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論文・学会・研究会の報告
 

論文・学会・研究会の報告

以下は和泉先生からのコメントです。

10月14日に開催された日本超音波学会四国地方会で「Micro B-flowにてThreads and streaks signを観察しえた肝細胞癌の一例」を報告させて頂きました。従来のドプラ法では腫瘍栓内の微弱な血流を検出することは困難でしたが、最新の血流評価技術である「micro B-flow」を用いることで鮮明に血流を描出することが可能となりました。美麗な超音波画像が先生方の心を動かし受賞に至ったものと思われ、廣岡先生に感謝するばかりです。

発表にあたりご指導頂いた日浅先生、廣岡先生、小泉洋平先生ならびに第三内科の諸先生方に厚く感謝申し上げます。

今後ともご指導ご鞭撻頂けますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

以下、松浦先生からのコメントです。

UEG Week 2023に参加して
松浦文三

2023年10月13-18日に,デンマークのコペンハーゲンで開催されたUEG Week 2023に参加してきました。COVID-19パンデミック後のはじめての現地参加でしたが,COVID-19以前と比べると現地参加は少し少なかったように思います。コペンハーゲンは,日本に比べると気温は8-10度程度低く,日本の初冬の感じでした。また,海の近くですので非常に風の強いところでした。風力発電の風車がホテルや学会場からよく見えました。これまで代謝改善/減量手術のデータを国内外の学会で発表してきましたが,今回は「Characteristics and diabetes remission after laparoscopic sleeve gastrectomy in diabetic patients stratified by body mass index」と題して発表しました。BMIに関わらず,血中C-peptideが保たれている例は70%以上で糖尿病が完全寛解するし,C-peptideが低下している例でも全例薬物が減量できる,という内容です。
今回のUEG Weekは学会最終日の前夜に,UEG Nightとして,世界で10%の中に入るエンターテイナーが出演するWallmans Circus Buildingでのdinner showが設定されており,それにも参加して,楽しい時を過ごしました。また,学会の合間にあの有名な人魚姫の像も見学してきました。
次回は2024年10月12-15日にオーストリアのウィーンで開催予定です。


   (UEG Week 2023会場)


     (UEG Nightが行われたCircus Building)


     (人魚姫の像)

以下、廣岡先生からのコメントです。

9月22日、23日に東京で第30回日本門脈圧亢進症学会総会が開催されました。この会において廣岡が田尻賞(英文論文)を受賞いたしました。田尻賞は、田尻孝前理事長より設置され、前年の門脈圧亢進症に関する優秀な論文に授与されることになっております。今回脾臓の硬度・粘性診断などを評価いただき受賞させていただきました。当教室から引き続き受賞者が出るよう励んでいきたいと思います。(日本門脈圧亢進症学会理事長、吉田寛教授と撮影)

石川将先生が愛知県がんセンターで作成していた論文がアクセプトされました。おめでとうございます。

以下、石川先生からのコメントです。

今回、愛知県がんセンターで作成させて頂いた論文がClinical Endoscopyにアクセプトされましたので御報告させて頂きます。

タイトルは「Safety and efficacy of novel oblique-viewing scope for B2-EUS-HGS」です。

EUS-HGSにおいて、B2あるいはB3穿刺が行われます。穿刺後の処置が容易なのはB2-EUS-HGSですが従来のEUSスコープでは経食道穿刺による重篤な偶発症のリスクがあり、B3が主に穿刺対象とされていました。今回使用した新型EUSスコープであるEG-740UTは従来のEUSスコープと比較してアップアングルが効き、より垂直に近い穿刺が可能です。今回この新型スコープを使用してB2-EUS-HGSの安全性と有用性を後ろ向きに検討しましたところ、経食道穿刺をきたさず高率にB2-EUS-HGSを施行出来ておりました。

新型EUSスコープを用いたB2穿刺は今後EUS-HGSにおける第一選択になる可能性を秘めていると考えます。

論文作成に際し、原先生をはじめとする愛知県がんセンターの先生方には多々ご迷惑をお掛けしましたが、最後まで御指導頂き大変感謝しております。

また、勉強の機会を与えて下さった日浅教授をはじめとする医局の皆様にもこの場で感謝申し上げます。愛媛からも新しい知見を発信出来るよう、今後も精進していきたいと思いますので今後ともよろしくお願い致します。

以下,first author Sからのコメントです.

新規の遺伝子変異を有するWilson病患者が腎癌と肝癌を併発した症例に関する論文 ” Renal Cell Carcinoma and Hepatocellular Carcinoma in a Patient with Wilson’s Disease: A Case report” がInternal Medicine(IF 1.2)にアクセプトされました. 本症例は腎癌と肝細胞癌を発症したWilson病患者です.これまでにWilson病に腎癌を合併した報告はありません.本検討の特徴として腎癌領域と非癌領域における銅と鉄の沈着の程度を評価しました.結果として,腎癌領域において銅の沈着はほとんどありませんでしたが,鉄の過剰な沈着がみられました.鉄過剰は淡明細胞癌のリスクであることがこれまでに報告されており,また無セルロプラスミン血症は鉄過剰と密接な関係があります.腎癌が偶発的な合併の可能性も否定はできませんが,腎癌の好発年齢ではなく,Wilson病による代謝障害が関連している可能性が示唆されました.
また本症例ではATP7Bに新規の遺伝子変異であるp.Leu1395Terfsが特定されました.
この変異が腎癌や肝癌に関連しているかは更なる症例蓄積が必要となります.
論文作成にご尽力いただきました済生会今治第二病院の道堯浩二郎先生に感謝を申し上げます.

渡辺先生と徳本先生がまとめた、DAA治療によるSVR後HCCを予測するスコアリングシステムに関する論文がScientific Reportsにアクセプトされました。

おめでとうございます。

以下、渡辺先生からのコメントです。

本論文は、愛媛県内で組織するEKEN study Groupの先生方にご協力いただき、多変量解析によりDAA治療によるSVR達成後のHCC発症を予測するスコアリングを作成したという内容です。DAA治療前、治療終了時、SVR12判定時のデータでそれぞれスコアリングを行い、それらの中で、SVR12判定時でのスコアリングが最も有効にHCC発症を予測できたというのがアピールポイントです。
ご指導いただいた徳本先生、また何より、大変お忙しい中ご協力いただいたEKEN study Groupの先生方に深く感謝申し上げます。

Sci Rep. 2023 Jun 2;13(1):8992. doi: 10.1038/s41598-023-36052-0.

森田浩貴先生が第130回日本消化器内視鏡学会四国支部例会 研修医・専攻医優秀演題セッションで優秀演題賞を受賞しました。

受賞演題名は「単形性上皮向性腸管T細胞リンパ腫(MEITL)の胃再発を内視鏡により診断し治療介入した一例」です。

森田先生、おめでとうございます。

演題発表中の森田先生

優秀演題賞を受賞される森田先生

総合健康センター古川先生と地域消化器免疫医療学講座の竹下先生がまとめた
潰瘍性大腸炎の疾患活動性と勃起不全に関する論文がSexual Medicine (IF 2.523)でオンラインとなりました。

以下、古川先生からのコメントです。

現在、実施中の愛媛潰瘍性大腸炎研究のベースラインデータを用いて潰瘍性大腸炎の疾患活動性と勃起不全との関連性を解析いたしました。

メタアナリシスで潰瘍性大腸炎は虚血性心疾患のリスクが高いことが示されており、勃起不全のリスクも高いことが最近報告されています。潰瘍性大腸炎の疾患活動性などの慢性炎症が勃起不全と関連しているのではないかと仮説を立てて解析を行いました。
データ欠損のない男性潰瘍性大腸炎患者 165例を解析対象としました。
SHIM scoreに基づいて、EDを定義したしました。
罹病期間、粘膜治癒、臨床的寛解、使用薬物数など疾患の重症化のマーカーになりうる項目とは関連がなく、63歳以上の加齢のみが有意でした。また、EDの重症度を分けて解析を行っても同様な結果でした(ED 調整後オッズ比12.93 信頼区間4.51-43.00,重症ED 調整後オッズ比 9.02 信頼区間 3.66-23.91)。

当初考えた仮説とは異なった結果となりましたが、日本人潰瘍性大炎における性機能障害に関する初めての論文となりました。

https://academic.oup.com/smoa/article/11/2/qfad024/7180391?searchresult=1&fbclid=IwAR3IAXEZEZgAwABtXjn_QjxIjtsZutCBFPZsRdHL5Mt7NyHPaSFcnXv-O2I&login=true

矢野怜先生の学位論文がアクセプトされました!
おめでとうございます。

以下、矢野先生からのコメントです。

この度、学位論文として報告した「lymphatic drainage dysfunction via narrowing of the lumen of cisterna chyli and thoracic duct after luminal dilation」がHepatology internationalに受理されました。以下は論文の概要です。門脈圧亢進に伴って、肝で生成されるリンパ液が増加するため排泄路である肝外リンパ管も拡張することは過去にも報告されていますが、難治性腹水へ至ったような非代償期の肝硬変では肝外リンパ管は狭小化していること、ドレナージ能が低下している可能性があることを我々は報告しました。肝硬変の腹水にはリンパ管のドレナージ能の関与も検討すべきと考えられます。海外では難治性腹水に対してリンパ管にドレナージステントを留置しているような施設もあり、今後焦点が当てられる領域ではないかと考えています。また、ダイナミックCTや頚部エコーでリンパ管は描出ができることも方法として挙げています。
指導医である廣岡先生には最初から頼りきりで、ご迷惑を多々おかけしたと思いますが、その度に丁寧にご指導いただき大変感謝しております。
日浅教授にも、定期的にアドバイスをいただき、有り難く存じます。肝臓グループの先生にもご助言をいただきましたし、特に中村先生にはエコーなどの作業をお願いすることも多く、この場で感謝申し上げます。
また、大学院1年目の際に勤務していた松山赤十字病院の先生方にも、大学院講義などに参加させていただいたり、大変有り難く思います。
今後も積極的に頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

小西史哲先生の論文がHepatology ResearchにAcceptされました。

1年生から6年生まで第三内科に通い、少しずつデータを整理し、何とか卒業までに投稿できました。
Acceptのお祝いの電話で「自分のHepatology Researchの冊子をもって、第三内科へ挨拶に来いきます!」と言った?、言わされた言葉を期待して待っています(笑)。
これからも、頑張って下さい!

みやけてるき

 
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愛媛大学大学院
消化器・内分泌・代謝内科学
(第三内科)
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