教室の盛田真先生の症例報告「肝硬変による難治性乳び腹水に対してプロプラノロールが奏功した1例」が雑誌「肝臓」にアクセプトされました
肝臓グループのホープ:盛田先生
以下、盛田先生のコメントです。
肝硬変では頻度は少ないですが乳び腹水を発症することがあり、発症機序に門脈圧亢進が関係していると考えられています。一般的に脂肪制限食、塩分制限、利尿薬で治療を開始し、改善が得られなければ絶食、中心静脈栄養、オクトレオチド投与を検討します。リンパ管損傷が疑われる場合はリンパ管造影も検討します。本症例は上記の治療で腹水の減少がみられなかったため、門脈圧亢進に対する治療としてプロプラノロールを開始したところ、腹水の著明な減少が得られました。肝硬変による乳び腹水に対してプロプラノロールは検討に値する治療法と考えられ、報告させていただきました。
論文作成にあたり多大なるお力添えをいただきました松山赤十字病院の越智先生、肝胆膵内科の先生方に厚く御礼申し上げます。今後も学会発表、論文にできる症例を探すつもりで診療にあたりたいと思います。
矢野怜先生の症例報告がInternal Medicineにアクセプトになりました。
以下、矢野先生からのコメントです。
タイトルは”A case of metastasis from renal cell carcinoma to ectopic pancreas diagnosed after resection”です。腎細胞癌術後10年経過して、膵臓に再発を来した症例です。治療として膵頭十二指腸切除を行うと、切除した十二指腸の中の異所性膵にも腎細胞癌の転移を認めました。
転移性膵腫瘍の原発として腎細胞癌は稀ではありませんが、異所性膵に転移した腎細胞癌の報告は無く、本症例が初めての報告になると思います。
本症例は腎細胞癌の一部には膵組織に転移・発育しやすいものがあるという、癌における「Seed and Soil theory」という考えを支持するのではないかと思っています。
症例報告にあたりご指導いただきました松山赤十字病院の横田先生、肝胆膵センターのスタッフの皆様に深く感謝を申し上げます。
矢野怜 拝
〇HCC Basic Research Web conference
日時:8月10日(水) 19:00~20:30
完全Web形式による実施となります。
ご視聴にあたっては、事前参加登録をお願いいたします。
講演1
愛媛大学大学院医学系研究科 消化器・内分泌・代謝内科学
助教 渡辺 崇夫 先生
講演2
国際医療福祉大学 医学部長
医学研究科 免疫学 教授
河上 裕 先生
〇LENVIMA-HCC Web Seminar in 愛媛
日時:8月17日(水) 19:30~20:30
完全Web形式による実施となります。
ご視聴にあたっては、事前参加登録をお願いいたします。
基調講演
愛媛県立中央病院 消化器内科
主任部長 平岡 淳 先生
特別講演
虎の門病院 肝臓内科
医長 保坂 哲也 先生
★HCC Basic Research Web conference 案内状
220817_LENVIMA-HCC Web Seminar in 愛媛(最終版)