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中村先生の論文がScientific Reports誌にアクセプトされました!
 

お知らせ

中村由子先生の学位論文がScientific Reports誌にアクセプトされました!

マウスモデルを用いて、内臓脂肪の炎症・線維化を惹起し、耐糖能異常/ NAFLDを招く分子としてB細胞活性化因子(BAFF) の作用を明らかにしました。

論文名:Depletion of B cell-activating factor attenuates hepatic fat accumulation in a murine model of nonalcoholic fatty liver disease

掲載誌:Scientific Reports volume 9, Article number: 977 (2019)

 

以下、中村先生よりコメントをいただいております。

 

まずご指導いただいた川崎先生、三宅先生、阿部先生、日浅教授をはじめとする先生方、また実験をアシストしてくださった技官棟田さん、藤野さん、谷本さん、そのほか関わって頂いた方々に厚く御礼申し上げます。論文完成までに時間を要しましたが、多くの方々のおかげでこの日を迎えることができ、感謝の言葉しか見つかりません。

論文は「NAFLDモデルマウスにおいてBAFFの欠損は脂肪肝を軽減させる」という内容です。現在、肥満関連疾患は増加の一途を辿っています。我々の教室は、BAFF( B cell-activating factor )がマウス脂肪細胞からも分泌され、耐糖能異常を招きうること、血中BAFF濃度がNAFLD症例の重症度と相関することを報告してきました。その後BAFF-R欠損肥満マウスでは耐糖能異常は改善するものの、脂肪肝が増悪することを川崎先生らが報告されました。そのため今回はBAFFのNAFLDへの関与について、インスリン抵抗性、脂肪機能、肝臓の脂肪合成/炎症の点からBAFF欠損マウスを使用し病態検討しました。

BAFF欠損食事誘発肥満マウスは、予想通りインスリン抵抗性の改善を認めましたが、体重増加が顕著で、特に内臓脂肪量が増加していました。この内臓脂肪の解析で炎症線維化が軽減していることが判明し、脂肪組織のhealthy expansionが異所性脂肪(脂肪肝)の軽減に寄与していると考察しました。またBAFF欠損マウスの肝臓や肝細胞自体での脂肪合成・炎症も軽減されており、これを裏づけるものでした。BAFFは耐糖能異常やNAFLDの治療標的になる可能性が示唆されました。

これまで三宅先生、多田先生、濱田先生、川崎先生、阿部先生らが築きあげたBAFFの研究を今後も繋いでいけるよう、引き続き努力して参りたいと思います。現在夫の海外留学帯同にて休職中であり、繰り返しにはなりますが論文投稿はもとより研究に関して最もお世話になりました阿部先生、日浅教授に大変感謝申し上げます。今後もご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。

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