当院では以下の臨床研究を実施することになりました。この研究では胆道疾患に対する内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)について多施設共同で前向きにデータ集積を行い、ERCPの偶発症、特にERCP後膵炎のリスクや予防法を検討します。このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。該当される患者様で、本研究への参加をご希望されない場合はお申し出ください。参加を拒否することで皆様に不利益が生じる事は決してありません。この研究に関するご質問などがありましたら、主治医または以下の問い合わせ先へご照会下さい。
[研究の名称] ERCP関連偶発症に関する多施設共同前向き観察研究
[研究責任者] 熊木天児
[研究機関の名称] 愛媛大学医学部附属病院第三内科
本研究は愛媛大学医学部附属病院の倫理委員会で承認され、病院長の許可を受けています。
[研究の目的・意義]
内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)は胆のうや胆管、膵臓の異常に対して非常に重要な内視鏡検査です。しかし、稀ではありますがERCPを行った後には膵炎などの偶発症が起こりうることが問題となります。この研究の目的は多施設共同でERCPに関するデータを集積し、ERCPにおける偶発症、特にERCP後膵炎のリスク因子や予防策を検討し、今後の予防に役立てる事です。
[方法]
期間:2017年4月1日より2018年3月31日に施行されたERCP。
共同研究機関:西日本Bilio-Pancreatic Stenting研究会に参加する37施設。
対象:胆道疾患の検査や治療目的でERCPを受けられる方、かつこれまで十二指腸主乳頭の処置(乳頭切開術等)を受けられていない方が対象となります。但し、ERCP施行時に急性膵炎を合併している方、 胃などの上部消化管の手術後で小腸を介してスコープを挿入する方、重篤な全身疾患を有している方等は除外されます。
目標症例数:全施設で3000例、当院では約100例。
収集する情報:
・基本的な情報:年齢、性別、急性膵炎の既往、ERCP前の血清膵酵素値等。
・内視鏡検査の情報:十二指腸主乳頭や胆管、膵管に対する処置等。
・内視鏡検査後の情報:ERCP翌日の血清膵酵素値、膵炎等の偶発症発生の有無と程度。
[解析計画の概要]
主要評価項目:ERCP後膵炎
検討項目:
・胆道ERCPにおける偶発症の疫学的検討
・リスク因子の抽出(単変量解析、多変量解析)と予測モデルの開発
・予防処置の適応と方法、有効性について検討、等
[研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益]
本研究は通常診療の情報を収集する観察研究であり、この研究のために新たに検査を追加したり、治療選択を変更することはありません。したがって本研究に伴う負担並びに予測されるリスク及び直接的な利益はありません。しかしながら、本研究に参加していただくことで、ERCP後膵炎のリスク因子の解明や予防策の検討につながり、今後ERCPを受ける患者の 利益につながります。
[個人情報の管理]
データ収集の際には、患者さん個人を特定しうる情報(個人情報)は院内で厳重に管理いたします。個人が同定されないよう匿名化した上でデータセンターに各施設のデータを収集し、解析を行います。この研究の成果は、学会や医学雑誌などに発表する予定ですが、研究対象者となった方を特定できる個人情報は利用しません。 また、この研究は各施設の倫理委員会の承認を得ており、患者さんの権利が守られることが確認されています。
[研究計画の閲覧]
この研究について、研究計画や関係する資料、ご自身に関する情報をお知りになりたい場合は、他の研究対象者となった方の個人情報や研究全体に支障となる事項以外はお知らせすることができます。
[研究担当者および連絡先]
この研究に関してご質問がある場合や、対象となる方でご自身のデータが研究に利用されることを拒否される場合は、お手数ですが以下の連絡先へご連絡ください。
連絡先・相談窓口:
住所: 791-0295 愛媛県東温市志津川
愛媛大学医学部附属病院第三内科
電話:089-960-5308
胆膵グループでは、分枝膵管型IPMNに関する全国多施設共同研究に参加しております。文章が長くなりますので、まずは要点から述べさせて頂きます。
【要点】
分枝膵管型IPMNの中には悪性化する症例があるが、そのことを予測することは容易ではない。そのため、無症状であるにもかかわらず、経過観察の目的で諸検査を受けて頂いている。しかし、どんな間隔で、どんな検査方法で経過観察をすることが最も好ましいのかは分かっていないのが現状である。そこで、膵臓学会を主体に全国で2,000例を目標に、同じプロトコールで前向き研究を行っている。
対象:分枝膵管型IPMNと診断した例のうち、MRCPで主膵管との交通が確認された囊胞径10mm以上の例。
登録期間:平成26年7月31日まで。
経過観察期間:5年間。
既に全国50施設以上で1,500症例が登録されております。登録締め切りまで時間が迫っておりますが、一人でも多くの患者さんにご協力頂き、明日からの診療に役立つevidenceを我が国から発信できる様に協力したいと思います。つきまして、該当する方がおられましたらご紹介下さい。
詳細に関しては下記の通りですが、ご不明な点がございましたらご連絡を下さい(連絡先:熊木天児)。よろしくお願いします。
【臨床研究名】
分枝膵管型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の前向き追跡調査(多施設共同研究)
【背景および目的】
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は、国際診療ガイドラインの刊行によって世界的に広く認識され、診断と治療の指針について一定の方向性が示された。IPMNは大きく主膵管型IPMNと分枝膵管型IPMNに分けられるが、分枝膵管型IPMNは主膵管型IPMNに比べ発癌頻度、浸潤癌頻度とも低く、組織学的にも腺癌のほか腺腫や過形成病変があり、手術適応例と経過観察例が存在する。分枝膵管型IPMNの手術適応は、有症状例、有壁在結節例、主膵管径6mm以上、細胞診陽性、拡張分枝径3cm以上としている。しかし、分枝膵管型IPMNの自然史、悪性化率についてはいまだ不明な点が多く、手術適応の見直しが必要である。このことから、日本膵臓学会の嚢胞性膵腫瘍委員会で分枝膵管型IPMNの自然史について後ろ向き多施設共同研究が行われた。その結果、EUSで拡張分枝内に壁在結節を認めない349例では、平均観察期間3.7年で病変の進展がみられたのは62例(17.2%)に過ぎず、このうち手術を施行した22例のうち腺癌は9例(2.6%)であった。 一方、経過中に通常型膵癌(以下膵癌)の併存が確認されたのが7例(2.0%)であった。同様に、他の後ろ向き研究でもIPMNの2.0~9.9%に膵癌が合併すると報告されているが、その全例が分枝膵管型IPMNであり、stage 0~Iの比較的早期の膵癌を40%近く含む報告もある。すなわち分枝膵管型IPMNを高リスク群としてスクリーニングを行うことにより効率よく早期の膵癌を発見できる可能性がある。このため、分枝膵管型IPMNの自然史と悪性化率の解明とともに、膵癌の早期発見および合併頻度をより明確にする必要があり、本邦での統一した画像検査法と間隔による多施設共同での前向き追跡研究を計画した。本研究は日本膵臓学会・嚢胞性膵腫瘍委員会の主導で行われる。
【方法】
平成26年7月31日まで間に分枝膵管型IPMNと診断された症例を対象とし、データベースへの登録を行う。対象症例は、登録後5年間の追跡を行う。愛媛大学病院での目標登録症例数は30~50例、共同研究機関全体を合わせた全体の目標登録症例数は約2,000例である。
・適格基準
1)分枝型IPMNと診断した例のうち、MRCP(Magnetic Resonance Cholangiopancreatography)で主膵管との交通が確認された?胞径10mm以上の例とする。主膵管との交通がMRCPで確認出来ない例については、ERCP(Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography)にて主膵管との交通が確認された場合は登録可とする。また、内視鏡的に乳頭開大や粘液の排出の確認、あるいはERCPの膵管内の粘液の確認によっても登録可とする。
2)現在経過観察中のIPMN例、IPMN切除例(新規)の残膵の経過観察も対象とし、残膵にIPMNを有する例および有しない例も登録する。
・経過観察方法(全国2,000例を統一)
登録時にMRCP, 造影CTおよびEUS(超音波内視鏡検査)を受けて頂き、以後半年毎に造影CT、MRCPおよびEUS、造影CT、MRCPおよびEUS、造影CT、MRCPおよびEUS、造影CT、MRCPおよびEUS、造影CT、MRCPおよびEUSと5年間繰り返し受けて頂きます。
S-888711の慢性肝疾患による血小板減少患者を対象とした第3相臨床試験
– 観血的侵襲術施行予定患者での検討 –
治験責任者:廣岡 昌史
→ 過去の検体を用いた臨床研究のお知らせ
急性発症型自己免疫性肝炎 (AIH) の診断基準及び治療指針の策定(愛媛大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会承認:愛大医病倫1411008号)
当院では、以下の臨床研究を福島県立医科大学と共同で実施しております。この研究は通常の診療で得られた過去の記録をまとめることによって行います。このような研究は、厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんお一人お一人から直接同意を得るのではなく、研究内容の情報を公開することが必要とされております。
この研究に関するお問い合わせなどがありましたら、下記の「問い合わせ先」へご照会ください。
【研究機関】愛媛大学医学部附属病院第3内科
【研究責任者】阿部雅則(第3内科准教授)
【研究代表者】大平弘正(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科教授)
【研究の目的】
過去に受診された自己免疫性肝炎患者さんの診療録(カルテ)の情報と肝組織標本を収集し、治療方法や有効性について評価する研究を行うことといたしました。この研究は自己免疫性肝炎における有効な治療方法の検討を目的としたものであり、皆様の今後の診療にも役立つことができると考えています。
【研究の方法】
(対象となる患者さん)平成18年から25年までに当科を受診された方のうち自己免疫性肝炎と診断された患者さん
(利用するカルテ情報)性別、年齢、発症時期、合併症、既往歴、身体所見、血液検査データ、画像検査データ、治療状況 等
(利用する資料)肝生検組織標本(プレパラート)
【個人情報の取り扱い】
収集した情報は名前、住所など患者さんを直接特定できる個人情報を除いて匿名化いたしますので、個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。また、研究結果は学術雑誌や学会等で発表される予定ですが、発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。この研究の対象となられる方で「ご自身の診療録(カルテ)は除外してほしい」と望まれる方は下記お問い合わせ先までご連絡下さい。
【問い合わせ先】
愛媛大学医学部附属病院第3内科 阿部雅則
791-0295 愛媛県東温市志津川
Tel: 089-960-5308
生活習慣病患者を対象とした非アルコール性脂肪性肝疾患の実態調査と予測因子の検討(愛媛大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会承認:愛大医病倫1310004号) 当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は通常の診療で得られた記録をまとめることによって行います。この研究に関するお問い合わせなどがありましたら、下記の「問い合わせ先」へご照会ください。
【研究機関】愛媛大学医学部附属病院第3内科
【研究責任者】三宅映己(第3内科特任講師)
【研究の背景と目的】
生活習慣病は、高頻度に脂肪肝を合併することがあります。脂肪肝はアルコールによるものとアルコールに関係ないものに分けられます。アルコールによるものの場合、肝炎、肝硬変、肝臓癌、肝不全に進行することは以前より知られていますが、近年アルコールによらないものの一部にも、肝臓癌や肝不全へ進行する場合があることがわかり、臨床診療の場における重要性は広く認識されています。しかしながら、確定診断には肝生検が必要であり、増加している非アルコール性脂肪肝炎患者の診断において十分な対応ができていません。本研究は生活習慣病患者様の一般外来診療での結果をもとに、肝疾患の診断や予測に寄与する因子を検討し、その有用性を明らかにすることを目的としています。また、継続的にフォローさせて頂き、生活習慣病に関連した合併症(動脈硬化性疾患や癌)の発症に関与する因子についても検討し明らかにします。
【研究の方法】
(対象となる患者さん)愛媛県下の愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学関連施設を受診した患者様のうち
1. 20歳以上の男性女性。
2. 患者本人の自由意思による文書同意が得られた患者様。
参加が難しい方
1.妊婦および妊娠している可能性のある患者様、または授乳中の患者様。
2.肝臓の病気や癌のなどで、全身状態がよくない患者様。
3.その他、研究担当医師が参加して頂くのが難しいと判断した患者様。
(調査項目)入院、もしくは外来診療において通常行っている血液検査、エコー検査、問診です。また、採血の際、同時に血液の一部を保存させていただき(4-6ml程度)、一般外来検査では行われない脂肪性肝疾患や動脈硬化性疾患、癌に関与するに追加の検査を大学の研究費を用いて行います。
これらの結果を用いて、統計学的な解析を行います。
【個人情報の取り扱い】
収集した情報は名前、住所など患者さんを直接特定できる個人情報を除いて匿名化いたしますので、個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。また、研究結果は学術雑誌や学会等で発表される予定ですが、発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。この研究の対象となられた方で「ご自身の診療録(カルテ)は除外してほしい」と望まれる方は下記お問い合わせ先までご連絡下さい。
【問い合わせ先】
愛媛大学医学部附属病院第3内科 三宅映己
791-0295 愛媛県東温市志津川
Tel: 089-960-5308
α‐GI(ミグリトール)のNAFLD,NASHに対する改善効果についての臨床試験 (愛媛大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会承認:愛大医病倫1406010号) 当院では、以下の臨床研究を実施しております。観察研究を実施することについては、愛媛大学医学部附属病院の臨床研究倫理審査委員会において観察研究実施計画書、参加される方々への説明文書および同意書の内容などについて、倫理的、科学的及び医学的妥当性の観点から審査を受け、承認を得ております。
【研究機関】愛媛大学医学部附属病院第3内科
【研究責任者】日浅 陽一(第3内科教授)
【研究の背景と目的】
NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)の患者さまの多くが糖尿病も合併しています。現在、NAFLDの標準的な治療薬は確立されていませんので、各々の合併症に対する治療をすることでNAFLDの改善が認められています。この試験では、2型糖尿病を合併しているNAFLD患者さまの治療薬としてセイブルのNAFLDに対する効果を明らかにすることを目的として検討を行います。
【研究の方法】
(対象となる患者さん)愛媛県下の愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学関連施設を受診した患者様のうち
①HbA1cが6.5から8.0%(NGSP値)の患者さま
①HbA1cが6.5から8.0%(NGSP値)の患者さま
②肝線維化ステージがF2―F3の患者さま
③継続して食事療法・運動療法ができる患者さま
④過去3ヵ月以内に、α-GIのお薬を服薬されていない患者さま
⑤この試験への参加について、同意の能力をもっており、同意文書とその他の説明文書を読む ことができ、理解できる患者さま
⑥年齢20歳以上の患者さま
参加が難しい方
①重篤な慢性肝疾患の患者さま
②重篤な腎疾患を有する患者さま
③重篤な脳血管障害を有する患者さま
④重篤な膵疾患を有する患者さま
⑤癌を有する患者さま
⑥高度な糖尿病性神経障害を有する患者さま
⑦重篤な感染症,重篤な外傷のある患者。手術前後である患者さま
⑧炎症性腸疾患,大腸潰瘍,局所的腸閉塞,腸閉塞素因のある患者さま
⑨消化・吸収異常を伴った重篤な慢性腸疾患患者さま
⑩腸内ガスの発生増加により悪化する疾患・既往のある患者さま
⑪胃切除の既往がある患者さま
⑫妊婦または妊娠している可能性のある女性,妊娠を希望している女性および授乳中の女性の
患者さま
⑬試験開始前の前4ヵ月以内に他の臨床試験に参加した患者さま
⑭試験担当医師が不適当と判断した患者さま
(調査項目)入院、もしくは外来診療において通常行っている血液検査、エコー検査、問診です。また、採血の際、同時に血液の一部を保存させていただき(4-6ml程度)、一般外来検査では行われない脂肪性肝疾患や動脈硬化性疾患、癌に関与するに追加の検査を大学の研究費を用いて行います。
これらの結果を用いて、統計学的な解析を行います。
【個人情報の取り扱い】
収集した情報は名前、住所など患者さんを直接特定できる個人情報を除いて匿名化いたしますので、個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。また、研究結果は学術雑誌や学会等で発表される予定ですが、発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。この研究の対象となられた方で「ご自身の診療録(カルテ)は除外してほしい」と望まれる方は下記お問い合わせ先までご連絡下さい。
【問い合わせ先】
愛媛大学医学部附属病院第3内科 三宅映己
791-0295 愛媛県東温市志津川
Tel: 089-960-5308
原発性胆汁性肝硬変患者のQOL(生活の質)に関する調査研究(愛大医病倫 1507012号)
当院では、以下の臨床研究を多施設と共同で実施しております。この研究は通常の診療で得られた過去の記録をまとめる/保管されている試料を詳しく調べる/及び患者さんへのアンケートによって行います。このような研究は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんへ研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関するお問い合わせなどがありましたら、下記の「問い合わせ先」へご照会ください。
【研究機関】愛媛大学医学部附属病院第3内科
【研究責任者】阿部雅則(第3内科 准教授)
【研究代表者】田中篤(帝京大学医学部内科学講座 教授)
【研究の目的】
原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis; PBC)は、慢性胆汁うっ滞により徐々に肝の線維化が進行し、無治療の場合には肝硬変及び肝不全へと至る疾患です。近年、治療法の進歩によりPBCの長期予後は大きく改善し、死亡ないし肝移植へと至る症例は大きく減少しました。しかし、PBCは胆汁うっ滞にともなう皮膚掻痒感が初発症状であることが多く、さらに疲労感や口腔乾燥など、数値化することが困難で医療者が認識しにくい症状をしばしば伴い、患者さんがQOL(quality of life; 生活の質)が低下する一因となっています。このため、長期予後だけではなく患者さんのQOLの改善を目的とした治療法の開発が急務であり、そのためにPBC患者さんにおける再現性及び客観性を持ったQOL評価が必要とされています。このような観点から、2007年に帝京大学を中心とした多施設共同研究によりPBC患者さんのQOL調査が行われました。今回の研究では、当院でPBCと診断された患者さんに対しても、同様にQOL調査を行いたいと考えています。
【研究の方法】
研究の参加に同意した患者さんに健康関連QOL評価尺度を用いたアンケート調査用紙を配布、記入を依頼し、記入後各研究参加施設まで送付していただきます。
健康関連QOL評価尺度としては、以下の3種を用います。
①PBC-40
②VAS(皮膚のかゆみの尺度)
③SF-36v2日本語版(健康医療評価研究機構、使用許可済み)
送付された調査用紙は各施設で連結可能匿名化されたのち帝京大学へ送付されます。あわせて、各施設において研究参加患者さんの年齢・性別、職業、臨床情報(血液・画像検査結果、治療内容など)を収集、連結可能匿名化し、帝京大学へ送付します。帝京大学ではこれら調査結果および個人情報を解析し、PBC患者さんの健康関連QOLを評価し、あわせてQOLが社会的状況および疾患の病態によってどのように影響されているかにつき解析します。
【個人情報の取り扱い】
本研究では皆様が受診している病院から個人情報を持ち出すことはありません。
【研究資金および利益相反】
この研究は厚生労働省からの科学研究費補助金を用いて行われます。本研究に関連する企業や団体からの資金援助は受けておらず、利益関係もありません。
【参加拒否の自由】
本研究への参加を拒否することは自由であり、随時参加の撤回をすることが可能です。それにより診療上不利益を受けることもありません。参加拒否を希望される場合は下記までご連絡ください。
さらに詳しい研究の方法をお知りになりたい場合は、「お問い合わせ先」までご連絡ください。他の患者さんの個人情報や知的財産保護等に支障がない範囲でお伝えいたします。
また、この研究の対象となられる方で「ご自身の診療録(カルテ)や保管されている試料(血液や組織など)は除外してほしい」「アンケートに答えたくない」と望まれる方は下記お問い合わせ先までご連絡下さい。
【問い合わせ先】
愛媛大学医学部附属病院第3内科 阿部雅則
791-0295 愛媛県東温市志津川
Tel: 089-960-5308
愛媛膵疾患・胆道疾患研究グループ(Ehime Pancreato-cholangiology, EPOCH, Study Group)では、膵癌患者を対象とし、通常の化学療法に成分栄養剤を加え、成分栄養剤の化学療法治療効果に及ぼす影響を評価する臨床研究を実施しております。
今回の臨床研究の対象者は、愛媛大学医学部附属病院または松山赤十字病院へ通院が可能な化学療法が予定されている膵癌患者です。
本臨床研究に関心のある方は、主治医にご相談頂くか下記連絡先までご連絡を下さい。
【問い合わせ先】
791-0295 愛媛県東温市志津川
愛媛大学医学部附属病院第3内科
熊木天児(愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療学 准教授)
Tel: 089-960-5308
790-0826 愛媛県松山市文京町1
松山赤十字病院
横田智行(松山赤十字病院 肝胆膵センター 第2肝臓・胆のう・膵臓内科部長)
Tel: 089-924-1111
愛媛大学医学部第三内科では、愛媛大学医学部附属病院の臨床研究倫理審査委員会の承認をえて、広島大学大学院医歯薬保健学研究院・細胞分子生物学研究室と共同で「悪性腫瘍、生活習慣病、ウイルス性肝炎、血液疾患、神経変性症及び精神疾患におけるテロメア不安定性機構の解析」の研究を行っています。(愛大医病倫 1602006号)
学術学会や医学雑誌に結果が発表される場合、個人を特定できる情報が公表されることはありません。また、この研究でえられた結果を個別にご連絡することもありません。
もし、ご自分の血液や組織をこの研究に使用してほしくないとお考えの方は、下記までご連絡ください。
【問い合わせ先】
愛媛大学医学部第三内科 助教 小泉光仁
〒791-0295 愛媛県東温市志津川
電話: 089-960-5308
(平日 9:00~17:00)
当科では、新しい治療法の開発を目指して下記のような治験、臨床研究に取り組んでいます。実施しているのは、いずれも安全性が担保されているものです。また患者様への十分な説明と同意が得られてから実施いたします。このような治療法により治癒したり症状が軽減される事例も多数みられています。ご興味のある患者様、医療関係者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ医局か外来医、病棟医にご相談ください。