非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、適切な治療が行われなかった場合、肝硬変や肝不全に進行したり、肝臓癌を合併するだけでなく、心血管疾患発症の危険因子となり、進行したNASHは予後不良の疾患です。一方で糖尿病は、神経障害、網膜症、腎症の三大合併症や心血管疾患の危険因子となるだけでなく、NASHを進展させる最も重要な因子の一つと考えられています。そのため、進行する危険性の高いNASHが多く存在する糖尿病外来での適切なNASHの診断と治療介入が重要です。しかしながら、NASHの標準的治療法として確立されたものはありません。
本研究は、未だ確立されていない2型糖尿病合併NASHに対する有効な治療法の選択肢の一つになるうる可能性があるGLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬の併用療法の有効性を検証し新たなエビデンスを確立するための探索的非盲検無作為化並行群間比較試験です。
「2型糖尿病合併NASH患者を対象としたセマグルチド注へのルセオグリフロジン上乗せNASH改善効果に関する探索的研究(非盲検無作為化並行群間比較試験)」
本研究に参加して頂ける患者様を募集しております。
是非、ご協力頂ければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。
プロトコル論文です。お時間のある時にご覧ください。
Additional Effect of Luseogliflozin on Semaglutide in Nonalcoholic Steatohepatitis Complicated by Type 2 Diabetes Mellitus: An Open-Label, Randomized, Parallel-Group Study」Diabetes Ther. 2022 Mar 21. doi: 10.1007/s13300-022-01239-7.
三宅先生の論文「Combined evaluation of Fibrosis-4 index and fatty liver for stratifying the risk for diabetes mellitus」がJournal of Diabetes Investigationにアクセプトされました。
以下三宅先生からのコメントです。
市立宇和島病院の藤堂先生との共同研究をご紹介いたします。
脂肪性肝疾患は糖尿病発症の危険因子と考えられていますが、対象者が多く全ての患者様を囲い込むことは困難です。本研究では、FIB-4 index(cut-off値 1.3)をもちいることにより、脂肪肝の中から糖尿病発症 High risk 群を囲い込むことが可能であることを報告いたしました。FIB-4 indexは、年齢、血小板、AST、ALTから求めることができるため、外来でも用いやすい指標と思います。是非、参考にしてみて下さい。
〇Liver Science Forum in Ehime
日時:5月16日(月) 19:00~20:30
WEB開催 Zoomウェビナーシステムにて配信となります。
視聴にあたっては、事前のお申し込みをお願いいたします。
一般講演
愛媛県立中央病院 消化器内科
主任部長 平岡 淳 先生
特別講演
東京大学医科学研究所 先端医療研究センター 感染症分野
教授 四柳 宏 先生
〇糖尿病の支持療法を考える会
日時:5月19日(木) 19:00~20:00
WEB開催 Zoomウェビナーシステムにて配信となります。
視聴にあたっては、事前のお申し込みをお願いいたします。
講演
国立大学法人愛媛大学 総合健康センター
教授 古川 慎哉 先生
〇第39回道後腹部画像カンファレンス(AB-CD)(大学院フォーラム)
日時:5月21日(土) 15:30~18:00
会場:愛媛大学医学部40周年記念講堂
オンラインによる参加も可能です。ご希望の場合は、お申し込みをお願いいたします。
オンライン参加申し込み締め切り日:5月20日(金)17:30迄
一般演題(1)
愛媛県立中央病院 消化器外科
松木 ひかり 先生
一般演題(2)
愛媛大学医学部附属病院 放射線科
浦岡 大和 先生
一般演題(3)
愛媛大学医学部 病因病態領域 消化管腫瘍外科学講座
大木 悠輔 先生
一般演題(4)
愛媛大学医学部附属病院 肝胆膵・移植外科
坂本 明優 先生
特別講演
名古屋大学医学部附属病院 消化器外科二
講師 田中 千恵 先生
〇IBD SUMMIT in EHIME
日時:5月24日(火) 19:00~20:30
会場:ANAクラウンプラザホテル松山 3階ローズルーム
Zoom配信によるご視聴も可能です。
現地参加、WEB参加 いずれの場合も事前登録が必要となります。よろしくお願いいたします。
一般演題
愛媛県立中央病院 消化器内科 医長
IBDセンター長 北畑 翔吾 先生
特別講演
藤田医科大学 消化器内科学
講師 長坂 光夫 先生
〇チームで診る 門脈圧亢進症に伴う肺高血圧症
日時:5月26日(木) 19:00~20:30
サテライト会場:愛媛大学医学部 臨床第1講義室
ハイブリッド形式による実施となります。
WEB視聴にあたっては、事前登録をお願いいたします。
【SessionⅠ】講演1
徳島大学病院 超音波センター
副センター長 西尾 進 先生
【SessionⅠ】講演2
香川大学医学部 総合内科
講師 石川 かおり 先生
【SessionⅡ】講演
日本医科大学付属病院 消化器・代謝内科学
准教授 厚川 正則 先生
〇第27回愛媛NST研究会
日時:5月28日(土) 14:00~17:20
会場:愛媛県県民文化会館 サブホール
参加費:500円
集合型開催となります。
一般演題
松山市民病院 臨床検査室
村上 弘幸 先生
済生会松山病院 内科医師
村上 主樹 先生
特別講演Ⅰ
千葉大学大学院医学研究院 内分泌代謝・血液・老年内科学
教授 横手 幸太郎 先生
特別講演Ⅱ
女子栄養大学 栄養学部地域保健・老年学研究室
教授 新開 省二 先生
Liver Science Forum in Ehime 完成版
糖尿病の支持療法を考える会【確定】
第39回ABCD案内状
【改】22年5月24日_IBD SUMMIT in EHIME_案内状
【愛大版】チームで診る 門脈圧亢進症に伴う肺高血圧症 案内状
5月28日 第27会愛媛NST研究会
愛媛大学医学部附属病院 光学医療診療部の山本安則先生が、世界で初めてgel immersion endoscopyによる内視鏡的整復術が有用であった小児S状結腸捻転症例を報告し、Endoscopy E-videos(IF10.093)にアクセプトされました。
山本安則先生からのコメントです。
小児において、S状結腸捻転症は先天性疾患等に合併する稀な疾患ですが、緊急性の高い病態です。これまで成人腸捻転に対し、水浸法による内視鏡整復術の有効性などが報告されてきましたが、便や腸液による視野不良が問題でした。そこで今回、内視鏡用視野確保ゲル「ビスコクリアⓇ(大塚製薬工場)」を用いた内視鏡的捻転整復術を行いました。ビスコクリアⓇの使用により混濁した腸液が除去され視野が明瞭となり、捻転した腸管の確認と捻転部粘膜虚血の有無をより正確に評価することができました。それだけでなく、捻転解除の際、左側臥位への体位変換により、ゲル注入圧とその重みによって捻転部が開大し、内視鏡スコープの通過が容易となりました。本症例では、この手法により整復術は成功し、合併症なく緊急手術を回避することができました。
緊急内視鏡時には、池田宜央先生をはじめ多くの消化管グループの先生方や、小児科諸先生のご協力をいただくことで完遂することができました。この場を借りて感謝申し上げます。光学医療診療部では、難症例に対し引き続き新しい手技に挑戦していく所存です。
中村由子先生の論文が雑誌「肝臓」にアクセプトされました。
おめでとうございます。
以下は中村先生からのコメントです。
この度、「血栓性微小血管障害症を合併したアルコール性肝硬変の一例」と題した論文が肝臓にアクセプトされました。
本論文はアルコール性肝炎の経過中に血尿が持続し、腎生検にて血栓性微小血管障害症 (TMA) の診断を得た症例報告です。肝硬変の経過中に血尿が出現した際には、ADAMTS13活性の測定を行い、VWF/ADAMTS13活性のインバランスがある場合はTMAを疑い、FFPやrTMの投与を考慮する必要があることを報告しています。
多くの先生方には診断・治療に至る過程で多くのお力添えをいただきました。また論文作成にあたり全面的にサポートいただきました徳本先生、日浅教授、共著者の先生方に感謝申し上げます。今後も実臨床に活かして行きたいと思います。