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オスロ大学病院 (Rikshospitalet) 訪問記 update’I was impressed by Rosetta stone’

2015年08月28日
学会活動

8月26日、台風15号は九州を北上し西日本を中心に交通機関が非常に混乱していた。私は台風の進路を確認しながら幸いに松山を発つことができヘルシンキ を経由しオスロに入った。到着した時は夜であったが、翌朝オスロが自然豊かで歴史のある街であることがすぐに理解できた。

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2014年1月から8ヶ月間大阪大学中谷敏教授に師事いただき心エコーによる左房仕事量 (myocardial work) の研究をさせていただいた。幸運なことに大阪大学ではDr. Suggard Marieが研究されており、過去にオスロ大学でProf. Otto Smisethに師事され種々のカラーMモード法を用いた素晴らしい研究を発表されていることを知った。オスロ大学は心エコーの基礎研究と臨床研究においてAHA/ESCをはじめとする主要国際学会で活躍していることはよく知っていた。Prof. Otto Smisethはオスロ大学を統括するsupervisorであり、心エコー研究を志した時に時代の先を見越した卓越した論文に圧倒されたことは今でも良く覚えている。
 2015年8月27日、ここノルウェーオスロは昨日の雨も止み気温20度と過ごしやすく一足早い秋を感じる日だった。Dr. Suggard Marieからオスロ大学でのシンポジウムをorganizeいただき、オスロ大学での研究者とdiscussionする素晴らしい機会をいただいた。
 シンポジウムは日々研究の成果がdiscussionされるカンファレンスルームで行われた。まず始めにオスロ大学から左室のmyocardial workについてプレゼンテーションがあり、次に私が左房のmyocardial workについてプレゼンテーションを行った。プレゼンの直前にProf. Otto Smisethがカンファレンスルームに入ってきたため、非常に光栄であったが一気にカテコラミンドライブがかかった。幸いなことは座長のEspen Remme PhDは過去の国際学会で彼に何度も質問させていただいた小生の先生であり、その場を和ませてくれた。カンファレンスルームにはMD、PhD、エンジニア、学生と部門を超えた方々が来られていた。部門を超えたチームというべき理想の姿に感銘した。発表終了後、Prof. Otto Smisethから細かい質問・提案をいただき、シンポジウムは無事終了した。

* 本シンポジウムの内容は後日オスロ大学のホームページに掲載いただいた(http://www.heart-sfi.no/index.php?page=news)。左室拡張能の理解はRosetta stoneの解読に例えられる。左房機能評価は左室拡張能を理解するために一石を投じる可能性があり興味深い。

Stuggard Marie san (my sympathizer) / Espen Remme PhD (my teacher)

Prof. Otto Smiseth (Head of this institute)

 シンポジウム終了後にProf. Otto Smisethグループの一員であるスタッフの送別会が行われた。Supervisors、友人からの送別の言葉はノルウェー語で理解することはできなかったが多くのスタッフから慕われていることが感じられた素晴らしいセレモニーだった。

午後はエコーラボ、研究ラボの見学をさせていただいた。全ての研究が完結できるよう各部門が密接にcollaborateされた研究機関であった。エコーラボのチーフであるDr. Svend Aakhusにオスロ大学のエコーラボの現状、施設を紹介いただいた。Dr. Svend Aakhusは非常に多くのPhD research fellowを統括するsupervisorである。

Dr. Svend Aakhus (Chief of echocardiographic research) and their colleagues

 午後3時頃オスロ大学を後にし、丘の上からオスロの街を眺望した。オスロ大学、オスロの街・・・すべてのスケールの大きさに圧倒された。

 最後に・・・このような素晴らしい機会を与えていただことは多くの先生方に支えられてできていることであり感謝しております。本当にありがとうございました。

文責 井上勝次