愛媛県は肝がん死亡率が全国平均よりも高く、2014年の肝がん年齢調整死亡率(75歳未満)は全国ワースト1という不名誉な状況です。肝がんの多くはB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染が原因であることが分かっていますが、肝炎ウイルスに感染していることを知らない、知っていても専門医療機関に受診していない方々が多数いると推測されます。
愛媛県の肝がん死亡率を改善し不名誉な状況を挽回するためには、医療従事者が肝炎に関する正しい知識を把握し、それを元に患者に啓発する必要があります。また、進んだ取り組みや最新の治療に関する情報を均てん化することで、レベルの底上げをする必要があります。さらに、保健師、看護師の方々には肝炎ウイルス検診の受検と、早期発見、そして受診、受療に繋げる流れを作るための県民、患者への窓口としての適切な活動を行う体制づくりが求められています。
肝炎対策基本指針においてもコーディネーターの養成と活用が求められており、愛媛県でも平成27年度から「愛媛県肝疾患コーディネーター」の養成を開始しました。平成28年の肝炎対策基本指針改正で,「肝炎医療コーディネーター」に呼称が変更されたため、愛媛県でも「愛媛県肝炎医療コーディネーター」に呼称の変更を行いました。現在38名のコーディネーターが活躍中です。
「愛媛県肝炎医療コーディネーター」の認定は、愛媛県保健福祉部長と肝疾患診療相談センター長の両名が行います。また,資格については更新制であり、今回は平成30年度末までの認定期間となります。
下記の如く,開催させていただきたいと存じますので、ご参集のほど、どうかよろしくお願い申し上げます。
平成28年度愛媛県肝炎医療コーディネーター養成講習会実施要項
プログラム(予定):
①肝炎対策基本法と肝疾患拠点病院
肝疾患診療相談センターの取り組みと現状について
求められる肝疾患コーディネーター像とは
②ウイルス肝炎の現状と最新治療の情報(B型肝炎ワクチンを含めて)
③肝硬変と肝細胞癌
④肝疾患患者に対するケア
⑤愛媛県における肝疾患対策 —行政の立場より
⑥確認のテストとアンケート、研修内容の復習
⑦認定証交付
東予地区:
平成28年12月15日(木)14:00-17:00(開場13:30)
愛媛県東予地方局(西条庁舎)2階 健康増進室
793-0042 西条市喜多川796-1
南予地区:
平成28年12月22日(木)14:00-17:00(開場13:30)
愛媛県南予地方局八幡浜支局 7階 中会議室
796-0048 八幡浜市北浜1-3-37
中予地区:
平成29年1月30日(月)14:00-17:00(開場13:30)
愛媛大学医学部第2ゼミナール室
791-0295 東温市志津川
対象: 保健師、看護師、薬剤師、介護士、医療施設の事務職、医師,健康管理担当者など肝疾患に関係する立場にある者。新規,更新については問いません。
受講料: 無料
交通費: 受講者負担
定員: 各30名(定員になり次第締切)
申し込み :
平成27年12月5日(月)締め切り
別紙様式により愛媛大学医学部附属病院肝疾患診療相談センターまで郵送またはFAXにて申し込みください。(保健師については健康増進課への申し込みでも可)
平成28年11月20日(日曜日)
松山市総合コミュニティーセンターで市民公開講座を行いました。
180名の方に参加をいただき、ありがとうございました。
肝疾患診療相談センター長の日浅先生から、肝炎をとりまく社会的な状況とB型肝炎についての話がありました。愛媛県では肝がんの死亡率が高いことから始まり、10月から定期接種としてB型肝炎ワクチンの接種が始まったことや、B型肝炎訴訟についての話題についても話していただきました。
次に、徳本先生からC型肝炎の経口治療について、治療を受けた方にしめる70歳以上の割合が増加していること、副作用で中止する割合も1%程度で安全に治療できるようになったことについて話がありました。今後は、確実にウイルスを消せるように、個々の患者さんにあった治療法を肝臓の専門医と選んでいく必要があり、治療が終わった後も肝がんのチェック目的に定期的な検査を行っていくことを忘れないで欲しいということでした。
休憩を挟んで、済生会松山病院の宮岡弘明院長から「糖尿病と脂肪肝は肝臓がんになりやすい」とのタイトルで講演をいただきました。栄養と肝臓は大きなつながりがあります。なぜ肝がんができやすいのかについて糖尿病と脂肪肝の成り立ちから分かりやすく、時にはジョークも交えながら講演をいただきました。
最後に廣岡先生から肝がん治療の最先端について話してもらいました。廣岡先生方の開発した、肝がん治療支援システムについての話題や、肝がんのカテーテル治療も、どんどん負担が少なく効果の高い方法へと変わりつつあることを教えてもらえました。また、重粒子線や分子標的治療など新しい治療の開発状況についても講演していただきました.
Q and A コーナーでは、たくさんの質問をいただきました。時間が限られており、半分以上の方の質問には答えることができず残念でした。今回はB型肝炎に関する質問が多かったのが印象的です。機会があれば、他の質問についてもホームページ上でお答えしていきたいと思います。
最後に共催の愛媛新聞社の皆さん、後援の愛媛県、愛媛県医師会、全国健康保険協会愛媛支部,ウィークリーえひめリックの方々、ご協力ありがとうございました。
11月20日に松山市総合コミュニティセンターで開催予定の「肝炎・肝がんのない社会をめざして」市民公開講座ですが、定員に達しましたので申し込みの受付を終了させていただきました。たくさんのお申し込みありがとうございました。
市民公開講座のお知らせです。
平成28年11月20日(日曜日)14時30分から松山市総合コミュニティーセンターで
市民公開講座を行います。
新聞で告知を見た方もいらっしゃるかもしれません。
今回は「事前申し込みが必要」となっています。
申し込みの締め切りが11月10日(木)と迫っておりますので、興味のある方は是非申し込みをお願いします。
入場料は無料です。
内容は講演が4つあり、Q and Aコーナーも予定しています。
① B型肝炎の話題
② C型肝炎の最新治療
③ 肝細胞がんの治療について
④ 済生会松山病院の宮岡弘明院長から「糖尿病」と「脂肪肝」の関係について
⑤ Q and A コーナー(当日の受付時に質問用紙をお渡しします)
是非、参加して下さい。
お待ちしております。
肝疾患診療相談センター(089-960-5955)で参加の受付をしております。お気軽にご連絡ください。
また、主治医あるいは内科外来受付にご連絡、お申し出下さっても予約可能です。
ご参加には当院通院中の方は受診手続き(3割負担で約400円程度)が必要になります。
ご家族、他院に通院中の方は無料です。