済生会松山病院の八木先生と総合健康センターの古川先生がまとめた「血清アルブミンと潰瘍性大腸炎との関連性」の論文が、BMJ Open Gastroenterolにアクセプトされました。
八木先生と古川先生からコメントが届いています。
血清アルブミン値が高いほど、粘膜治癒が多く、その関連は交絡因子で補正後であっても有意でした。また、罹病期間別にみてみると、罹病期間が短い症例では有意でしたが、罹病期間が長くなるとその関連が消失していました。潰瘍性大腸炎における病態を反映する血清マーカーはいずれも特異度や感度が低いことが知られていますが、患者さんの罹病期間なども考慮に入れて活用するといいのかもしれません。
本研究は同門の先生方をはじめとした愛媛県の多くの先生方および本研究に同意いただいた患者様のご協力の上に成り立っております。また、日浅教授、池田先生、竹下先生のご指導によって本研究が遂行できておりますこと改めて感謝申し上げます。
愛媛大学総合健康センターの古川慎哉教授、愛媛大学医学部附属病院光学診療部の山本安則先生との共同で投稿しておりました若年日本人における運動習慣と機能性ディスペプシア(FD)との負の関連性に関する論文がDigestive Diseases and Sciencesにアクセプトされました。
山本安則先生からのコメントです。
2015年から2017年に愛媛大学で実施されました学生健診結果を用いて、運動習慣と機能性ディスペプシアとの関連性について8923名を対象として解析を行いました。
その結果、
・機能性ディスペプシアの有病率は1.9%でした。
・運動習慣の頻度が多いほど有病率が低くなりました。(OR 月1-2回: 0.69 [95% confidence interval (CI) 0.47–0.997], 週1-3回: OR 0.53 [95% CI 0.34–0.81], ge週4回以上: OR 0.53 [95% CI 0.30–0.88], p for trend p = 0.002).
・運動強度が強いほど、有病率が低くなりました。(moderate: OR 0.56 [95% CI 0.36–0.84] 、high: OR 0.49 [95% CI 0.30–0.76], p for trend p = 0.001).)
・パートナーとの運動は、FD有病率を低下させましたが、一人で運動している場合には有意差はありませんでした。(Alone: OR 0.84 [95% CI 0.59–1.18], groups: OR 0.28 [95% CI 0.14–0.50] and friends: OR 0.44 [95% CI 0.24–0.74]).
若年者では、運動習慣の頻度や強度だけでなく、集団で運動を行うことがFDの有病率を低下させる因子であったことが新しい知見です。
本研究では多くの愛媛大学の学生さんの協力によって行うことができました。また加えて、愛媛大学総合健康センタースタッフや学生健診にご協力いただいております先生へ感謝申し上げたいと思います。
引き続き宜しくお願い申し上げます。
兼光梢先生が令和2年度大学院医学系研究科医学専攻中間審査会で「優秀研究賞」を受賞しました。
以下。兼光先生からのコメントです。
この度、令和2年度大学院医学系研究科医学専攻中間審査会において、優秀研究賞をいただきました。
中間審査会とは、大学院3年次に行われる、研究進捗状況を発表し、教員からの助言を受ける機会とすることを目的としている会です。
私は「The role of B cell-activating factor in fibrosis in a murine model of non-alcoholic steatohepatitis」というテーマで発表いたしました。
このような名誉ある賞を頂くことができたのも、日浅先生、阿部先生をはじめとする指導医の先生方、色々アドバイスを下さった先輩、同僚、後輩の先生方、お手伝いくださった技官さん、診療や病棟のサポートをしてくださった先生方、皆々様のおかげです。中々マウスや細胞は思う通りにはなってくれませんが、今後もこの賞を励みとして、真摯に研究に取り組むと共に、きちんと形にして発表したく存じます。この度は本当にありがとうございました。
左から指導医の阿部先生、兼光先生