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抄読会要約まとめのご報告(第10回目)
 

お知らせ

第三内科で行われた抄読会の内容要約を週1回、同門メールにて現在までお知らせしてまいりました。第三内科ホームページ上でも抄読会内容を確認したいという希望がありましたので、定期的に今後更新してまいります。

第10回目報告をさせていただきます。

[過去抄読会要約のURLリンク]

平成23年 5月

6月

7月

8月

9月

10月

12月

平成24年4月

6月

抄読者 有光英治
論文名 Low-dose Aspirin-induced Ulceration Is Attenuated By Aspirin-phosphatidylcholine:A Randomized Clinical Trial
著者 Byron Cryer, Deepak L Bhatt, Frank L Lanza,Jing-fei Dong
reference Am J Gastroenterol. 2011;106:272-277
サマリー【背景】近年,脳血管障害や虚血性心疾患の治療に抗血栓薬として低用量アスピリンが頻用されている.アスピリンの胃粘膜障害作用には,全身作用と局所作用があることが知られている.全身作用として,シクロオキシゲナーゼ(COX)-1,COX-2阻害作用があり,局所作用としては胃内pHが酸性条件下の上皮傷害作用,および粘膜上皮の疎水性を形成し,胃粘膜の防御に関するリン脂質阻害作用が知られている.リン脂質の1種で最も重要な細胞膜構成成分であるホスファチジルコリン(PC)とアスピリンを結合させた新薬(PL2200 )はアスピリンの活性を損なうことなく,胃粘膜の脂質層を通過するため,胃粘膜傷害が少ないとされている.本研究では,この薬剤の臨床的有用性を明らかにするため,年齢と関連した胃腸傷害リスクのある患者で,単純アスピリンとPL2200の1週間服用による胃十二指腸粘膜傷害を比較した.

【対象及び方法】

対象:201人(アスピリン群102例,PL2200群99例)

平均年齢:58.1歳(50-74)

方法:無作為単盲検,活性薬対照,多施設研究

アスピリンあるいはPL2200を1週間服用(325mg/日)その後,速やかに内服は中止.

【結果】

・PL2200群で多発びらん,潰瘍発症リスクが低かった.

・ほとんどのびらんは胃前庭部で認められた.

・有害事象は吐き気,ディスペプシア,胸やけで両群で差がなかった.

【まとめ】

①短期間のアスピリン内服に伴って年齢リスクのある患者では高頻度に粘膜傷害が発生し,PC結合アスピリン(PL2200)の粘膜傷害が有意に少なかった.

②アスピリンによる粘膜傷害には局所作用の関与が示唆される.

③PL2200の有用性に関しては,薬剤の安定性や長期使用による潰瘍合併症についても検討が必要

抄読者 高山宗三
論文名 Body Mass index increases Risk for Colorectal Adenomas Based on Meta-analysis
著者 Ben Q, An W, Jiang Y, Zhan X, Du Y, Cai QC, Gao J, Li Z.
reference GASTROENTROLOGY 2012;142;762-772
サマリー【背景・目的】BMIの増加、体重の増加が結腸直腸腺腫の危険性の増加と関係があるとの発表に矛盾がないかメタ解析を実施した。研究テーマ、研究デザイン、ポリープの性状、アルコールの使用、NSAIDSの使用、喫煙、運動等を含め解析を行った【方法】2011年7月31日までの Medline,EMBASE,ISI Web of Scienceの文献を検索し、関連した論文の調査を行い、スタディーを行った。29860の結腸直腸腺腫のケースを含んだ36の独立したスタディーについて解析を行った。

【結果】BMIの5単位の増加が、結腸直腸腺腫の19%の危険性の増加と関係がみられた。サブグループ解析により肥満において、人種、地域、研究デザイン、性別、adenomaの進行、性状とは無関係に結腸直腸腺腫の危険性の増加することを証明した。BMIの増加と結腸直腸腺腫の危険性との関係は直腸腺腫よりも結腸腺腫の方が関係が強かった。

【結語】メタ解析においてBMIの増加は直腸を除いた大腸腺腫の増加と関係がみられた。結腸直腸癌と違い、男女においてその関係に違いは見られなかった。

抄読者 小泉洋平
論文名 Acute Liver Injury due to Flavocoxid (Limbrel), a Medical Food for Osteoarthritis: A Case Series.
著者 Naga Chalasani, Raj Vuppalanchi, Victor Navarro, et al.
reference Annals of internal medicine
サマリー【背景】Flavocoxidは、変形性関節炎を治療するのに用いられるMedical Foodである。Flavocoxidは、フラボノイド、バイカリンとカテキン(植物性薬品コガネバナとアセンヤクノキに由来する)の混合物。(日本での製品化はみられないが、自己輸入等で手に入る。また、フラボノイド含有の健康食品は日本にも多くみられる)【目的】flavocoxidが原因の急性肝障害の特徴を明らかにする。

【結果】前向き研究で登録されたflavocoxid服用877例の患者の中で、4例に肝障害がみられた。全例女性であり、年齢は57から68歳、flavocoxidを開始した後に、1~3ヵ月以内に、肝障害がみられた。ALT(平均1268、range 741~1540U/L)、ALP(平均510U/L, range、286~770U/L)とT-bil(平均9.4mg/dL、range 2.0~20.8mg/dL)。Flavocoxidの中止後は3~12週以内に正常範囲に速やかに改善した。

【結論】Flavocoxidは臨床的に重要な肝障害を引き起こすことがある。そして、それは中止から数週間以内に改善する。

抄読者 山本 晋
論文名 Impact on Overall Survival of Radioactive Iodine in Low-Risk Differentiated Thyroid Cancer Patients
著者 Claire Schvartz, Franck Bonnetain, Sandrine Dabakuyo, et al.
reference J Clin Endocrinol Metab, May 2012, 97(5):1526–1535
サマリー【背景】アメリカ甲状腺協会と欧州甲状腺学会のガイドラインは、低リスクの分化型甲状腺癌の術後に放射性ヨード治療を勧めていない。本研究の目的は、これらの患者に対するRAIによる延命効果を評価すること。【方法】1975年と2005年の間に治療を受けた低リスクの1298人の患者を対象に、全生存期間(OS)および無病生存率を(DFS)を比較した。

【結果】追跡期間中央値は10.3年。911人が術後のRAIを受けたのに対して387人はRAIを受けなかった。単変量解析で、10年の全生存期間は手術後のRAIなしでの95.8%に対して術後RAIで94.6%で、10年無病生存率は術後RAIなしの88.7%に対して術後RAIありは93.1%であった。多変量解析では、RAIはOS(P=0.243)とDFS(P=0.2659)どちらも関連は認めなかった。単変量解析では、OSがRAIのハザード比0.75(95%信頼区間0.40-0.38)で、RAIによる差は認められなかった(P=0.3524)。同様に、DFSでは層状単変量ハザード比1.11(95%信頼区間0.73-0.70)(P=0.48)に差は認められなかった。

【結論】10.3年のフォローアップの長期では、我々は低リスクの分化甲状腺癌の大規模コホート研究において手術後のRAIでの延命効果は認めなかった。

抄読者 八木専
論文名 Probiotics for the Prevention and Treatment of Antibiotic-Associated Diarrhea: A Systematic Review and Meta-analysis
著者 Susanne Hempel, PhD; Sydne J. Newberry, PhD; Alicia R. Maher, MD; Zhen Wang, PhD; Jeremy N. V. Miles, PhD; Roberta Shanman, MS; Breanne Johnsen, BS; Paul G. Shekelle, MD, PhD
reference JAMA. 2012;307(18):1959-1969. doi:10.1001/jama.2012.3507
サマリー【背景】プロバイオティクスとは人体によい影響を与える微生物である。プロバイオティクスは、抗菌薬関連下痢症AADの治療と予防のために、次第に盛んに研究されるようになってきている。【目的】AADの予防と治療におけるプロバイオティクスのエビデンスを評価する。

【方法】2012年2月まで発表されたデータベース12件のレビューを検索(DARE, Cochrane Library of Systematic Reviews, CENTRAL, PubMed, EMBASE, CINAHL, AMED, MANTIS,TOXLINE, ToxFILE, NTIS, and AGRICOLA)。2人のreviewerが独立してAADの予防や治療に対するプロバイオティクス(Lactobacillus, Bifidobacterium, Saccharomyces, Streptococcus, Enterococcus, and BacillusのRCTを特定化する。

【結果】データベース12件のレビューによって、下痢症を有する参加者の人数を報告した63件の抗菌薬とプロバイオティクス生菌の併用に関するランダム化対照試験が同定された。試験の対象となった参加者は11,811人であった。もっとも多く使用されたプロバイオティクス生菌はLactobacillusとSaccharomycesであった。抗菌薬とプロバイオティクスが併用投与された場合、抗菌薬関連下痢症のプールした相対リスクは0.58(95%信頼区間 0.50~0.68、P<0.001)であった。抗菌薬関連下痢症1例を予防するためのnumber needed to treat(NNT)は13であった。この結果は、年齢群(0~17歳、18~65歳、65歳以上)の群間に差はみられなかった。抗菌薬の選択、抗菌薬の適応、またはプロバイオティクスの選択がアウトカムに影響するかどうかは判定できなかった。

【結論】すべてのサブグループ解析で、プロバイオティクスの併用によりAADのリスクが減少した。プロバイオティクスはAADに効果的だがどの患者がどの特定の抗菌剤を内服したら効果があるか今後調べる必要がある。もっとも有効なプロバイオティクス生菌、至適用量、至適治療期間は、まだ不明である。プロバイオティクスに関する数多くの研究から得られた知見に基づき、健康な人々ではこの療法は、少なくとも、無害といえる範疇にある。

抄読者 高山宗三
論文名 Increased Risk For Persistent Intestinal Metaplasia in Patients WithBarrett’s esophagus and Uncontrolled Reflux Exposure Before Radiofrequency Ablation
著者 KUMAR KRISHNAN, JOHN E.PANDOLFINO,PETER J.KAHRILAS, LAURIE KEEFER,LUBOMYR BORI, and SRINADH KOMANDURI
reference Gastroenterology. 2012 MAY 15
サマリー【背景、目的】Radiofrequency ablation(RFA)は、displastic Barret’s esophagus(BE)の患者の食道切除に代わる安全な治療である。いくつかの研究が、RFAがdysplasiaに対して効果的なものであるが、腸上皮化生に対しては効果的ではないと報告しております。コントロール困難な胃食道逆流とRFA後の腸上皮化生との関係を調査することとした。【方法】37人のBE患者がRFA、マノメトリー、24時間のインピーダンスPHテストを受けた。1日2回のPPI投与を受けた。2か月ごとの受診。全ての腸上皮化生が3回未満のablationn sessionで根治すればCRと定義した。CRまたはICRに関連した要因を特定するために我々は臨床パラメーターを分析しました。

【結果】CR22、ICRが15人でBEの長さ、食道裂孔ヘルニアのサイズではなく逆流の頻度がCRとICRの間で違いがあることがMann Whitney U検定でわかった。

抄読者 竹治智
論文名 Multicenter Feasibility Study of Combination Therapy with Fluorouracil, Leucovorin and Paclitaxel (FLTAX) for Peritoneal Disseminated Gastric Cancer with Massive Ascites or Inadequate Oral Intake
著者 Satoru Iwase, Masahiro Goto, Hirofumi Yasui, Tomohiro Nishina, Daisuke Takahashi, et al.
reference Japanese Journal of Clinical Oncology July 10, 2012.
サマリー【背景・目的】経口フッ化ピリミジン(S-1,カペシタビン)とシスプラチンの併用療法(S-1/CDDP療法)は進行胃癌の標準治療である。しかし,腹膜播種の進行した患者では,経口摂取が困難,腹水の貯留によりHydrationが困難であるなどによりこのレジメンの適応が困難な場合がある。そこで,フルオロウラシル,ロイコボリン,および,パクリタキセルの併用療法の実施可能性(feasibility)を評価することを目的とした。【方法】まず,Cycle 1において,推奨投与量と最大耐容投与量を決めることを目的として,28日周期としてDays 1, 8 及び Day 15 に投与するLevel 1, Level 22つの投与レベル(Level 1 (n=6): 5-fluorouracil / l-leucovorin and paclitaxel = 500/250/60 mg/m2, Level 2 (n=6): 600/250/80 mg/m2)のレジメンを施行。次に,Cycle 2において,新たに19人の患者を登録し,実施可能性を評価した。Primary endpointは,2 cyclesの完遂率とした.

【結果】Level 1でのDose-limiting toxities(DLT)はGrade 4の消化管穿孔が1例,Level2ではGrade 3の発熱性好中球減少症,及び,Grade 3の感染症であった.また,Level2 では,肺炎を伴ったGrade 4の発熱性好中球減少症があった。その結果,Level 1をを推奨投与量,Level 2を最大耐用投与量とした。また,2 cyclesの完遂率は92 %,腹水減量は44%,progression-free survivalの中央値は4.2か月,全生存期間(MST)は8ヵ月であった。また,Grade 3/4好中球減少は患者の12%に見られた.

【結論】Level 1での5-fluorouracil,l-leucovorin 及びpaclitaxel併用療法は,多量の腹水あるいあ経口摂取困難な腹膜播種の著名な患者に対する1次治療法として実施可能である。

抄読者 Shiyi Chen
論文名 Randomized trial of exercise effect on intrahepatic triglyceride content and lipid kinetics in nonalcoholic fatty liver disease
著者 Sullivan S, Kirk EP, Mittendorfer B, Patterson BW, Klein S.
reference Hepatology, 2012, June
サマリーBackground and aim:Nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD) and alterations in hepatic lipoprotein kinetics are common metabolic complications associated with obesity. Lifestyle modification involving diet-induced weight loss and regular exercise decreases intrahepatic triglyceride (IHTG) content and very low density lipoprotein (VLDL) triglyceride (TG) secretion rate. The aim of this study was to evaluate the weight loss-independent effect of following the physical activity guidelines recommended by the Department of Health and Human Services on IHTG content and VLDL kinetics in obese persons with NAFLD.

Subjects and Results:

Eighteen obese people (body mass index [BMI]: 38.1 ± 4.6 kg/m2) with NAFLD were randomized to 16 weeks of exercise training (45%-55% V̇O2peak, 30-60 minutes × 5 days/week; n = 12) or observation (control; n = 6). Magnetic resonance spectroscopy and stable isotope tracer infusions in conjunction with compartmental modeling were used to evaluate IHTG content and hepatic VLDL-TG and apolipoprotein B-100 (apoB-100) secretion rates. Exercise training resulted in a 10.3% ± 4.6% decrease in IHTG content (P < 0.05), but did not change total body weight (103.1 ± 4.2 kg before and 102.9 ± 4.2 kg after training) or percent body fat (38.9% ± 2.1% before and 39.2% ± 2.1% after training). Exercise training did not change the hepatic VLDL-TG secretion rate (17.7 ± 3.9 μmol/min before and 16.8 ± 5.4 μmol/min after training) or VLDL-apoB-100 secretion rate (1.5 ± 0.5 nmol/min before and 1.6 ± 0.6 nmol/min after training).

Conclusion:

Current physical activity recommended by Department of Health and Human Services and American Heart Association has only modest but beneficial effects on IHTG content, but does not improve hepatic lipoprotein kinetics in obese persons with NAFLD.

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消化器・内分泌・代謝内科学
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