先進消化器内視鏡開発学講座 森宏仁先生が取り組まれている内視鏡分野の研究が、“公益財団法人 内視鏡医学研究振興財団 JFE:The Japanese Foundation for Research and Promotion of Endoscopy ”が実施されている令和7年度の研究助成として採択されました。
医学の発展と人類の福祉に寄与すると期待される内視鏡にかかわる研究に対する助成制度となります。
以下、森先生からのコメントです。
「内視鏡医学研究振興財団の令和7年度の研究助成に採択されました。本研究は、IBD治療での従来の治療は踏襲しつつ中等症や重症例、さらに全身投与が好ましくない妊婦、小児や高齢者などの新たな選択肢として、内視鏡的薬剤デリバリーステーションシステム法(MDDS法)による直接貼付療法で特許とともに研究を開始します。よろしくお願いいたします。」
愛媛県立中央病院 消化器内科IBDセンター S先生の臨床研究 ”潰瘍性大腸炎患者の治療薬選択におけるSDMにBio/JAK使用歴が与える影響” が,日本炎症性腸疾患学会(JSIBD)2024で「優秀賞」を受賞しました.
以下、S先生からのコメントです.
近年,診療において患者さんの価値観を共有して一緒に治療方針を決定していくShared decision making (SDM)が重要視されています.それは潰瘍性大腸炎のBio/JAK選択においても同様です.今回,Bio/JAK naïve症例とBio/JAK exposure症例では薬剤選択に寄与する情報量の差(これまでに投与したBio/JAKの治療反応など)があるため、Bio/JAK選択におけるSDMに影響を与えるのではないかと仮定しました.
本研究で得られた結果は下記のとおりです.
①Naïve症例では患者主体による薬剤選択が53%(20/38)であるのに対して,Exposure症例は患者主体による薬剤選択が17%(7/41)で有意に少なかった(p=0.001).
②Naïve症例では患者の薬剤選択理由は多岐にわたっていたのに対して,Exposure症例における患者の薬剤選択理由は全て投与経路であった.
この結果により,薬剤選択に寄与する情報の多いExposure症例においても,投与経路は患者にとって重要な因子でありSDMを実践する上で考慮する必要があることがわかりました.
今後も新しい試みに挑戦していきたいと思います。
いつも臨床研究にあたりご協力いただいている愛媛県立中央病院の先生方,スタッフの皆様に感謝申し上げます。
渡辺崇夫先生がまとめた、EKEN studyグループの臨床研究がJournal of Gastroenterologyにアクセプトされました。
以下、渡辺先生からのコメントです。
論文名:Clinical factors to predict changes of esophagogastric varices after sustained viral response with direct-acting antiviral therapy
著者名:Takao Watanabe, Yoshio Tokumoto, Hironori Ochi, Toshie Mashiba, Fujimasa Tada, Atsushi Hiraoka, Yoshiyasu Kisaka, Yoshinori Tanaka, Sen Yagi, Seiji Nakanishi, Kotaro Sunago, Kazuhiko Yamauchi, Makoto Higashino, Kana Hirooka, Masaaki Tange, Atsushi Yukimoto, Makoto Morita, Yuki Okazaki, Masashi Hirooka, Masanori Abe, Yoichi Hiasa
本論文は、愛媛県内で組織するEKEN study Groupの先生方にご協力いただき、C型肝硬変症例のDAA治療後によるSVR達成後の食道胃静脈瘤の変化、また静脈瘤増悪・改善に寄与する因子を明らかし、それらを利用した予測のためのスコアリングを提案したものです。
ご指導いただいた徳本先生、また何より、大変お忙しい中ご協力いただいたEKEN study Groupの先生方に深く感謝申し上げます。EKENの研究として初めて、JGにアクセプトという高評価を受け、本当にうれしいです。今後ともご協力のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。
奥嶋優介先生の学位論文がScientific Reportsにアクセプトされました。
以下指導医の渡辺先生からのコメントです。
論文名:PKR associates with 4.1R to promote anchorage-independent growth of hepatocellular carcinoma and lead to poor prognosis
本論文は奥嶋先生の学位論文です。
内容としては、渡辺が継続している肝細胞癌におけるPKRの役割に関するものです。これまでにPKRが肝細胞癌の増殖に寄与することを示してきましたが、詳しい機序としてPKRの直接の下流分子は明らかでありませんでした。今回の論文ではIP-MSを利用してPKRの結合蛋白質として4.1Rを同定し、肝癌進展におけるPKR-4.1R axisの作用機序を明らかにしたものです。
本研究は、分子病態医学の今村健志教授の御指導のもと、准教授の川上良介先生、また今村教授を通して、東京大学医科学研究所の村上善則教授 (現、日本医科大学 先端医学研究所 分子生物学部門)、伊東剛先生、笠井優先生、名古屋市立大学薬学研究科の井上靖道教授にも共同研究としてご協力をいただきました。
上記の先生方、第3内科の技官の皆様、分子病態医学の皆様に深く感謝申し上げます。
11月2日(土)、3日(日)の2日間、アイテムえひめにおいて、レディ薬局主催で開催された健康フェスタ2024に愛媛県と協力しブースを出展しました。
1日目はあいにくの雨で午後から中止となりましたが、2日目は晴天で、前日にも増して多くの方に来ていただけました!
肝炎の検査、治療の重要性について啓発するとともに、健康相談も含めて多くの市民の皆様と触れ合い、お話しをすることができました。