川上大志先生の論文がJournal of ArrhythmiaにAcceptされました。本論文は心房細動アブレーション治療後の左房容量が正常化（≤34ml/m²）した症例で遠隔期における心房細動の再発が有意に低いことを示し、さらにアブレーション治療後に左房容量が正常化しても左房機能（左房リザーバー機能、ポンプ機能）異常は残存することを示した論文です。愛媛大学では永井先生を中心に成熟した不整脈アブレーション治療が行われております。不整脈治療が行われた症例において当院生理検査技師さんを中心に質の高い心機能評価が定期的に行われており、患者様へのフィードバックに用いられております。本論文で川上先生は心房細動アブレーション治療の有用性だけでなく、心房細動における将来の残余リスク（左房機能異常）が存在することを明らかにしました。高齢者で心房細動はもっとも頻度が多く、心不全と関連するとても厄介な不整脈です。現在愛媛大学で取り組んでいる不整脈アブレーション治療が将来の心不全抑制に繋がることを願っています。川上先生、おめでとうございました。今後のご活躍を期待しております。 

Hiroshi Kawakami, Katsuji Inoue, Takayuki Nagai, Akira Fujii, Yasuhiro Sasaki, Yukari Shikano, Namiko Sakuoka, Maki Miyazaki, Yasunori Takasuka, Shuntaro Ikeda, Osamu Yamaguchi

Persistence of left atrial abnormalities despite left atrial volume normalization after successful ablation of atrial fibrillation. J Arrhythm 2021 (in press).

文責　井上勝次