論文の要旨:
勃起障害の有病率は高いものの適切にスクリーニングがされているとは言えず、日常診療で有用なマーカーはほとんどありませんでした。
血清アルブミンはほぼすべての医療機関で測定可能で、特に病院などでは迅速に測定可能です。栄養状態や肝予備能力の目安であることに加えて炎症との関連性や動脈硬化疾患では予後予測マーカーとなることも報告されています。
性機能障害は様々な疾患との関連性が指摘されるも、我が国においては残念ながら日常的に相談しにくい疾患の一つ。性機能障害は糖尿病に多く、最近では炎症性腸疾患との関連性も指摘されています。
そこで、血清アルブミンと性機能障害の代表疾患である勃起障害との関連性を愛媛潰瘍性大腸炎研究のベースラインデータを用いて検討を行いました。勃起障害の定義はSHIM scoreを用いて定義しました。
血清アルブミンが高いほど、勃起障害の有病率は低く、飲酒、喫煙、BMI、年齢などを補正しても有意でした。血清アルブミンとEDおよび重症EDとの関連性を検討しましたが、血清アルブミン値4.3g/dlを目安にするともっとも有用なマーカーとなりそうでした。ただし、そのマーカーはあくまでも補助的に使うことが適していると考えられます。
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