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2型糖尿病における年齢とGERDとの関する論文がインターネットサイトのケアネットの診療トピックスに取り上げられております。
 

お知らせ

池田先生らが日本人2型糖尿病では若年ほどGERD有病率が高く、PPIによる効果が十分ではない可能性を明らかにし、ケアネットに取り上げられました。

 

道後STUDYのベースラインデータ解析し、日本人2型糖尿病患者では、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)の使用にかかわらず、若年であるほど胃食道逆流症(GERD)の有病率が高まることを明らかとし、「Digestive Diseases and Sciences」9月22日オンライン版に掲載され、ケアネットに取り上げられています。

 

日本人2型糖尿病患者における年齢と胃食道逆流症(GERD)の関連を検証した疫学研究は限られている。そこで、道後STUDYのベースラインデータを用いて、患者の年齢とGERD有病率との関連を検討しています。

 

対象とした19歳以上の2型糖尿病患者847人を、年齢により1)56歳未満、2)56歳以上64歳未満、3)64歳以上71歳未満、4)71歳以上89歳未満の4つの群に分けて、GERDの有病率を比較した。GERDは、QUESTスコア4点以上と定義しました。

 

対象患者全体のGERD有病率は31.5%であった。年齢が若いほどGERD有病率が高く、GERDの調整後のオッズ比は、71歳以上89歳未満群に比べて、56歳未満群では3.73(95%信頼区間2.16~6.53)、56歳以上64歳未満群では1.98(同1.21~3.27)、64歳以上71歳未満群では1.66(同1.05~2.68)でした(P for trend=0.001)。

 

全体での解析

Variable Prevalence (%) Adjusted OR (95% CI)
Age        
19 ≤ age < 56   90/214 (42.1)   3.73 (2.16–6.53)
   56 ≤ age < 64   67/212 (31.6)   1.98 (1.21–3.27)
   64 ≤ age < 71   69/231 (29.9)   1.66 (1.05–2.68)
   71 ≤ age < 89   41/190 (21.6)   1.00
   P for trend       0.001

 

プロトンポンプ阻害薬(PPI)またはヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)を服用している201例に限定した解析においても、56歳未満であることがGERDの存在と関連していました。(調整後オッズ比5.68、95%信頼区間1.55~22.18、P for trend=0.02)。

 

PPI, H2RA 内服中患者での解析結果

 

Variable Prevalence (%) Adjusted OR (95% CI)
Age        
19 ≤ age < 56   16/32 (50.0)   5.68 (1.55–22.18)
   56 ≤ age < 64   15/46 (32.6)   1.88 (0.68–5.24)
   64 ≤ age < 71   25/64 (39.1)   2.08 (0.89–4.96)
   71 ≤ age < 89   16/59 (27.1)   1.00
   P for trend       0.02

 

日本人2型糖尿病において若年であればGERDが多く、PPIの効果も十分でない可能性が示されました。

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