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愛媛大学医学部附属病院光学医療診療部の山本安則先生と総合健康センターの古川先生が一緒にまとめた潰瘍性大腸炎における夜間頻尿と便秘との関連性の論文がUrologyにアクセプトされ、オンラインとなりました。
 

お知らせ

論文の要旨:

潰瘍性大腸炎は粘血便や下痢などの症状に加えて、便秘が多いとされています。しかし、なぜ便秘が多いのかは未だ不明とされています。
290例の潰瘍性大腸炎において、自己記入式質問調査票を用いて夜間頻尿なし、夜間排尿回数1回、夜間排尿回数2回に分けました。便秘はROMEⅠおよび便秘薬の使用ありで定義しました。
夜間排尿回数別ではそれぞれ便秘の頻度は8.2%、10.8%、20.5%でした。その関連性は交絡因子で調整後であっても、有意でした (adjusted odds ratio for mild nocturia: 1.55 [95% confidence interval: 0.57-4.28], serious nocturia: 3.19 [95% confidence interval: 1.09-9.81], p for trend = 0.035)。
基礎的研究では膀胱や前立腺などの尿路の炎症は、腸管内の炎症や症状と関連し、その関連性は双方向とされています。また、我々が実施した学生を対象であるとした研究でも月経困難症と過敏性腸症候群が関連しており、骨盤内臓器間でそれぞれ疾病を起こりやすくする可能性が示唆されています。加えて、糖尿病では便秘の有病率が高く、夜間頻尿も多いことも知られています。
潰瘍性大腸炎の治療中には、排便回数等の消化器症状に加えて、夜間頻尿にも配慮する必要があると思われます。
夜間排尿回数は動脈硬化と関連しており、潰瘍性大腸炎で動脈硬化が進行しやすい点からも注意が必要かもしれません。

 
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愛媛大学大学院
消化器・内分泌・代謝内科学
(第三内科)
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