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古川慎哉先生の論文がアクセプトされました!
 

お知らせ

古川慎哉先生が作成された「不健康な食習慣とルセフィによる血糖改善および体重減少との関連性についての論文(The luseogliflozin Ehime Diabetes Study: LED study)」がDiabetes Therapy (IF 2.945)にアクセプトされました。

以下、論文の内容と古川先生からのコメントです。

不健康な食習慣はさまざまな疾病リスクとなることがわかっています。
当教室では、糖尿病で不健康な食習慣(遅い夕食)があると、糖尿病では逆流性食道炎が多く、制酸剤による治療効果が減弱すること(Can J Diabetes 2018; 42: 312)、潰瘍性大腸炎ではお腹いっぱいまでたべる習慣があると粘膜治癒が有意に少なく(BMC Gastroenterology 2021; 21: 152)、欠食習慣があると機能性ディスペプシアが有意に多いなど (J Neurogastroenterol Motility In Press)など食習慣に着目した研究を進めてきました。

満腹まで食べる習慣は肥満に、朝ご飯欠食も肥満、脂質異常症、糖尿病の発症に、早食いは肥満、高血圧、食後高血糖、インスリン抵抗性との関連性が示されています。
以上のことから、不健康な食習慣が、糖尿病薬物治療効果を減弱させる可能性がありますが、不健康な食習慣を含めた種々の不健康な行動が、DPP4阻害薬の無効例、SGLT2阻害薬における体重減少が弱まることがそれぞれ1報のみで食習慣と糖尿病治療効果に関するエビデンスは十分ではなく、とくに不健康な食習慣それぞれとSGLT2阻害薬の治療効果への影響は不明でした。

2型糖尿病29例を対象としてルセフィ投与前に、早食い、遅い夕食、夕食後の間食、お腹いっぱいまでたべる、朝欠食を自己記入式質問調査票で調査を実施しました。不健康な食習慣が多い集団(不健康な食習慣が2つ以上)ではHbA1cおよび体重改善効果が減弱していました。不健康な食習慣が少ない集団(不健康の食習慣が1以下)ではHbA1cと体重減少との間に相関がありましたが、 不健康な食習慣が多い集団 ではHbA1cと体重減少との相関は見られませんでした。 また、個別の食習慣では早食い以外の食習慣はHbA1c改善効果が減弱していましたが、早食い習慣がある方がHbA1cがより改善していました。一般的な不健康な食習慣は SGLT2阻害薬の治療効果を減弱させるが、早食い習慣はSGLT2阻害薬の治療効果が維持されていました。早食いは食後高血糖が高く、ルセフィによるGLP-1分泌増強や食後高血糖改善効果から上記のような違いが見られたのかもしれません。本研究は少数での探索的な研究であり、食習慣と薬物の効果についてはさらなる研究が必要と思われます。

 
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愛媛大学大学院
消化器・内分泌・代謝内科学
(第三内科)
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