愛媛県における肝がん死亡率は2014年には全国ワースト1という不名誉な状況でした。2015年にはワースト7に改善はしましたが、まだまだ全国平均よりも高い状況が続いています。肝がんの多くはB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染が原因ですが、肝炎ウイルスに感染していることを知らない、知っていても専門医療機関に受診していない方々が多数いると推測されています。
愛媛県の肝がん死亡率を改善するためには、医療従事者が肝炎に関する正しい知識を把握し、それを元に患者に啓発する必要があります。また、進んだ取り組みや最新の治療に関する情報を均てん化することで、レベルの底上げをする必要があります。さらに、保健師、看護師の方々には肝炎ウイルス検診の受検と、早期発見、そして受診、受療に繋げる流れを作るための県民、患者への窓口としての適切な活動を行う体制づくりが求められています。
国が示す肝炎対策基本指針においてもコーディネーターの養成と活用が求められており、愛媛県でも平成27年度から「愛媛県肝疾患コーディネーター」の養成を開始しました。平成28年の肝炎対策基本指針改正で,「肝炎医療コーディネーター」に呼称が変更されたため、愛媛県でも「愛媛県肝炎医療コーディネーター」に呼称の変更を行いました。昨年までに89名のコーディネーターが活躍中です。
「愛媛県肝炎医療コーディネーター」の認定は、愛媛県保健福祉部長と肝疾患診療相談センター長の両名が行います。また,資格については更新制であり、今回は平成31年度末までの認定期間となります。
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南予地区: 平成29年12月14日(木)14:00-17:00 (開場13:30 )
愛媛県歴史文化博物館 2階 第3研修室
〒797-8511 西予市宇和町卯之町4-11-2
東予地区: 平成29年12月21日(木)14:00-17:00(開場13:30)
今治市中央保健センター 1階 運動指導室
〒794-0043 今治市南宝来町1丁目6番地1
中予地区: 平成30年 1月 16 日(火)14:00-17:00(開場13:30)
愛媛大学医学部第2ゼミナール室
791-0295 東温市志津川
対 象 保健師、看護師、薬剤師、医療施設の事務職、医師
健康管理担当者など肝疾患に関係する立場にある者
新規,更新については問いません。
受講料 無料
交通費 受講者負担
(愛媛大学医学部駐車場利用者には駐車券をお渡しします.)
定 員 各30 名(定員になり次第締切)
申し込み 平成29年12月5日(火)締め切り
別紙様式により愛媛大学医学部附属病院肝疾患診療相談
センターまで郵送またはFAXにて申し込みください。
保健師については健康増進課への申し込みでも構いません。
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下のpdfが様式になっております。
平成29年度愛媛県肝疾患コーディーター養成講習会依頼文書 pdf
平成29年11月19日(日曜日)にホテルマイステイズ松山にて市民公開講座を開催しました。
共催いただいた愛媛新聞社様の全面的な御協力により、会場がほぼ満席となる方々に参加いただきました。
まず、肝疾患診療相談センター長の日浅先生から、愛媛県における肝疾患の状況、センターで行っている啓発活動について、またB型肝炎についてお話がありました。愛媛県では肝がんの死亡率が高く、最新の2016年のデータでは全国ワースト1となってしまったという衝撃の内容から始まりました。B型肝炎については感染経路についてなど基本的なお話から治療、ワクチンについてまで幅広い内容のお話でした。
続いて渡辺先生から、C型肝炎について話がありました。C型肝炎に対する内服薬治療の愛媛県における治療成績、治療を行うときの注意点などについて話がありました。副作用が少なく、高率にウイルスを排除でき、70歳、さらには80歳以上の高齢な方でも治療が可能である。C型肝炎撲滅に向けて、検査を受けたことのない方は検査を受け、C型肝炎を放置している方は積極的に治療を受けてほしいとのことでした。
休憩をはさみ、済生会松山病院の宮岡院長から糖尿病・肥満と肝臓癌についてお話がありました。普段、病院で検査される血糖値についての理解の仕方から始まりました。続いて脂肪肝の治療 (特に減量とそのコツ)、脂肪肝と肝臓がんとの関係などについて、お得意のダジャレで大爆笑を誘いながらのお話でした。
最後に廣岡先生から「これから大きく変わる肝がん治療」というタイトルでお話がありました。2017年に改定された肝癌診療ガイドラインに沿い、RFA治療、これからどんどん進化することが予想される分子標的薬治療、進行例に対する微小球状塞栓物質 (DEB)についてなど詳しく話されました。
Q and Aコーナーは前回好評であったため、今年は40分としっかり時間を設けて行いました。非常に多数の質問があり、最後はそれでも時間が足りなくなるほどでした。
最後になりましたが共催いただいた愛媛新聞社様、後援いただいたウィークリーえひめリック様、御協力誠にありがとうございました。
厚生労働省肝炎総合対策推進国民運動「知って、肝炎プロジェクト」の肝炎対策特別大使を務める、歌手の伍代夏子さんが10月23日に県庁を訪れ、中村時広知事に肝炎の早期発見、早期治療を啓発する同プロジェクトの推進への協力を呼びかけました。
伍代さんはC型肝炎ウイルスに感染していることが判明し、治療により克服されたご自分の経験を踏まえ、「放置して肝硬変、肝がんになってからでは遅い。「(病院などで)肝炎ウイルスの検査をして」と一言いうだけで済むのだから必ず検査してほしい。若い世代にも肝炎のことを知ってほしい。」などと、訴えました。
愛媛県が、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスによる肝炎の早期発見のため出張肝炎ウイルス検査を実施します。検査は無料で下記の日程で行われ先着それぞれ100名ずつです。まだ肝炎ウイルス検査を受けたことがない方はこの機会にぜひ検査を受けましょう。
このことは愛媛新聞にも掲載されました。
10月10日 (火)に第3回肝臓病教室を愛媛大学医学部附属病院にて行いました。
愛媛大学医学部附属病院では、肝臓疾患に興味のある方、家族の方々を対象に、肝臓病教室を開催しています。
今回は第3回目で、「C型肝炎のインターフェロン治療~ウイルスが消えた後に気をつけること~」
というタイトルでDAA治療によりウイルスが消えた後も肝がんが発症することがなくなるわけではないので、画像検査、血液検査などのため定期的な通院を続けることが必要であることをお話ししました。
約10名の方に参加いただき、上記について肝疾患診療相談センター医師の渡辺崇夫よりお話しさせていただいた後、後半には栄養部より肝疾患の栄養療法・運動療法についてお話しがありました。
ご参加いただいた方々、どうもありがとうございました。
愛媛大学医学部附属病院 肝疾患診療相談センターは、今後も肝臓病教室をとおして、患者さんおよび家族の方々の疑問、リクエストにお答えしたいと思っています。何かテーマに取り上げてほしい話題がありましたらお声がけいただければと思います。
次回は平成29年11月8日に、愛媛大学医学部附属病院 外来棟3階栄養指導室にてセンター医師の小泉洋平先生より進歩する肝臓の画像検査についてお話しがある予定です。
院内、院外の患者さんも含めて、参加希望のある方は、肝疾患診療相談センター(Tel: 089-960-5955)にご相談ください。
平成29年10月、11月の就労相談開催日が決定しましたのでお知らせします。
10月
4日(水)、11日(水)、18日(水)、25日(水)
11月
1日(水)、8日(水)、15日(水)、22日(水)、29日(水)
予約方法:
〇愛媛大学病院通院中の方
主治医もしくは内科受付で予約をとることができます。
〇他の医療機関に通院されている方
下記の連絡先に問い合わせの上、予約をお願いします。
愛媛大学医学部附属病院肝疾患診療相談センター
089-960-5955(午前9時~午後4時)
7月30日にホテルマイステイズ松山にて日本肝臓学会市民公開講座を開催しました。
今回は、猛暑の中82名の方々に参加をいただきました。どうもありがとうございました。
会長の阿部先生のあいさつのあと、日浅先生から最新のC型肝炎についての話がありました。最近のC型肝炎治療の成績は目覚ましいため、治療を受ければ治ります。肝炎検査をうけずに検査を機会を逃すことは絶対にやめましょうと力説されました。
次に道堯先生からB型肝炎の話がありました。B肝炎ウイルスの遺伝子型と人類のグレートジャーニーの関連のお話は圧巻でした。
栄養部の竹島先生は肝疾患と食事についてのお話があり、毎日の食事について意識してみようと呼びかけました。
休憩の後、阿部先生から自己免疫性肝疾患について、難しい内容を分かりやすく解説していただきました。特に女性では決してまれな病気ではないと話されました。
次に上甲先生から肝癌の内科的治療について動画を交えてお話しがありました。ごく最近の話題についても触れられ、進歩の著しさを実感しました。
最後に高田先生から肝癌の外科治療についてお話があり、肝移植という最後の砦のような高度な医療が愛媛県で受けられることに患者様は心強く感じたことでしょう。
閉会のあいさつとして日本肝臓学会顧問の箱守様よりお言葉をいただきました。日浅先生と同様、治療がよくなっている今こそ、肝炎ウイルス検査を受ける重要性を強調されました。
協賛いただいた愛媛県、愛媛県医師会、愛媛新聞社、協会けんぽ愛媛支部の皆様に感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
今年も肝疾患啓発運動として7月29日に6回目となる街頭キャンペーンを行いました。
場所は昨年と同様、伊予鉄高島屋前の坊ちゃん広場周辺で行いました。毎年のことながら猛暑の中たくさんの方々に参加いただきました。参加してくだる皆様も増えてきて年々盛り上がってきているようだと複数の方からお褒めの言葉をいただいております。大学からは肝疾患診療相談センター、看護部 (消化器疾患病棟、内科外来)、総合診療サポートセンター、栄養部から参加していただきました。大学外からは愛媛県健康増進課、全国健康保険協会 (協会けんぽ)愛媛支部、松山市保健所、愛媛新聞、さらには患者さんたちにも参加していただきました。
またえひめ国体の準備で多忙の中、昨年同様、みきゃん、ダークみきゃんもかけつけてくれました。もちろん愛媛大学医学部附属病院からあいちゃん、だいちゃんも参加です。
また今年は初の試みとして愛媛県の協力により、坊ちゃん広場に近い「ギャラリー黒猫」にて無料肝炎ウイルス検査と相談を行いました。開始前から並んでくださっていた方もおられ、全部で39名の方々が受検されました。
*7月28日は、世界保健機構(WHO)がウイルス性肝炎のまん延防止と差別・偏見の解消を図ることを目的として世界肝炎デーに制定しました。日本でも厚生労働省が、同日を日本肝炎デーと定め、肝炎デーを含む1週間を肝臓週間として肝疾患に関する正しい知識の普及と予防の重要性を知っていただくための啓発活動の強化期間としています。今年も7月28日にはいよてつ高島屋のくるりんと松山城が肝炎デーのシンボルカラーであるライトブルーにライトアップされました。
7月29日 (土)に伊予鉄高島屋前の「坊ちゃん広場」で街頭キャンペーンを行い、肝炎、肝がんの撲滅を目指して啓発します。
また当日、坊ちゃん広場に近い「ギャラリー黒猫」 (松山市湊町5-4-10)で無料肝炎相談と無料肝炎ウイルス検査を行います。このキャンペーンのお知らせは今月号の県の広報誌「愛顔のえひめ」にも掲載されています。今まで肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は、この機会をぜひご活用いただき、検査を受けてください。血液検査で簡単に分かります。
肝炎、肝がん撲滅のためには肝炎ウイルスについての皆様ひとりひとりの意識と注意が必要です。住みよい健康な愛媛をつくるためにもご協力のほどを、どうかよろしく御願いいたします。
2017年7月30日 (日) 13:30~16:30にホテルマイステイズ (旧;ホテルJALシティ松山、松山市大手町1-10-10)にて日本肝臓学会市民公開講座を行います。
事前申し込みは不要で参加費無料です。
肝疾患に関する栄養療法から最新の話題、治療まで第一線でご活躍の先生方からお話しをお聞きいただけます。
たくさんの方々のご参加をお待ちしております。