廣岡先生が2度目の快挙! Radiologyにacceptされました
2014年10月18日 8:11 AM
論文名:Nonalcoholic Fatty Liver Disease: Portal Hypertension Due to Outflow Block in Patients without Cirrhosis.
以下広岡先生からのコメントです
画像診断・治療の最高峰、Radiology誌にアクセプトされました。Radiologyへの掲載は「赤松先生のエタノール注入療法」、「小泉(洋)先生のC型慢性肝炎に対する肝硬度診断」、「広岡の門脈圧亢進症に対する脾硬度診断」につづき当教室からは4報目となります。
以前よりアルコールを原因とした肝障害はウイルス性肝炎とは異なる血行動態の変化をきたすことは知られていました。NAFLDにおいても2012年にMayo clinicからCGH誌に非硬変肝症例の門脈圧亢進症合併についての論文が発表されました。今回の研究では肝血流動態の観点から、NAFLDが肝硬変に至らない段階から門脈圧亢進がおこるメカニズムを明らかにしました。さらに血小板が20万以下の症例でこの血行動態の変化が顕著となることを明らかにしました。血小板数20万はNAFLDにおいては重要な境界線として肝臓専門医の間では広く認識されていますが、検査値の異常値として表示されないためついつい軽視されている傾向にあります。今回の研究成果から血小板数20万は重要な境界線であることを再認識いたしました。
肝臓は門脈から70%、肝動脈から30%の血流を受ける。実習中や研修中に肝血流について議論すると。学生さんや若い先生からはこのような模範解答をいただきます。じゃあなぜ低圧の門脈血流が高圧系の肝動脈に打ち勝って3倍近い血流を門脈が肝内に供給することができるのかと問うと、多くの方がその答えに困ってしまいます。そんな奥深い肝血行動態を日々我々肝臓グループは研究しております。そしてその研究は世界水準にあることを今回示すことができたことを大変うれしく思います。さあ学生さん、若い先生たち、愛媛大学肝臓グループの門戸を開きましょう。The door is always open! (K先生ごめんなさい)