年12月31日の間に当院血液内科でMDS/MPN-RS-TまたはRARS-Tと診断された患者さん
(利用するカルテ情報)
診断名、診断日、年齢、性別、身体所見、検査結果(血液検査(赤血球数、白血球数、血小板数、血清LD値、フェリチン値、エリスロポエチン値)、骨髄所見(骨髄細胞数、生検所見、染色体結果),治療の有無・経過、血栓症・出血・形質転換のイベント発症の有無、転機

【共同研究について】
 この研究は、他の病院や研究施設と共同で行っています。
対象となる患者さんのデータは、匿名化されて、郵送によって研究事務局(順天堂大学医学部附属順天堂医院血液内科研究室)に送られます。多くの情報を解析することで、医学・医療の発展に役立つ成果が得られることが期待されます。

【個人情報の取り扱い】
 収集した試料・情報は名前、住所など患者さんを直接特定できる情報を除いて匿名化いたします。個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。また、研究結果は学術雑誌や学会等で発表される予定ですが、発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。

<試料・情報の管理責任者>  
順天堂大学医学部内科学血液学講座 枝廣 陽子
     〒113-8431東京都文京区本郷3-1-3

さらに詳しい本研究の内容をお知りになりたい場合は、【お問い合わせ先】までご連絡ください。他の患者さんの個人情報の保護、および、知的財産の保護等に支障がない範囲でお答えいたします。

【お問い合わせ先】
愛媛大学医学部附属病院輸血・細胞治療部 山之内 純
791-0295 愛媛県東温市志津川
Tel: 089-960-5296