松山赤十字病院 越智裕紀先生の論文がJournal of Gastroenterologyにアクセプトされました!
2020年11月1日 11:39 AM
松山赤十字病院 越智裕紀先生の論文がJournal of Gastroenterologyにアクセプトされました。
論文名 Direct-acting antivirals improve survival and recurrence rates after treatment of hepatocellular carcinoma within the Milan criteria.
著者名 Hironori Ochi, Atsushi Hiraoka, Masashi Hirooka, Yohei Koizumi, Michiko Amano, Nobuaki Azemoto, Takao Watanabe, Osamu Yoshida, Yoshio Tokumoto, Toshie Mashiba, Tomoyuki Yokota, Masanori Abe, Kojiro Michitaka, Yoichi Hiasa, Kouji Joko
以下、越智先生からのコメントです。
本論文は「Child-Pugh Aのミラノ基準内の初発肝細胞癌」でHCC治療後にDAAを使用した群(DAA群)と使用してない群(untreated群)でpropensity score matchingをして、DAA群とuntreated群間で様々な比較をした後ろ向きの研究です。データを松山赤十字病院と愛媛大学と県立中央病院の3施設からご協力頂き論文を作成して、日本消化器病学会の英文誌のjournal of gastroenterologyにacceptされました。
結果としてはDAA群のほうが
・生存期間を延長させる
・無再発生存期間を延長させる(特に初回治療2年後以降の無再発生存期間を延長させる)
・予備能(ALBI score)の悪化を防ぐ
・治療後の初回再発でミラノ基準外再発を少なくする。
という結果でありました。
HCC治療後のDAAについては、アメリカ(Gastroenterology 2019)、ヨーロッパ(Journal of Hepatology 2019)から報告がでていますが、日本で同様の検討はありませんでした。DAA使用するとHCC治療後でも再発が抑制され、予備能が維持されて予後が伸びる印象はあったので、このような検討をしようと思いました。inclusion & exclusion criteriaや統計方法に頭を使いましたが、実臨床で感じていた印象とほぼ同様の結果でした。日本のHCCサーベイランスの素晴らしさをせたこと、また愛媛の日常臨床から日本のデータを出せたことが大変よかったです。
最後に大変お忙しい中で論文指導を頂きました上甲先生、日浅先生、データ集計で大変お手数をおかけしました広岡先生、平岡先生、小泉洋平先生、また日常臨床で支えていただいてます同門の先生方と松山日赤の当科の全先生方に、この場をおかりして深く感謝いたします。
今後どもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。