布井弘明先生の論文がアクセプトされました!
2012年4月12日 2:28 PM
布井弘明先生の論文がアクセプトされましたので、ご報告申し上げます。
最近論文アクセプトの報告でいっぱいな第三内科のHPです。
今回は消化管グループの布井弘明先生の論文がアクセプトされましたのでご報告させていただきます。
Article title:
A relationship between motilin and growth hormone secretagogue receptors
Authors:
Hiroaki Nunoi, Bunzo Matsuura, Sachiko Utsunomiya, Teruhisa Ueda, Teruki Miyake, Shinya Furukawa, Teru Kumagi, Yoshiou Ikeda, Masanori Abe, Yoichi Hiasa, Morikazu Onji
Journal:
Regulatory Peptides
論文内容紹介(論文作成に関する筆頭著者の感想も含む)
モチリン受容体とグレリン受容体は,同じクラスAファミリーのG蛋白共役型受容体に属し,消化管運動に重要な役割を果たしています。ヒトではモチリン受容体とグレリン受容体の両者が発現していますが,げっ歯類ではグレリン受容体しか発現しておらず,両受容体の相互作用の研究は困難でした。今回,ヒトモチリン受容体トランスジェニックマウスを作成し,モチリン受容体リガンド投与時の血中グレリンの動態の解析とともに,in vitroでモチリン受容体とグレリン受容体のキメラ受容体発現系や共発現系でのリガンド刺激時の受容体活性化機構の解析を行いました。結果,モチリン受容体系とグレリン受容体系は相互に補完的な役割を果たすことが明らかとなりました。今後,このトランスジェニックマウスを用いて,合成モチリン受容体作動性薬の中枢性,末梢性作用を解析することにより,臨床応用の可否が明らかにできる重要な研究と考えます。
オーベンからの一言(corresponding authorまたは指導医,松浦)
時間は少し長くかかりましたが,コツコツとデータを積み重ね,やっと論文にできました。ジャーナルは,ホルモンやホルモン受容体の基礎的な歴史のある雑誌です。今後のモチリン受容体やグレリン受容体の研究のみならず,他の消化管ホルモンとの相互作用の研究にも発展できる点がレフェリーからも評価されています。