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お知らせ
 

4月2025

消化管グループ 山本安則先生が、先進消化器内視鏡開発学講座 森宏仁先生の指導の下でまとめられた、胃ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)後の人工潰瘍に対する新しい縫合閉鎖法に関する論文が、Endoscopy E-Videosにアクセプトされました。

論文名: Novel combination closure of an artificial ulcer after gastric endoscopic submucosal dissection using double-arm-bar suturing system and anchor prong clip 

以下、山本安則先生からのコメントです。

本論文では、早期胃癌などに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の後に生じる粘膜欠損(人工潰瘍)を閉鎖するための、新しい縫縮法について報告いたしました。
ESDは低侵襲な治療法ですが、術後の出血、特に抗血栓療法を行っている患者さんにおける遅発性出血が課題の一つです。術後の潰瘍を縫合閉鎖することで出血リスクの低減が期待できますが、胃壁は厚いため、内視鏡を用いた縫合は容易ではありませんでした。
そこで私たちは、既存の縫合デバイスである「ダブルアームバー縫合システム(Zeosuture M, Zeon Medical Co., Tokyo, Japan)」と、強力な把持力を持つ新しいクリップである「アンカープロングクリップ(MANTIS Clip; Boston Scientific, Marlborough, Massachusetts, USA)」を組み合わせる方法を考案しました。この併用により、精密な縫合と粘膜下の死腔を最小限に抑えた縫合閉鎖ができるのではないかと考え、その有効性を報告しました。

実際に、抗血小板薬を2剤服用中の患者さんにご協力いただき本手技を行った結果、良好な潰瘍閉鎖が得られ、術後の出血といった合併症も認められませんでした。この結果から、本併用閉鎖法は、胃ESD後の偶発症を予防し、特に高リスク患者さんの入院期間の短縮や後出血の抑制に有用である可能性が示唆されました。

現在、本手技の有効性と安全性をさらに検証するため、多施設共同での臨床試験(RCT)も開始しており症例を集積中です。より多くのデータに基づき、本法の確立を目指して参ります。

本研究の遂行にあたり、愛媛労災病院勤務中にご尽力いただきました岡田正也先生、神田 正敏先生、ご指導を賜りました森宏仁先生、日浅陽一教授に心より深謝申し上げます。また、日頃よりサポートいただいている消化管グループの先生方に厚く御礼申し上げます。
今後ともご指導のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

愛媛大学大学院先進消化器内視鏡開発学講座 森 宏仁先生の論文がEndoscopy E-Videos誌にアクセプトされました!

Title: Endoscopic suturing ligation and fundoplication for proton pump inhibitor-resistant severe reflux esophagitis.
Endoscopy. 2025 Dec;57(S 01):E308-E309.

以下、森先生よりいただいたコメントです。

本内視鏡手技は、難治性逆流性食道炎に対するARMS(anti reflux mucosectomy)の発展型であるAPM-P(anri reflux muco plasty)の1亜型であり、内視鏡縫合器で粘膜欠損を縫合し難治性逆流性食道炎を根治せしめる内視鏡技術である。ARM-Pの世界的権威である昭和大学江東豊洲病院の井上晴洋教授にELFをARM-PZと命名いただき、現在10例のパイロットスタディーを行っており、術時間の短縮と正確な縫合により良好な成績を得ている。今後、先進医療から多施設臨床試験を予定している。

5月 講演会・研究会案内

〇TOPAZ-1 2nd Anniversary Seminar in 四国
日時:2025年5月14日(水)19:00~20:40
オンライン形式

 特別講演 
大阪大学医学部附属病院 がんゲノム医療センター 病院教授
佐藤 太郎 先生

〇消化管疾患を考える会in愛媛
日時:2025年5月15日(木)19:00~20:05
Web開催

 演題1 
愛媛大学大学院医学系研究科 地域消化器免疫医療学講座 教授
竹下 英次 先生

 演題2 
国際医療福祉大学熱海病院 病院長
中島 淳 先生

〇愛媛肝疾患内科外科合同WEB講演会
日時:2025年5月21日(水)19:30~20:30
WEB講演会

 講演1 
愛媛県立中央病院 消化器内科 主任部長
平岡 淳 先生

 講演2 
愛媛大学大学院 医学系研究科 肝胆膵・乳腺外科学 教授
楳田 祐三 先生

20250514_TOPAZ-1 2nd Anniversary Seminar in 四国
20250515_消化管疾患を考える会in愛媛
20250521_愛媛肝疾患内科外科合同WEB講演会

1-8病棟を支えてくださった本田 晃子師長が、ご異動されることとなりました。

4年間にわたり、1-8病棟を支えてくださった本田 晃子師長が、この度ICU看護師長としてご異動されることとなりました。

急性期からがん終末期まで非常に多くの患者さんを抱える当科におきまして、本田師長は、常に患者さまに寄り添い、温かく丁寧な看護を提供してくださいました。また、看護スタッフ一人ひとりに目を配り、私たち医師とも密に連携してくださいました。
そのおかげで、私たちは安心して患者さんの治療に専念することができました。そして何よりもその温かいお人柄は、私たちにとって大きな支えでした。

4月より新たな部署におかれまして、すでにご勤務されておられますが、今後はICUの師長として、より一層ご活躍されることと存じます。
当科も重症患者の対応においてICUと密に連携する必要があり、今後も変わらずお世話になると思いますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。

これまでの多大なるご貢献に心から感謝申し上げますとともに、今後のご健勝と更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。


[日浅 陽一教授から本田 晃子師長への花束贈呈]

文責 病棟医長 山本 安則

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消化器・内分泌・代謝内科学
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