単球は自然免疫で重要な役割を果たすことが知られています。
先行研究では末梢単球数は潰瘍性大腸患者においてコントロールと比較して多いことが示されています。単球数が多いと、入院、手術、救急受診、疾患に関するコストが多いく、潰瘍性大腸炎の疾患活動性との正の関連性が報告されています。一方で関連がないとする報告もいくつかあり、その関連性には一貫性ありませんでした。また、末梢単球数が潰瘍性大腸炎のひとつの臨床的アウトカムである粘膜治癒との関連は不明でした。
本研究では末梢単球数は臨床的寛解とは関連がないものの、内視鏡的粘膜治癒との負の関連性がみられました。CRPが高い症例ではその関連性は消失していましたが、CRPが低い症例群ではその関連が同様に確認されました。CRPが低い症例群では末梢単球数が粘膜治癒を示唆するマーカーになる可能性が示唆されました。
潰瘍性大腸炎では、臨床症状に問わず、特にCRPが低い症例では単球数のモニターリングすることに意義があるかもしれません。
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