愛媛大学医学部附属病院光学診療部の山本安則先生と愛媛大学総合健康センターの古川慎哉教授が共同で投稿しておりました、若年日本人における睡眠障害と機能性ディスペプシア(FD)との関連性に関する論文が、Digestive Diseases and Sciences (IF 3.199)にアクセプトされました。
山本安則先生からのコメントです。
2015年~2017年における愛媛大学学生健診結果を用いて、睡眠障害とFDとの関連性について8923名を対象として解析を行いました。
・本コホートにおけるFDの有病率は、1.9%でした。女性の有病率(2.5%)は男性の有病率(1.5%)よりも有意に高い結果でした。
・調整後、すべての種類の睡眠障害は、FDと独立して正の相関を示しました(入眠困難:OR 3.97 [95% CI: 2.53-6.01]、熟眠障害:OR 4.85 [95% CI: 3.06-7.40]、夜間覚醒:OR 4.35 [95% CI: 1.90-8.67]、早期覚醒:OR 4.50 [95% CI: 1.97-8.97]、日中の眠気:OR 2.83 [95% CI: 1.25-5.56])。
・サブグループ解析において、夜間覚醒と日中の眠気は、心窩部痛症候群(epigastric pain syndrome:EPS)との関連はありませんでしたが、その他の睡眠障害はEPSおよび食後愁訴症候群(postprandial distress syn- drome:PDS)と独立して正の相関を示しました。
・一方、睡眠時間とFDとの関連は認められませんでした。
結論として、 睡眠障害は、日本の若年層におけるFDの有病率と正の相関がある可能性があります。
本研究では多くの愛媛大学の学生さんの協力によって行うことができました。また加えて、愛媛大学総合健康センタースタッフや学生健診にご協力いただいております先生へ感謝申し上げたいと思います。
引き続き宜しくお願い申し上げます。