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愛媛大学医学部附属病院 光学医療診療部の山本安則先生が、世界で初めてgel immersion endoscopyによる内視鏡的整復術が有用であった小児S状結腸捻転症例を報告し、Endoscopy E-videos(IF10.093)にアクセプトされました。

山本安則先生からのコメントです。

小児において、S状結腸捻転症は先天性疾患等に合併する稀な疾患ですが、緊急性の高い病態です。これまで成人腸捻転に対し、水浸法による内視鏡整復術の有効性などが報告されてきましたが、便や腸液による視野不良が問題でした。そこで今回、内視鏡用視野確保ゲル「ビスコクリアⓇ(大塚製薬工場)」を用いた内視鏡的捻転整復術を行いました。ビスコクリアⓇの使用により混濁した腸液が除去され視野が明瞭となり、捻転した腸管の確認と捻転部粘膜虚血の有無をより正確に評価することができました。それだけでなく、捻転解除の際、左側臥位への体位変換により、ゲル注入圧とその重みによって捻転部が開大し、内視鏡スコープの通過が容易となりました。本症例では、この手法により整復術は成功し、合併症なく緊急手術を回避することができました。

緊急内視鏡時には、池田宜央先生をはじめ多くの消化管グループの先生方や、小児科諸先生のご協力をいただくことで完遂することができました。この場を借りて感謝申し上げます。光学医療診療部では、難症例に対し引き続き新しい手技に挑戦していく所存です。

中村由子先生の論文が雑誌「肝臓」にアクセプトされました。
おめでとうございます。

以下は中村先生からのコメントです。

この度、「血栓性微小血管障害症を合併したアルコール性肝硬変の一例」と題した論文が肝臓にアクセプトされました。

本論文はアルコール性肝炎の経過中に血尿が持続し、腎生検にて血栓性微小血管障害症 (TMA) の診断を得た症例報告です。肝硬変の経過中に血尿が出現した際には、ADAMTS13活性の測定を行い、VWF/ADAMTS13活性のインバランスがある場合はTMAを疑い、FFPやrTMの投与を考慮する必要があることを報告しています。

多くの先生方には診断・治療に至る過程で多くのお力添えをいただきました。また論文作成にあたり全面的にサポートいただきました徳本先生、日浅教授、共著者の先生方に感謝申し上げます。今後も実臨床に活かして行きたいと思います。

古川慎哉先生が作成された「不健康な食習慣とルセフィによる血糖改善および体重減少との関連性についての論文(The luseogliflozin Ehime Diabetes Study: LED study)」がDiabetes Therapy (IF 2.945)にアクセプトされました。

以下、論文の内容と古川先生からのコメントです。

不健康な食習慣はさまざまな疾病リスクとなることがわかっています。
当教室では、糖尿病で不健康な食習慣(遅い夕食)があると、糖尿病では逆流性食道炎が多く、制酸剤による治療効果が減弱すること(Can J Diabetes 2018; 42: 312)、潰瘍性大腸炎ではお腹いっぱいまでたべる習慣があると粘膜治癒が有意に少なく(BMC Gastroenterology 2021; 21: 152)、欠食習慣があると機能性ディスペプシアが有意に多いなど (J Neurogastroenterol Motility In Press)など食習慣に着目した研究を進めてきました。

満腹まで食べる習慣は肥満に、朝ご飯欠食も肥満、脂質異常症、糖尿病の発症に、早食いは肥満、高血圧、食後高血糖、インスリン抵抗性との関連性が示されています。
以上のことから、不健康な食習慣が、糖尿病薬物治療効果を減弱させる可能性がありますが、不健康な食習慣を含めた種々の不健康な行動が、DPP4阻害薬の無効例、SGLT2阻害薬における体重減少が弱まることがそれぞれ1報のみで食習慣と糖尿病治療効果に関するエビデンスは十分ではなく、とくに不健康な食習慣それぞれとSGLT2阻害薬の治療効果への影響は不明でした。

2型糖尿病29例を対象としてルセフィ投与前に、早食い、遅い夕食、夕食後の間食、お腹いっぱいまでたべる、朝欠食を自己記入式質問調査票で調査を実施しました。不健康な食習慣が多い集団(不健康な食習慣が2つ以上)ではHbA1cおよび体重改善効果が減弱していました。不健康な食習慣が少ない集団(不健康の食習慣が1以下)ではHbA1cと体重減少との間に相関がありましたが、 不健康な食習慣が多い集団 ではHbA1cと体重減少との相関は見られませんでした。 また、個別の食習慣では早食い以外の食習慣はHbA1c改善効果が減弱していましたが、早食い習慣がある方がHbA1cがより改善していました。一般的な不健康な食習慣は SGLT2阻害薬の治療効果を減弱させるが、早食い習慣はSGLT2阻害薬の治療効果が維持されていました。早食いは食後高血糖が高く、ルセフィによるGLP-1分泌増強や食後高血糖改善効果から上記のような違いが見られたのかもしれません。本研究は少数での探索的な研究であり、食習慣と薬物の効果についてはさらなる研究が必要と思われます。

先日国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報センターのホームページにおいて、2020年のがん死亡率・罹患率などのデータが公開されました。これまで愛媛県は死亡率の高い県の常連でしたが、当院の肝疾患診療相談センターや愛媛県内の医療関係者、行政の方々がタッグを組み大幅に改善いたしました。詳しくは肝疾患診療相談センターホームページをご覧ください。

https://www.m.ehime-u.ac.jp/hospital/liver/?p=2614

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3月12日にICTを活用した地域連携システム、HiMEネットの研修会がTMSC主催で開催されます。院内の職員の方はこのシステムを使用していただくと、自宅などからカルテ内容を閲覧いただくことが可能です。参加予定者はすでに100名を超えていますが、追加で参加可能になっています。医療関係者対象です。興味がありましたら是非ご参加ください。QRコードからの申し込みが難しい場合はhttps://www.m.ehime-u.ac.jp/hospital/tmsc/medical_personnel/286.html からお願いします。

HiMEネット研修会

4月 講演会・研究会案内

〇2型糖尿病の治療戦略について考える会
日時:4月1日(金) 19:00~20:30
Microsoft teamsによる配信となります。
視聴にあたっては、事前のお申し込みをお願いいたします。
 講演Ⅰ 

愛媛大学 総合健康センター
教授 古川 慎哉 先生

 講演Ⅱ 

東邦大学医学部内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野
教授 弘世 貴久 先生

〇プライマリ・ケアフォーラム~慢性便秘症と高尿酸血症について考える~
日時:4月8日(金) 19:00~20:10
Zoomによる配信となります。
視聴にあたっては、事前登録をお願いいたします。
 講演1 

愛媛大学医学部附属病院 光学医療診療部
特任講師 山本 安則 先生

 講演2 

愛媛大学総合健康センター
教授 古川 慎哉 先生

〇代謝内分泌疾患 WEBセミナー in 愛媛
日時:4月14日(木) 19:00~20:00
Zoomによる配信となります。
事前登録をお願いいたします。
 講演 

徳島大学 先端酵素学研究所
藤井節郎記念医科学センター 顧問
松本 俊夫 先生

【完全Web開催】2型糖尿病の治療戦略について考える会_20220401

プライマリケアフォーラム

【延期・新日程記載案内状】代謝内分泌疾患WEBセミナーin愛媛_220218_

標記について、オンデマンド講習会が開催されております。
ご関心がおありの方はぜひご参加くださいますようお願い申し上げます。

愛媛県では、平成27年度から愛媛県肝炎医療コーディネーターを養成しています。
令和3年度については、オンデマンド視聴による養成講習会を開催しておりますので、ご関心がおありの方は、ぜひ受講いただきますようにお願い申し上げます。

申込期間:2月14日(月)〜3月11日(金)
視聴期間:2月21日(月)〜3月14日(月)
視聴形式:zoomウェビナーによる録画視聴(要テスト回答)

対象: 愛媛県内における以下の医療関係者
    ・医師、薬剤師、看護師等の保健医療関係者
    ・保健師等の保健所又は市町で肝炎対策を担当する者、
    ・企業又は団体で健康管理等を担当する者

申込み方法:Google Formsから申込みをお願いします
https://forms.gle/TStECtdHbpdp3Cw36

詳細は肝疾患診療相談センターHP(https://www.m.ehime-u.ac.jp/hospital/liver/)を参照して下さい。

プログラム:
1:愛媛県の肝炎対策 (愛媛県保健福祉部健康衛生局健康増進課)
2:愛媛県肝炎医療コーディネーター
3:肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業
4:愛媛県肝炎医療コーディネーター活動事例
5:B型肝炎訴訟、C型肝炎訴訟
6:知っておきたい肝疾患の基礎知識 

(参考)愛媛県肝炎医療コーディネーターとは?
肝炎ウイルス検査で陽性が分かった方や、肝炎の患者さんが適切な肝炎医療や支援を受けられるように、様々な角度から肝炎の患者さんのサポートを実施。
職種に応じて活動内容はさまざま。
活動例:肝炎ウイルス検査が陽性であった方に、医療機関での精密検査を勧める。 
薬局に来た患者さんに、肝炎ウイルス検査を一度受けてみるように勧める。
院内の検査で陽性であった場合に、担当医に陽性であることをアラートする。
医療事務の方であれば、ウイルス性肝炎治療の医療費助成制度や、定期検査費用助成の紹介、手続きの説明。

(問い合わせ先)
愛媛大学医学部附属病院肝疾患診療相談センター
TEL:089-960-5955

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肝疾患診療相談センターが担当した第79回ヘルスアカデミー「~肝がん死亡率の高い愛媛県~ 肝臓の”いま”を学ぼう」が令和4年2月21日(月)~令和4年4月20日(水)の間、YouTubeで視聴可能です。

ヘルスアカデミーは、一般市民の皆様に、健康・病気・治療に関する正しい情報について理解を深めてもらうことを目的として愛媛大学医学部が開催しています。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、事前収録した上でオンラインでの開催となりました。

愛媛県は肝がんの死亡率が全国でワースト1位(2019年 75歳未満年齢調整死亡率)となるなど、愛媛県民にとっても非常に重要な健康問題です。肝臓の病気は症状がないことも多く、肝硬変や肝がんに進行してから発見されることも少なくありません。そこで、早期に肝臓の病気を見つけるための検査、肝臓病や肝がんの治療法など、肝臓病に関する最新の情報を愛媛県民の方々に知っていただくことを目的として今回のヘルスアカデミーを企画させていただきました。

ぜひご覧ください。

視聴期間:令和4年2月21日(月)~令和4年4月20日(水)
視聴URL:https://youtu.be/fvUxxyHhNXY

プログラム:
挨拶 徳本良雄(肝疾患診療相談センター センター長)
講演1 「肝臓の病気をみつける方法」 渡辺崇夫(肝疾患診療相談センター 副センター長)
講演2 「脂肪肝は病気です」 三宅 映己(第三内科 講師)
講演3 「肝臓にやさしい食事」 利光 久美子(栄養部 部長)
講演4 「肝がん治療の“いま”」 廣岡 昌史(総合診療サポートセンター 准教授)
講演5 「肝臓病とうまく付き合うためのコツ」 日浅 陽一(消化器・内分泌・代謝内科学 教授)

【チラシ】第79回ヘルスアカデミーが動画配信されます

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済生会松山病院の八木先生と総合健康センターの古川先生がまとめていました潰瘍性大腸炎におけるAGR(アルブミングロブリン比)と粘膜治癒との関連性に関する論文が韓国大腸肛門学会雑誌 Annals of coloproctology(IF 1.13)にアクセプトされました。

AGRは慢性炎症のマーカーとして、がん、サルコイドーシスなどの自己免疫性疾患、心不全、脳卒中の予後との関連が報告されています。しかし、炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎における意義は不明でした。

そこで、愛媛潰瘍性大腸炎研究のベースラインデータを用いて、潰瘍性大腸炎患者におけるAGRと臨床アウトカムとの関連性を横断的に解析しました。CRPは代表的な炎症マーカーですが、内視鏡所見や粘膜治癒と一致しないことが指摘されています。そこで加えて、CRPを層別化してAGRと臨床アウトカムとの関連性を解析しました。

AGRは臨床的寛解、粘膜治癒(MES0)との間に正の関連性があり交絡因子で補正後でも有意でした。とくにCRPが低い0.1mg/dl以下での症例群ではAGRは臨床的寛解とは関連性は消失しましたが粘膜治癒との正の関連性がありました。一方でCRPが高い症例群ではいずれのアウトカムとも関連性はありませんでした。

アルブミン、グロブリンともに簡便でかつ迅速測定が可能であり、その測定コストや利便性から日常臨床においても活用可能です。AGRは潰瘍性大腸炎において、臨床的寛解や粘膜治癒と正の関連性があり、CRPが低い症例群では粘膜治癒の補助的血清マーカーとなりえる可能性が示唆されました。

下記のコメントは阿部先生からです。

2月1日より愛媛大学特任教授を拝命しました。
恩地森一前教授、日浅陽一教授を始め、第3内科入局以来御指導いただいた同門の多くの先生方に厚く御礼申し上げます。今後とも自己研鑽を継続するとともに、後進の育成にも励んでいきたいと思っております。
微力ではありますが、愛媛大学および消化器・内分泌・代謝内科学の益々の発展に寄与できますように努力を続けていく所存ですので、今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

阿部先生 特任教授就任おめでとうございます。

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愛媛大学大学院
消化器・内分泌・代謝内科学
(第三内科)
Department of Gastroenterology and Metabology, Ehime University Graduate School of Medicine
〒791-0295 愛媛県東温市志津川454
愛媛大学医学部本館8F
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FAX 089-960-5310
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