免疫賦活作用を有する新規分子標的治療後のB型肝炎ウイルス再活性化に関する実態調査(固形腫瘍)
2022年2月8日 4:11 PM
臨床研究へのご協力のお願い
「免疫賦活作用を有する新規分子標的治療後のB型肝炎ウイルス再活性化に関する実態調査(固形腫瘍)」
抗がん剤の進歩に伴って、癌の予後は飛躍的に改善していますがそれに伴って合併症のコントロールが非常に重要な課題となってきています。今までに知られていなかったリスクも判明してきています。その一つが抗がん剤の治療に伴って今まで落ち着いていた、もしくは治癒したと考えられていたB型肝炎ウイルスが体内で再度活性化して肝炎を発症するB型肝炎の再活性化やde novo肝炎というものがあります。この再活性化やde novo肝炎は一旦発症すると極めて致死率が高いこと、一方でウイルスの出現をモニタリングすれば早期に発見でき、予防できることも知られています。しかしがん治療薬には様々な種類があり、特に最近よく用いられるようになった新規分子標的薬についてはその影響も様々で、どういった人がどういったタイミングで再活性化を起こすのか、どのくらいの頻度でおこるのか、など判っていないことも非常に沢山あります。
本研究では、保険診療下に通常のガイドラインに従って免疫賦活作用(免疫を活発にする作用)をもつ分子標的薬治療中にB型肝炎関連のモニターをされた下記の2つの条件のいずれかを満たす方を対象に、B型肝炎ウイルス再活性化に関する調査をおこないます。
研究期間: 承認 ~ 2024年3月31日
研究代表者:国立病院機構 九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科 部長 杉本 理恵
研究協力機関:別紙参照
条件1:HBs抗原陽性の方で2014年1月から2020年12月までの期間に免疫賦活作用を有する新規分子標的薬(ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、イピリムマブのいずれか)にて治療を開始された方で、治療開始後に少なくとも1回以上のHBV DNAのモニタリングをうけられた、20歳以上の方
条件2:B型肝炎ウイルス既往感染(HBs抗原陰性の方でHBc抗体陽性及び又はHBs抗体陽性)の方で
2014年1月から2020年12月までの期間に免疫賦活作用を有する新規分子標的薬(ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、イピリムマブのいずれか)にて治療を開始された方で、B型肝炎ウイルスの再活性化(HBV DNAが検出感度以上への上昇あるいはHBs抗原陽性化)が起こった、20歳以上の方
調査項目は、年齢、性別、病名、治療法(抗ウイルス薬を含め、どういう薬をつかったか、一緒に使った抗がん剤の種類)HCVの合併の有無、HBs抗原の値、HBs抗体、HBc抗体の値、HBVDNA量、再活性化の有無、再活性化症例の場合は再活性化の時期、再活性化時のHBs抗原、抗体(測定していれば)HBVDNA量その後のウイルスの経過等です。なお、条件1に該当した方では、全身性ステロイド投与を必要とした免疫関連肝障害の有無や程度についても調査します。
本研究は日常診療で得られた臨床データを集計する研究であり、これにより患者さんに新たな検査や費用の負担が生じることはありません。また、研究に扱う情報は個人情報を切り離して、個人が特定されない形で、厳重に扱います。
本研究は、九州がんセンターの倫理委員会にて承認を得ています。
皆さんの貴重な臨床データを使用させていただくことにご理解とご協力をお願いいたします。
本研究に関する研究計画書および研究の方法に関する資料を入手又は閲覧されたい場合、もしくはご自身のデータを研究に使わないでほしいと希望されている方は、下記の連絡先までご連絡ください。
問い合わせ先
愛媛大学医学部附属病院 第三内科 徳本 良雄
〒791-0295 東温市志津川454
FAX:089-960-5310
TEL:089-960-5308
研究責任者:
愛媛大学医学部附属病院 第三内科 日浅 陽一
〒791-0295 東温市志津川454
FAX:089-960-5310
TEL:089-960-5308