愛媛大学医学部附属病院光学診療部の山本安則先生と愛媛大学総合健康センターの古川慎哉教授が共同で投稿しておりました、若年日本人におけるBMIと機能性ディスペプシア(FD)との関連性に関する論文が、Journal of Neurogastroenterology and Motility (IF 4.924)にアクセプトされました。
山本安則先生からのコメントです。
2015年から2017年に愛媛大学で実施されました学生健診結果を用いて、BMIと機能性ディスペプシアとの関連性について8923名を対象として解析を行いました。
・本コホートにおけるFDの有病率は、1.9%でした。女性の有病率(2.53%)は男性の有病率(1.5%)よりも有意に高い結果でした。
・BMI値が低下するほど、FDと独立して正の関連を示しました(調整後OR 2.88 [95% CI: 1.46-3.67]、p for trend=0.001)。この関連は、女性でのみ認めました(OR 2.94 [95% CI: 1.59-5.77]、p for trend=0.001)。
・痩せ(BMI< 18.5kg/m2)に分類される群は、全体および特に女性でFDと独立して関連していました(全体:調整後OR 2.01 [95% CI: 1.40-2.86]、女性。2.19 [95% CI: 1.35-3.45])。
日本人若年者においては、低BMI値、特に痩せはFDを増加させる可能性があることが新しい知見です。
本研究では多くの愛媛大学の学生さんの協力によって行うことができました。また加えて、愛媛大学総合健康センタースタッフや学生健診にご協力いただいております先生へ感謝申し上げたいと思います。
引き続き宜しくお願い申し上げます。