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教室の丹下和洋先生が令和5年度愛媛大学大学院医学系研究科研究奨励賞に採択されました!
 

お知らせ

この度、「炭酸脱水酵素I (Carbonic Anhydrase I; CA I) を用いた潰瘍性大腸炎に対する新規免疫治療法の開発」という研究テーマが、若手研究者の育成を目的とし、研究科⻑裁量経費から毎年度1名に助成金を授与する令和5年度愛媛大学大学院医学系研究科研究奨励賞に採択されましたので、ご報告させて頂きます。

丹下先生よりコメントです。

学位論文において、マウスレベルにおいて、ヒト由来CA I (human CA I; hCA I)の経口投与が腸炎抑制効果を示すことを同定しましたが、潰瘍性大腸炎患者において、大腸上皮細胞・糞便中におけるCA Iが腸炎時にどのような変動を示しているのかどうか、また、免疫細胞の組成や腸内細菌叢に与える影響が依然として解明できておりませんでした。潰瘍性大腸炎の患者において、大腸内視鏡検査時に大腸上皮や糞便中のCA Iを定量することで、潰瘍性大腸炎患者の腸管、糞便中におけるCA Iの存在量と腸内細菌叢との関連や、免疫細胞のポピュレーションの変化、さらには臨床経過を考察することで、腸炎の再燃リスクや、治療効果の予測因子となる可能性を検討し、臨床応用に際して、更なる知見を得ることを目的とし、研究奨励賞に応募したところ採択を得ることができました。
本研究により、潰瘍性大腸炎患者において、CA Iの減少が治療への抵抗性や再燃の上昇につながる結果が得られれば、hCA Iの経口投与による潰瘍性大腸炎患者に対する新規免疫治療法の効果がより期待できる結果となります。今回賞をいただきました研究は、最終的には、潰瘍性大腸炎の患者様に、CA1という蛋白をお薬として投与し、難治性疾患である潰瘍性大腸炎を治すことを目標としています。今回いただきました賞を一つの励みとして、今後とも日々の診療・研究に邁進し、愛媛大学、地域、潰瘍性大腸炎の患者様のために精進して参りたいと存じます。
最後になりましたが、大学院の期間、私の希望を尊重し、山西先生、森先生、八木先生と代々引き継いできた腸炎をテーマとした研究プロジェクトに携わらせていただき、一から指導していただきました日浅陽一教授に、この場を借りて御礼申し上げます。また、消化管グループ、竹下英次先生、池田宜央教授をはじめとして、諸先輩方、同僚、技官さん、愛媛大学という環境の力添えがあってこそ、このような賞をいただけたと存じますので、改めて深く御礼申し上げます。

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愛媛大学大学院
消化器・内分泌・代謝内科学
(第三内科)
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