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以下、渡辺先生からのコメントです

今回、日本肝臓学会の冠アワードである「第13回MSD Award」優秀賞を受賞しました。受賞論文は「Protein kinase R modulates c-Fos and c-Jun signaling to promote proliferation of hepatocellular carcinoma with hepatitis C virus infection. (PLoS One 8(7):e67750, 2013)」です。

Protein kinase RNA-dependent (PKR)はHCV複製によって増加し、HCV増殖を阻害する細胞内蛋白です。我々はこれまでにPKRがC型肝炎患者の肝細胞癌組織において非癌部組織に比べて高発現していることを同定しました。そこでHCV関連肝細胞癌におけるPKRの役割を明らかにすることを研究の目的としました。HCV関連肝細胞癌株としてHuh7.5.1を用いてHCV複製可能なJFH1, H77sを作成し、同細胞株においてPKR siRNA、および発現プラスミドを用い、PKRの発現を増減させることで変化する遺伝子をPCRアレイ、リアルタイムRT-PCR、ウエスタンブロット法で確認しました。細胞増殖の変化についてMTSアッセイを行い、さらにヒト肝細胞癌組織34例を用いて、同定した分子についてRT-PCR、ウエスタンブロット法にてPKR発現変化との関連について検討しました。PKRの発現の増減によりc-Fos, c-Junの発現が増減し、さらにPKRはそれぞれの上流にあり、MAP kinase関連遺伝子であるErk1/2およびJNKのリン酸化を誘導することが分かりました。またPKR発現に伴う細胞増殖の亢進がみられ、その亢進はErk1/2→c-Fos, JNK→c-Junの両経路に依存していました。ヒト肝細胞癌組織においてもPKRはリン酸化c-Fos,リン酸化c-Junの発現を増加させており、PKRはHCV関連肝細胞癌においてc-Fos, c-Junの活性化を介して細胞増殖能を亢進させ、癌の進展に寄与している可能性があります。

日浅陽一教授を始め多くの先生方に御指導を頂き、研究成果を発表することができました。先生方にこの場を借りて感謝を申し上げます。基礎研究、臨床研究ともに今後も頑張っていきます。今後とも御指導のほどよろしくお願いいたします。

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2012年12月より本邦でもバイポーラ電極針でのラジオ波焼灼術(RFA)が可能となっています。複数の電極針を用いマルチポーラとして使用することにより従来のモノポーラシステムでのRFAに比し、一度に短時間で広範囲の焼灼や腫瘍を直接穿刺せずに焼灼することが可能となった一方で、複数の電極針と腫瘍がどのような立体的位置関係になっているのかを腹部超音波上で認識することは困難です。このため、本治療においてはシミュレーターの開発が急務であり、現在当科では、廣岡先生を中心に日立アロカメディカル社と共同で、磁気位置検出ユニットを用いることにより、複数の電極針と腫瘍の立体的な位置関係を客観的に判断することが可能となるシミュレーターを開発していますこのシミュレーターの有用性については、今後、学会・論文で報告していく予定です。

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愛媛新聞社:掲載許可番号 G20141001-01759

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以下 有光先生からのコメントです

日浅教授,池田先生をはじめとした第三内科の先生や薬理学講座の前山教授,さらには共同研究先であります愛媛大学プロテオサイエンスセンタ-の先生方にも多大なるご迷惑をおかけしましたが,今回なんとかacceptまでたどり着くことができました.本当に感謝しております.研究の内容としては,「無細胞蛋白質合成法を用いて合成した膜蛋白質受容体が,結合能を有している」という論文です.

創薬タ-ゲットとして、細胞膜に存在する膜蛋白質受容体は重要です。細胞間を行き来する化学物質の多くは、膜蛋白質に結合することにより制御されています。また市販されている薬の約半数は、膜蛋白質受容体に結合してその薬効を発揮します。これまで、膜蛋白質受容体の研究が取り組まれてきましたが、生きた細胞から機能を保持したまま取り出す方法は難しく、また従来の蛋白質合成方法を用いても活性をもった膜蛋白質の合成は困難とされてきました。今回我々は愛媛大学で開発された小麦胚芽無細胞技術を基盤に、膜蛋白質の活性を保持した状態で合成できる技術の開発を目指して、この研究に取り組みました。この検討結果をふまえて、今後は消化管ホルモンの受容体である膜蛋白質の機能解析と新薬開発において、有効活用できるのではないかという報告をさせていただきました。

基礎実験にどっぷりと使った生活であったため、思ったような結果が得られなかったときには、目の前が遠のくような感じでありました。逃げ出したいと思ったことも多々ありましたが、多くの先生方のご協力を得て、なんとか論文が完成し、大学院を卒業することができました。物事をもう一度深く考えること、万人に納得してもらうにはどうしたらよいか、今回の論文作成を通して多くのことを学ぶことができたのではないかと思います。これからもどうぞ宜しくお願いします。

 

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論文名:Nonalcoholic Fatty Liver Disease: Portal Hypertension Due to Outflow Block in Patients without Cirrhosis.

 以下広岡先生からのコメントです

画像診断・治療の最高峰、Radiology誌にアクセプトされました。Radiologyへの掲載は「赤松先生のエタノール注入療法」、「小泉(洋)先生のC型慢性肝炎に対する肝硬度診断」、「広岡の門脈圧亢進症に対する脾硬度診断」につづき当教室からは4報目となります。

 以前よりアルコールを原因とした肝障害はウイルス性肝炎とは異なる血行動態の変化をきたすことは知られていました。NAFLDにおいても2012年にMayo clinicからCGH誌に非硬変肝症例の門脈圧亢進症合併についての論文が発表されました。今回の研究では肝血流動態の観点から、NAFLDが肝硬変に至らない段階から門脈圧亢進がおこるメカニズムを明らかにしました。さらに血小板が20万以下の症例でこの血行動態の変化が顕著となることを明らかにしました。血小板数20万はNAFLDにおいては重要な境界線として肝臓専門医の間では広く認識されていますが、検査値の異常値として表示されないためついつい軽視されている傾向にあります。今回の研究成果から血小板数20万は重要な境界線であることを再認識いたしました。

肝臓は門脈から70%、肝動脈から30%の血流を受ける。実習中や研修中に肝血流について議論すると。学生さんや若い先生からはこのような模範解答をいただきます。じゃあなぜ低圧の門脈血流が高圧系の肝動脈に打ち勝って3倍近い血流を門脈が肝内に供給することができるのかと問うと、多くの方がその答えに困ってしまいます。そんな奥深い肝血行動態を日々我々肝臓グループは研究しております。そしてその研究は世界水準にあることを今回示すことができたことを大変うれしく思います。さあ学生さん、若い先生たち、愛媛大学肝臓グループの門戸を開きましょう。The door is always open! (K先生ごめんなさい)

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論文名:Pancreatic congestion in liver cirrhosis correlates with impaired insulin secretion.

以下、黒田先生からのコメントです。

廣岡先生,熊木先生,日浅先生をはじめとした第3内科の先生,さらには病理の先生にも多大なるご迷惑をおかけしましたが,今回なんとかacceptまでたどり着けました.本当に感謝,感激です.

 

内容としては,「門脈圧亢進症を伴う肝硬変患者には膵うっ血の病態が存在し,そのためにインスリン分泌が低下している」という論文です.

肝硬変患者ではしばしば肝性糖尿病を合併し,病的な高血糖や低血糖を引き起こすことが知られています.しかし,肝硬変患者特有の代謝障害や栄養障害のため,その治療に難渋するケースが多くみられます.一方,肝性糖尿病の発症機序に関しては,いくつかの報告があるもののいまだ不明な点が多いというのが現状です.今回我々は糖尿病発症において極めて重要な臓器である膵に着目し,この研究を行うに至りました.この検討結果をふまえて,今後肝性糖尿病治療において門脈圧亢進が何らかのキーファクターになるのではないかという報告をさせていただきました.

 

もともと大学院入学に関しては全く頭になかったため,ちょっとしたきっかけでうっかり入学を決めてしまい,当時はかなり戸惑いや不安が多かったのですが,多くの先生方のご協力を得てなんとか無事論文が完成しました.今回の論文作成を通じて多くのことを学ぶことができ,今後の医師人生にとっても大きな糧になったのではないかと思います.これからもこの経験を生かして,少しでも多くの人の役に立てるような仕事をしていきたいと思います.

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論文名:Short sleep duration reduces the risk of nonalcoholic fatty liver disease onset in men: a community-based longitudinal cohort study.

 
著者:Miyake T, Kumagi T, Furukawa S, Hirooka M, Kawasaki K, Koizumi M, Todo Y, Yamamoto S, Abe M, Kitai K, Matsuura B, Hiasa Y.
 
 
 
掲載誌:PLoS One. 2014 Sep 19;9(9):e107882.
 
以下、三宅先生からのコメントです。
 
 
 
検診シリーズ第6段、尿酸と耐糖能異常の発症の関係を調査した論文です。
 
尿酸が糖尿病や糖尿病発症のリスクであることは知られていますが、耐糖能異常発症の危険因子である空腹時血糖値別にみた尿酸のリスクについて検討した報告はありません。
 
 
 
今回我々は空腹時の血糖値で層別化し、耐糖能異常の発症と尿酸値に注目し解析を行い、空腹時の血糖値が高い男性群においてのみ、尿酸が耐糖能異常発症のリスクになるという結果がえられ報告しました。
 
 
 
PLoS Oneへ今回初めて投稿しましたが、4人の査読者から非常に厳しい質問が3回も来ました。締め切り数時間前に再投稿できた時もありました。『もう二度とこのjournalには投稿したくない!』と、思いました。
 
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論文accept情報

廣岡先生、三宅先生、黒田先生、有光先生の論文がacceptになりました。

廣岡先生は
「Nonalcoholic Fatty Liver Disease: Portal Hypertension Due to Outflow Block in Patients without Cirrhosis.」にてRadiologyにacceptされています。Radiology. 2014 Oct 10:132952. [Epub ahead of print]

 

三宅先生は

「Hyperuricemia is a risk factor for the onset of impaired fasting glucose in men with a high plasma glucose level: a community-based study.」でPLoS Oneにacceptされています。 PLoS One. 2014 Sep 19;9(9):e107882.

 

黒田先生は

「Pancreatic congestion in liver cirrhosis correlates with impaired insulin secretion.」でJ Gastroenterol.にacceptされています。J Gastroenterol. 2014 Oct 5. [Epub ahead of print]

 

有光先生は

「The ligand binging ability of dopamine D1 receptors synthesized using a wheat germ cell-free protein synthesis system with liposomes」でThe European Journal of Pharmacologyにacceptされています。

 

有光先生はこれが学位論文となり、黒田先生も学位論文となる予定です。

今回acceptになった先生方の今後の益々のご活躍を期待しております

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平成26年度学位記授与式が行われました。

今年度、当科からは竹治智先生が学位記を授与されました。

竹治先生はJ Gastroenterol Hepatolに学位論文を投稿され、acceptされています。

今後の益々のご活躍を期待しております。

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第3内科では日浅教授の下で、今後も新たな研究プロジェクトにも日々取り組んでいきます。

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第16回(平成28年度) 日本内分泌学会四国支部学術集会の会長が県立新居浜病院の南尚佳先生に決定

日本内分泌学会四国支部では,四国4県の持ち回りで,毎年9月に四国支部学術集会を開催しています。第16回の四国支部学術集会は平成28年の開催で,愛媛県が当番になります。先日の四国支部幹事会・評議員会・総会にて,県立新居浜病院の南尚佳先生が会長に推薦され,承認されました。同門の先生方には,是非とも,学会運営にご協力,ご支援のほど,お願い申し上げます。

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論文名:Levels of Alkaline Phosphatase and Bilirubin are Surrogate Endpoints of Outcomes of Patients with Primary Biliary Cirrhosis – an International Follow-up Study.
著者:Lammers WJ, van Buuren HR, Hirschfield GM, Janssen HL, Invernizzi P, Mason AL, Ponsioen CY, Floreani A, Corpechot C, Mayo MJ, Battezzati PM, Parés A, Nevens F, Burroughs AK, Kowdley KV, Trivedi PJ, Kumagi T, Cheung A, Lleo A, Imam MH, Boonstra K, Cazzagon N, Franceschet I, Poupon R, Caballeria L, Pieri G, Kanwar PS, Lindor KD, Hansen BE; the Global PBC Study Group.
掲載誌:Gastroenterology. 2014 Aug 23. pii: S0016-5085(14)01040-3. doi: 10.1053/j.gastro.2014.08.029.
 
以下、熊木先生からのコメントです。
Got into Gastroenterology!
とうとうやりました、多国籍軍による共同研究デビュー!
内科学では世界最高峰の一つであるJAMAには◎◎◎すぎると言われ蹴られましたが、消化器病学最高峰のGastroenterologyにacceptされました。
原発性胆汁性肝硬変と言う稀な疾患ですが、その長期予後に胆道系酵素の血清アルカリフォスファターゼ値および黄疸の指標である血清ビリルビン値が重要としたものです。この両マーカーは組織学的な検討においても浮上してきたマーカーです(Kumagi T, et al. Am J Gastroenterol 2010)。へえ〜、胆道系疾患だからそんなの当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、いやいや意外と正当に示す事が難しいのです。そのことを北米・EU諸国との共同研究で示す事ができました。比較的稀な疾患にも関わらず、5,000例弱(うち私自身がトロント大学でまとめたのは700例弱)と言うメガデータおよび結果のシンプルさが受けたのだと思います。最も古い症例は1959年に診断された症例です。
稀な慢性疾患の臨床研究では、endpointの設定が難しく、単施設では症例も少ないためになかなか物を言えません。その点を多施設共同研究が解決してくれます。トロント大学時代の臨床研究がイギリス・ドイツとの共同研究に広がり、さらにはthe Global PBC Study Groupへと発展しました。The Global PBC Study Groupは下記の施設に所属する専門家でチームが結成され、メガデータで臨床研究を推し進めております。
日本:Ehime University (Ehime).
カナダ:University of Toronto (Toronto), University of Alberta (Alberta).
アメリカ:UT Southwestern Medical Center (Dallas), Virginia Mason Medical Center (Seattle), Mayo Clinic (Rochester), Arizona State University (Phoenix).
イギリス:University of Birmingham (Birmingham), The Royal Free Hospital (London).
オランダ:Erasmus University Medical Centre (Erasmus),  Academic Medical Center (Amsterdam).
ベルギー: University Hospitals Leuven (Leuven).
フランス:Hôpital Saint-Antoine (Paris), Centre de Référence des Maladies Inflammatoires des VoiesBiliaires (Paris).
イタリア:Humanitas Clinical and Research Center (Rozzano), University of Padua (Padua), Università degli Studi di Milano (Milan).
スペイン:University of Barcelona (Barcelona), IDIBAPS (Barcelona).
当グループとしては今回の臨床研究が処女作ですが、今後もさらに続きます。これからも日々の診療に役に立つ情報を発信して行きたいと思います。
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愛媛大学大学院
消化器・内分泌・代謝内科学
(第三内科)
Departments of Gastroenterology and Metabology, Ehime University Graduate School of Medicine
〒791-0295 愛媛県東温市志津川454
愛媛大学医学部本館8F
TEL 089-960-5308
FAX 089-960-5310
mail : 3naika@m.ehime-u.ac.jp